Billboard JAPAN


NEWS

2022/06/10

【ビルボード 2022年上半期TikTok Chart】ブラックビスケッツのカバー「タイミング ~Timing~」がトップ、平成ソングが再燃

 2022年上半期Billboard JAPAN“TikTok Chart”で、Klang Rulerの「タイミング ~Timing~」が1位に輝いた。

 本チャートはTikTok上における楽曲人気を記したものだ。「タイミング ~Timing~」は、1996年4月~2002年3月に放送されたバラエティ番組『ウッチャンナンチャンのウリナリ!!』の企画から誕生したブラックビスケッツの大ヒット曲「Timing」(1999)をKlang Rulerがカバーしたもので、ローカルカンピオーネのダンス投稿をきっかけに、その振り付けに挑戦するユーザーが急増。3月23日公開チャートでトップデビューし、集計期間中に6度の首位に立った。

 続く2位はメーガン・トレイナーが2015年にリリースした「タイトル」。<Kiss my a** goodbye>の歌詞に合わせて、投げキッスをして、おしりを叩く動画が、国内外でバズを呼んだ。日本では、海外の人気を受けて、国内の人気TikTokクリエイターが挑戦→一般ユーザーに拡散という流れが生まれ、歌う・踊るのどちらも人気が高かった。メーガンは、このバズがきっかけで、2014年に撮影したもののアメリカ国内では未公開だったミュージック・ビデオの公開にこぎつけたという。

 3位の心之助「Blue Spring」は、<俺らの絆が眩しい(C)>の歌詞に合わせて、額の辺りで手を振り払うダンス動画が昨年12月後半から拡散。初登場5位→2位→6週連続1位を記録した、上半期のTikTokをにぎわせた楽曲のひとつだ。

 2人組ユニット・音莉飴(読み方:ねりあめ)の「陽キャJKに憧れる陰キャJKの歌」やフリーBGM素材作曲家“しゃろう”の「2:23 AM」、戦慄かなの&頓知気さきな姉妹のユニット・femme fatale「だいしきゅーだいしゅき」といった上位チャートイン曲もTikTok内ではおなじみの楽曲だが、地上波番組やメディアで最も取り上げられたのは7位にチャートインした広瀬香美の「ロマンスの神様」だろう。タイガの振り付けによるダンス動画に本人が反応したことで楽曲認知が高まり、昨今のTikTokの特徴でもあるリバイバル現象の代表例として多くのメディアに取り上げられた。

 TikTokの楽曲トレンドとしては、「タイミング ~Timing~」や「タイトル」「ロマンスの神様」のように、リリースから年月が経過した楽曲がTikTok内でバズを起こす傾向、そしていわゆる“メジャー”に所属していないアーティストたちの楽曲が人気を呼ぶ傾向がある。それは、どのアーティストにもバズる可能性が大いにあることを示し、どこで・誰の曲が流行るのかが全く予想できないところがおもしろい点でもある。しかし、その中の多くに共通しているのがダンス。「2:23 AM」とTikTok定番曲「「ぴえん」のうた」以外は、すべてTikTok内で決まった振り付けが存在しており、ストリーミングでも好調のTani Yuuki「W/X/Y」(16位)や、現在TikTokで人気のSEKAI NO OWARI「Habit」にも、踊りやすそう・踊ってみたくなるダンスがある。たとえ上手にカッコよく踊れなくても、それを個性として出せるオープンな場であることが、TikTokに夢中になる人が増えている要因と言えるだろう。

Text by Mariko Ikitake


【2022年上半期Billboard JAPAN TikTok Chart】トップ10
1位「タイミング ~Timing~」Klang Ruler
2位「タイトル」メーガン・トレイナー
3位「Blue Spring」心之助
4位「陽キャJKに憧れる陰キャJKの歌」音莉飴
5位「2:23 AM」しゃろう
6位「だいしきゅーだいしゅき」femme fatale
7位「ロマンスの神様」広瀬香美
8位「WA DA DA」Kep1er
9位「Let's Get Eat (feat. KOTETSU)」T-STONE
10位「「ぴえん」のうた」針スピ子

集計期間:2021年11月29日(月)~2022年5月29日(日)

ACCESS RANKING

アクセスランキング

  1. 1

    <ライブレポート>ano「次に会う時まで必ず生きて」――ツアー追加公演完走、音楽でたどり着いた“絶対聖域”

  2. 2

    <インタビュー>米津玄師 新曲「Azalea」で向き合った、恋愛における“距離”――「愛情」の源にある“剥き身の生”とは

  3. 3

    【ビルボード】ロゼ & ブルーノ・マーズ「APT.」総合首位、洋楽としては約11年半ぶりの快挙

  4. 4

    【先ヨミ】timelesz『because』24.9万枚で現在シングル1位独走中

  5. 5

    【Number_i LIVE TOUR 2024 No.I】Xmasイブ公演、Prime Videoで世界同時独占ライブ配信

HOT IMAGES

注目の画像