ハリー・スタイルズの「アズ・イット・ワズ」が通算9週目の首位を獲得した、今週の米ビルボード・ソング・チャート。

　1位に初登場した4月16日付から今週までの14週間で通算9週目の首位を獲得した「アズ・イット・ワズ」は、エアプレイが7,340万回（1％減少）、ストリーミングが1,800万回（3％減少）、セールスも5,000（10％減少）にそれぞれ前週から数字を落としているが、大きな変動はない。エアプレイ・チャートで3位をキープして、ストリーミング・ソング・チャートでは7位から6位に上昇した。なお、前者で4週、後者は2週それぞれ1位を獲得している。安定した人気を維持して、今年のソング・オブ・ザ・サマーでは6週目の首位をキープした。

　「アズ・イット・ワズ」が収録されたハリーの3rdアルバム『ハリーズ・ハウス』（5月発売）は、6月4日付のアルバム・チャート“Billboard 200”で1位に初登場した後、TOP10にランクインし続けて今週2位に上昇した。本作から2曲目のシングルとしてカットされた「レイト・ナイト・トーキング」も好調で、前週から26％増加の3,660万回を記録して、今週のエアプレイ・チャートで16位から10位に上昇。「アズ・イット・ワズ」に続く自身4曲目のTOP10入りを果たした。Hot 100では、6月4日付で4位にデビューした後TOP10圏外にランクダウンしたが、今週18位から15位に順位を上げている。

　続いて2位は、リゾの「アバウト・ダム・タイム」が先週の3位から上昇して最高位を更新した。ストリーミングが1,250万回（2％減少）、セールスも8,000（10％減少）に若干減少しているが、エアプレイは7％増加の8,320万回に上昇していて、エアプレイ・チャートでは2位から1位に上昇。「トゥルース・ハーツ」（2019年 / 6週）、「グッド・アズ・ヘル」（2019年 / 4週）に続く3曲目のNo.1タイトルを獲得した。「トゥルース・ハーツ」が初めて1位を獲得した2019年9月28日付から今週までの約2年10か月間で、エアプレイ・チャートの首位獲得数が3曲を上回ったのはリゾが初の快挙となる。

　その他、「アバウト・ダム・タイム」はR&Bソング・チャートで8週目の首位をキープして、R&B/ヒップホップ・ソング・チャートでは「トゥルース・ハーツ」（2019年8月 / 11週）、「グッド・アズ・ヘル」（2019年9月 / 4週）、「ルーマーズ with カーディ・B」（2021年8月 / 1週）に続く4曲目の首位を獲得した。「アバウト・ダム・タイム」が収録される新作『スペシャル』が今週7月15日に発売されるため、次週以降もアルバムのリリース効果による上昇が見込める。

　「アバウト・ダム・タイム」の上昇により、ジャック・ハーロウの「ファースト・クラス」は先週の2位から3位にダウンしたが、ラップ・ソング・チャートでは通算11週目の首位をキープしている。

　続いて4位には、ケイト・ブッシュの「神秘の丘/Running Up That Hill (A Deal With God)」が先週の6位から再浮上し、最高位に復帰した。エアプレイが2,460万回（30％増加）、ストリーミングが2,230万回（20％増加）、セールスも17,000（45％増加）にそれぞれ大きく数字を伸ばし、セールス、ストリーミングの両チャートでは、今週のSales Gainer、Streaming Gainerを獲得して1位を獲得している。その他、ロック＆オルタナティブ・ソング・チャートとオルタナティブ・ソング・チャートでは5週目の首位をキープ。オルタナティブ・エアプレイ・チャートでは、先週の13位から9位に上昇し、最高7位を記録した「ラバーバンド・ガール」（1993～94年）以来のTOP10入りを果たした。

　「神秘の丘」は1985年にリリースされた過去のヒット曲だが、5月27日に配信されたNetflixシリーズ『ストレンジャー・シングス 未知の世界』シーズン4に使用されたことで人気が再燃し、今年の6月11日付で8位にランクインした。

　チャートに戻り、フューチャーの「Wait for U feat. ドレイク＆テムズ」が4位から5位に、ドレイクの「Jimmy Cooks feat. 21サヴェージ」も5位から6位にそれぞれワンランクダウンして、7位には先週の8位からバッド・バニーの「Me Porto Bonito with チェンチョ・コルレオーネ」が上昇した。「Me Porto Bonito」は、ラテン・ソング・チャートで8週目の首位を獲得している。

　続いて8位には、先週の9位からグラス・アニマルズの「ヒート・ウェイヴス」が上昇し、Hot 100でのランクイン総週を77週目に更新した。この記録は、昨年の年間チャートを制したデュア・リパの「レヴィテイティング」と並ぶ歴代4位タイで、上位5曲のうち77週目の時点でTOP10にランクインしているのは「ヒート・ウェイヴス」が初の快挙となる。

90週　ザ・ウィークエンド「ブラインディング・ライツ」（2020年）
87週　イマジン・ドラゴンズ「レディオアクティヴ」（2013年）
79週　エイウォルネイション「セイル」（2013年）
77週　デュア・リパ「レヴィテイティング」（2021年）
77週　グラス・アニマルズ「ヒート・ウェイヴス」（2022年）

　TOP10のランクイン総週としては34週目に記録を更新し、ザ・ウィークエンドの「ブラインディング・ライツ」（57週）、ザ・キッド・ラロイ＆ジャスティン・ビーバーの「ステイ」（44週）、 デュア・リパの「レヴィテイティング」（41週）に続く歴代4位に浮上した。

　先週7位にTOP10入りしたビヨンセの新曲「ブレイク・マイ・ソウル」は今週9位にダウン。ストリーミングは1,150万回（26％減少）、セールスも7,000（36％減少）に下降したが、エアプレイが好調で、前週から54％増加の3,420万回に跳ね上がり、今週最も伸びた曲に贈られる Airplay Gainerを獲得してエアプレイ・チャートで28位から12位にジャンプアップした。また、ダンス/エレクトロニック・ソング・チャートでは2週目の首位をキープしている。

　「ブレイク・マイ・ソウル」は、7月29日にリリース予定の新作『ルネッサンス』からのリード・シングルで、前述の「アバウト・ダム・タイム」同様、アルバムのリリース効果で今後上昇することが予想される。

　10位は、ラトーの「ビッグ・エナジー」が先週の11位から上昇し、再TOP10入りを果たした。

Text: 本家 一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは7月15日以降掲載予定となります。

◎【Hot 100】トップ10
1位「アズ・イット・ワズ」ハリー・スタイルズ
2位「アバウト・ダム・タイム」リゾ
3位「ファースト・クラス」ジャック・ハーロウ
4位「神秘の丘」ケイト・ブッシュ
5位「Wait for U」フューチャー feat. ドレイク＆テムズ
6位「Jimmy Cooks」ドレイク feat. 21サヴェージ
7位「Me Porto Bonito」バッド・バニー with チェンチョ・コルレオーネ
8位「ヒート・ウェイヴス」グラス・アニマルズ
9位「ブレイク・マイ・ソウル」ビヨンセ
10位「ビッグ・エナジー」ラトー