2022/08/10 19:00
HYDEとNOISEMAKERの対バンライヴ【HYDE LIVE 2022 RUMBLE FISH】が、8月7日に北海道・Zepp Sapporoで開催された。
6月から全6か所12公演で開催されてきた対バンライヴ【HYDE LIVE 2022 RUMBLE FISH】。HYDEにとってスタンディングでの全国ツアーは実に3年ぶりとなっており、これまでROTTENGRAFFTY、coldrain、Dragon Ash、THE ORAL CIGARETTES、GASTUNK、TOTALFAT、Crossfaith、CVLTEといった猛者達と火花を散らしてきた。出演者はHYDEやL'Arc~en~Cielをルーツに持つアーティストや、「HYDEの音楽の原点」とも言えるGASTUNKなどで、正に三世代が交差してきたわけだ。
そして、今回のゲストはNOISEMAKER。2022年、多くのフェスに出演し、【KITAKAZE ROCK FES.】の主催や対バンツアー【NOISEMAKER presents "AXIS TOUR" 】を開催してきた。8月からはワンマンツアー【NOISEMAKER presents NOISEMANIA 2022】も決定しており、精力的な活動を展開している。そんな中、突如として本公演2日前の8月5日にUTA(Dr.)の体調不良が発表された。併せて、代わりにサポートドラマーとしてGaku(Crystal Lake)を迎えてライヴを決行することも明らかに。1日で曲をマスターして、バンドに落とし込むというGakuのプロフェッショナルと、NOISEMAKERのライヴに懸ける熱い信念を感じた。
開場中、見渡せばフロアは段々と大勢の人で満杯に。ツアーファイナルはどんな戦いが繰り広げられるのか、期待が高まっていく。開演時間になると、壮大なSEが流れ始めNOISEMAKERが登場。一曲目「NAME」から強烈なブレイクダウンで、身体の芯まで振動が伝わってくる。続く「Hunter or Prey」ではGakuの屈強な4ビート、HIDE(Gt.)とYU-KI(Ba.)の重低音にAG(Vo.)がストレートな歌声をミックスさせていく。最後にAGはグロウルを炸裂し、ガッツポーズで曲を締めた。
「みんな、俺らの音にぶっ飛んでください!」とAGが言い放った後の「SADVENTURES」では、ミドルテンポなリズムから徐々に高速ラップをバースト。裏声が光るサビでは、拳を高く翳してオーディエンスを煽っていった。「最高ですね。HYDEさんに対バンを誘われた時、即答しました」と話し始めた最初のMC。「自分の音楽を信じ続けてきてよかった。この瞬間は俺らにとって大切です」とライヴへの想いも語っていた。
そして「Something New」「SPEAK UP」とノンストップで披露していき「Better Days」へ。一人一人に語りかけるように歌い上げ、会場を盛り上げていく。最後は、今日この日を迎えられたことに対して、ライヴハウス、サポートメンバー、バンドメンバー、出会ってくれたオーディエンス、ロックの神様に感謝を伝えるAG。「これが俺らの精一杯です!」という振りから「Nothing to Lose」をパワフルに歌い上げ、ステージを後にした。
メインアクト・HYDEのターンになると、獰猛なフロアタムとサイレンが 鳴り響くSEが流れ出す。幕が開き、顔半分黒い仮面を被ったHYDEが登場。トップを飾ったのは、不気味なギター旋律から始まる「FAKE DIVINE」だ。その後も、ハイトーンのボイスを発して「LET IT OUT」「AFTER LIGHT」を火力最大で披露していく。「我々も譲れません!」とNOISEMAKERに全力で立ち向かうことを宣誓するHYDE。「DEFEAT」では地面に這いつくばり烈しいシャウトを、「INTERPLAY」では攻撃的なロックサウンドを届けていく。これまで、数々の凄腕アーティストと対バンをする中で得た刺激や新たな発見が、よりHYDEとバンドメンバーを強化させていることを実感した。
「助け合いというか、なんとかそのライヴを成功させたいという気持ちが入り組んでいる」と、バンドメンバーの機材トラブルやNOISEMAKERのドラムサポートについてコメントするHYDE。また今回、NOISEMAKERの百パーセントの気合いに対して「嬉しくて涙が出てきました。」と述べ、ツアー直前に参加が決まった自身のバンドメンバーにも触れ「みんな本当にかっこいいよね。気持ちが伝わってきたし、本当にやってよかったなって。バンドって改めてすごいな」と述べると、盛大な拍手が送られる。
