2022/05/18
セレーナ・ゴメスが、オンライン上のヘイト・スピーチの拡散を阻止するために十分な対策を講じていないとして、SNS企業を再び非難した。2022年5月14日に米ニューヨーク州バッファローで起きた、犯人とされる18歳の白人青年がスーパーにいた黒人買い物客を重点的に狙った人種差別的な銃撃事件に反応したもので、彼女は5月16日に「バッファローでの恐ろしい襲撃に心が痛みます。SNS各社はヘイト対策が不十分です」とツイートした。
2020年9月にセレーナは、Facebookのマーク・ザッカーバーグCEOとシェリル・サンドバーグCOOにデマとヘイト・スピーチの問題についての対話を始めるよう懇願する内容のプライベート・メッセージを送ったことを明らかにした。同年10月には、Googleの親会社であるAlphabet Inc.のスンダー・ピチャイCEOに対しても、大統領選挙に関するデマ広告の表示を停止するよう呼びかけている。昨年7月にも彼女は、現在までに100万人を超える米国人が死亡している世界的パンデミックの最中に、Facebookがなぜワクチンに関するデマの拡散を黙認しているのかと問いかけた。16日のツイートは、ハイテク企業の責任を問うという彼女の継続的な取り組みの一環として投稿されたものだ。
セレーナの投稿は、Center for Countering Digital Hate(デジタル・ヘイト対策センター)のツイートにリンクしており、そこには、「SNS大手がネット上のヘイトやデマに効果的に対処できないことは、現実世界にも影響を及ぼします。言葉は人を殺すことができるのです」と、同センターのイムラン・アーメドCEOが英紙ガーディアンのコラムに寄せたコメントが引用されている。 同氏は、Meta(旧Facebook)、Twitter、Googleがネット上の過激化対策にもっと力を入れていれば、バッファローの銃撃事件は避けられたかもしれないと主張している。
セレーナの投稿の前日にジョン・レジェンドも、米FOXニュースの有名コメンテーターであるタッカー・カールソンを非難した。バッファローの銃乱射事件では、10人の死者と3人の負傷者のほぼ全員が黒人だったが、白人の犯人が公開したとされる180ページに及ぶマニフェストは、カールソンの番組で頻繁にテーマになってきた“大いなる置き換え(great replacement)”という信憑性のない人種差別理論に言及していた。
根拠のないこの陰謀論の支持者たちは、米国の白人有権者を“置き換える”ことにより政治的目標を達成するという目的のために非白人が連れてこられており、白人の人口を追い越しつつあると主張する。この説は、白人至上主義者や移民反対派がよく主張するもので、白人を一掃するための陰謀だと考えている。レジェンドは、保守主義的な論調で知られるFOXニュースの顔とも言える人物が、視聴者の精神を毒していると指摘し、「この思想の信奉者は、ユダヤ人、黒人、アジア人、ラテン系の人々を大量に虐殺している。我々はいつになったら、このテロリストのシンパたちをテレビやSNSから排斥し、プラットフォームを取り上げるのだろうか?」と問いかけた。
FOXニュースの広報担当者はレジェンドのツイートについてノーコメントだったが、カールソンが番組で“政治的暴力”を非難しているいくつかの引用のリンクを送り、その中には今年1月に彼が述べた「たとえそれを犯したのが誰であろうと、いかなる種類の政治的暴力も我々は一貫して非難してきた」という言葉もあった。
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