2022/09/02 13:15
ファイストが、アーケイド・ファイアのフロントマンであるウィン・バトラーにまつわる性的不品行疑惑を受け、同バンドのヨーロッパと北米ツアーの前座を辞退することを発表した。現地時間2022年8月30日にアイルランド・ダブリンでツアーがキックオフし、2日目の公演を終えた翌日に彼女はこの決断をした。
46歳のファイストは、他の多くの人と同じようにバトラーに対する疑惑について8月27日に米ピッチフォークが初めて記事で公表した時に知ったと共有した。同記事は、バトラーと不適切と思われる性的なやりとりをしたと主張する4人の証言が詳細に綴られており、そのうちの1人は彼から暴行を受けたと主張している。バトラーはその後、どの疑惑も合意の上であると説明している。
現地時間2022年9月1日、ファイストは自身のSNSに、「バンドと共にリハーサルを行った後、ダブリンのパブで、皆さんと同じように記事を読みました」という言葉で始まる長文のメッセージを投稿した。「私たちには、これから起こることに備える時間も、海を渡ってこの状況の中に飛び込むことを決断するチャンスもありませんでした。これは私にとって信じられないほど困難なことであり、名乗り出た方々にとっていかに困難なことであったか想像しかできません。私は今回の件に関係している方々が癒されることを何よりも願います」と綴った。
「この一件は、私よりも、私の歌よりも、そしてどんなロック・ロール・ツアーよりも大きな会話に火をつけたのです」と彼女は続け、「ツアーを継続することは、私がウィン・バトラーを擁護するか被害者を無視することを意味し、(ツアーから)去ることは、私が裁判官と陪審員であることを意味します」と説明した。
当初、ファイストはバトラーの疑惑から自身の芸術性を切り離すことができると考え、ツアーへの参加の意思を示した。「私はアーケイド・ファイアのために、あるいはアーケイド・ファイアと共に立つためにここにいるのではありません。私がいるべきと感じるようになり、自分自身で掴んだ場所であるステージに、自分の足で立っていました」と彼女は述べた。「私のバンド、クルー、彼らが愛する人たち、私たちの家族、そしてショーという集団的相乗効果による空間を共有するために、苦労して稼いだお金を払ってくれた観客のために私は演奏しています」と語った。
しかし、最終的にステージで自分の音楽を演奏するという行為が、彼女にアーケイド・ファイアのサポート・アクトを続けることができないと悟らせたと説明し、同ツアーから辞退することを発表した。「私は不完全で、不十分な状態でこの決断を進めることになりますが、私が確信しているのは、バンド、クルー、私の家族を守る最善の方法は、この会話ではなく、このツアーから身を引くということです」と記した。
「この決断を下したのは、この2日間のステージで披露した私の曲です。このレンズを通してそれらを聴くことは、私のキャリア全体を通して自分自身を明確にするためにやってきたことと辻褄が合いませんでした」と彼女は説明し、「私はいつも自分の些細な難点を挙げ、最高の自分を目指し、必要な時に責任を主張する曲を書いてきました。そして今、私は自分の責任を主張し、家に帰ります」と締めくくった。
ツアーから辞退する前、ファイストは最初の2公演で販売したグッズの収益を家庭内暴力から女性や子供を守り、虐待の被害を受けた女性に支援と援助を提供し、正義と社会変革を目指して活動するWomen's Aid Dublinに寄付すると発表していた。
米ピッチフォークの報道には、被害者とされる人々の証言に加え、バトラーからの声明文も含まれていた。その中で、彼は婚外関係は、アーケイド・ファイアのメンバーでもある妻レジーヌ・シャサーニュとすべて合意の上であり、レジーヌもそのことは分かっていたと主張した。
「私たちの結婚は、過去には、他の結婚よりも型破りなものでした」と彼は綴った。「私は人々と直接的に、ショーやソーシャル・メディアを通し繋がり、誇れないようなメッセージのやり取りをしてきました。最も重要なことは、これらすべての交流は互いに合意し、常に大人同士の同意があったということです。そうでないと提案する人は、極めて改革論者であり、率直に言って間違っています」と説明した。
「私は女性の意思に反して触れたことはありませんし、そのような推測は単に間違いです」と彼は続けた。「私が女性に無理やり触ったとか、性的な要求をしたという話を、まったくもって否定します。それはシンプルに、そしてはっきりと、決して起きていません」と主張した。
また、彼は「これらの関係はすべて合意の上だった一方、私の行動で傷つけた人には大変申し訳ないと思っています」と付け加えた。「人生はとてつもない痛みと間違いに満ちており、私は決して誰かの痛みを引き起こす原因になりたくありません」と語った。
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