【HYDE LIVE 2020 Jekyll & Hyde】をはじめ、コロナ感染対策を徹底し、数々のライヴを無事に成功させてきたHYDE。色々制限された中でもルールがあるから、ファンはライヴを楽しむことができた。未だ声を出すことはできないが「態度で示してくれよ!」と、今のライヴの楽しみ方を最大限に提示し「MAD QUALIA」へ。フロアではヘドバンが巻き起こりカオス状態に。「ANOTHER MOMENT」でも、フロアスペースを有効に使い、オーディエンスをその場で回転させて熱狂の渦を生み出していった。
終盤に差し掛かると、今回のツアーで解禁された新曲「6 or 9」を披露。ダークな雰囲気が漂い、今ツアーでは叶わなかったがコールアンドレスポンスで盛り上げていくサビ、そして内側の欲望を掻き立てるような激しい楽曲だ。そうして会場が完全に沸騰した中、AGが再びステージに登場。ここでは「HONEY」がHYDEバンドアレンジでパフォーマンスされた。二人は見つめ合って「少しイカレタだけさ」とこめかみに指を添えたり、抱き合ったりしながら、波長の合う歌声でオーディエンスを魅了していった。
そして、いよいよライヴはラストの楽曲に突入。HYDEは、キーボードとドラムセットをステージ前方に引き寄せてから「MIDNIGHT CELEBRATION Ⅱ」をスタートさせる。楽曲がどんどん進行していく中、自らシンバルを地面に叩きつけ、ドラムセットに体を乗せ、水を頭からかけるなど興奮状態に。そこから、全ての力を集約させたようなシャウトで楽曲が締め括られる。HYDEのロックンローラーとしての真髄が表現されたかのような、貴重な瞬間だった。もちろん、ステージを去る時は前方のオーディエンスを気づかい、ファンを第一に考えている姿を見せたことは言うまでもない。最高のフィナーレだった。
HYDEの次なるステージは【ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2022】、【SUMMER SONIC 2022】、ワンマンライヴ【HYDE LIVE 2022】など。本編後半でも「待ってろよ! ロッキン!」と張り上げていたように、2022年下半期もエンジン全開のHYDEの活動に期待したい。
なお、札幌公演1日目、CVLTEとの対バンライヴのレポートはBillboard JAPANのホームページに掲載中だ。
Text by Tatsuya Tanami
Photo by HIROAKI ISHIKAWA(HYDE、HYDE&NOISEMAKER) / Taka"nekoze photo"(NOISEMAKER)
◎公演情報
【HYDE LIVE 2022 RUMBLE FISH】
2022年8月6日(土)開場 16:30/開演 17:30
ゲスト:CVLTE
2022年8月7日(日)開場 16:30/開演 17:30
ゲスト:NOISEMAKER
会場:北海道・Zepp Sapporo
【VAMPROSE ARCHIVES presents HYDE LIVE 2022 RUMBLE FISH(追加公演)】
※FC限定公演(HYDEIST/Circle A)
2022年9月4日(日)開場 16:15/開演 17:30
2022年9月5日(月)開場 17:45/開演 19:00
ゲストアクト:ASH DA HERO(両日)
会場:東京・Zepp Haneda(TOKYO)
【HYDE LIVE 2022】
※FC限定公演(HYDEIST/HYDERoom)
2022年9月7日(水)開場 17:45/開演 19:00
2022年9月8日(木)開場 17:45/開演 19:00
2022年9月10日(土)開場 16:15/開演 17:30 ※ライヴビューイング生中継あり
会場:東京・Zepp Haneda(TOKYO)
【HYDE LIVE 2022 BEAUTY & THE BEAST supported by EdgeTechプロジェクト】
2022年9月11日(日)開場 16:15/開演 17:30 ※ステージクラウド生中継あり
会場:東京・Zepp Haneda(TOKYO)
チケット:1Fスタンディング7,330円、2F指定席(撮影可能)11,000円
※すべて税込み、ドリンク代別
【NOISEMAKER presents NOISEMANIA 2022】
2022年8月17日(水)名古屋CLUB QUATTRO
2022年8月18日(木)梅田CLUB QUATTRO
2022年8月24日(水)渋谷CLUB QUATTRO
2022年9月7日(水)札幌PENNY LANE 24
開場 18:00/開演 19:00
ゲスト:HIKAGE
チケット:4,500円
※すべて税込み、ドリンク代別
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