2022/05/19
清津渓谷、大杉谷とともに日本三大渓谷に選定され、日本の秘境百選の一つにも挙げられる黒部峡谷。その玄関口にある宇奈月温泉郷に、1993年に誕生した黒部市芸術創造センター「セレネ」の大ホールにて6月18日(土)、シンガーソングライターの安藤裕子とトラックメーカー /プロデューサーのKan Sanoによるツーマンライブが開催される。
「Sound of Selene(サウンド・オブ・セレネ)」と銘打たれた本イベントは、今回が記念すべき第一回。「自然との調和」をテーマに厳選した2組のミュージシャンを招く、シリーズイベントとしてスタートする。「セレネ」のロゴマークにも表されているように、卵と卵が重なり合うようなフォルムの建物に合わせ、2組の音楽が響き合い、その殻を破って産声をあげるイメージで企画されたものだという。
2003年にミニアルバム『サリー』でデビューした安藤裕子は、月桂冠のTVCMに「のうぜんかつら(リプライズ)」が起用されて大きな話題になる。ジャズやフォーク、ファンク、歌謡曲など様々な音楽に影響を受けた豊かなメロディに乗せ、ドラマティックで叙情的な歌詞世界を時に激しく、時に優しく歌うそのステージパフォーマンスは、同世代の女性はもちろん多くの音楽ファンを虜にしてきた。2020年にはTVアニメ『進撃の巨人』The Final Season のエンディングテーマ曲「衝撃」を書き下ろし、原作のセリフを盛り込むなどその世界観を凝縮した歌詞が、国内外のファンに今も衝撃を与え続けている。また、昨年8月にはTVドラマ『うきわ 友達以上、不倫未満』のオープニング曲「ReadyReady」を配信リリース。同曲を収録した通算8枚目のアルバム『Kongtong Recordings』も発表するなど、コロナ禍でも精力的に活動を行ってきた。なお、安藤裕子にとって今回が初の富山公演となる。
一方Kan Sanoは、バークリー音楽大学ピアノ専攻ジャズ作曲科を卒業後に帰国し、キーボーディストとしてCHARAや大橋トリオ、藤原さくらなど様々なアーティストのライブやレコーディングに参加するほか、職業作家やプロデューサーとしても幅広く活動。ジャズやクラシックをルーツに持ちながら、ヒップホップやR&B、ネオソウルにも造詣が深くビートミュージックシーンを牽引する存在としても名を馳せている。2011年からはソロ活動も積極的に行い、2021年にリリースされた『Susanna』では自身のボーカルをこれまで以上にフィーチャー。生粋のビートルマニアとしてソングオリエンテッドな楽曲を数多く収録した。またライブでは、ループマシンを駆使しながら様々な楽器を重ねていく「一人バンド」など実験的なパフォーマンスにも果敢にチャレンジし続けている。なおこの日のライブでは、今年4月にリリースされた通算6枚目のアルバム『Tokyo State Of Mind』からも楽曲を披露するとのこと。ソロ公演としてどのようなアレンジが施されるのか、今から楽しみでならない。
ホールに併設されたセレネ美術館には、宇奈月町出身でフランス在住の洋画家・戸出喜信が描いた長さ9mもの大作『黒部川』をはじめ、平山郁夫や塩出英雄、手塚雄二らが実際に黒部峡谷を取材しながら制作した絵画も展示されており、豊かな自然の中でアートや音楽を満喫する充実したひとときになりそうだ。また、ライブと併せて宇奈月温泉を楽しめる宿泊プランもある。都心から電車で約2時間半、「宇奈月温泉駅」から徒歩5分に位置する芸術性の高い文化施設「セレネ」に、温泉巡りも兼ねて足を運んでみたらいかがだろうか。Text by 黒田隆憲
◎公演情報
【Sound of Selene】
2022年6月18日(土)
OPEN15:00 START16:00
出演:安藤裕子、Kan Sano
チケット:6,000円(全席指定)、3,000円(高校生以下)
※未就学児入場不可
https://www.unazuki-selene.com/sos2022/
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