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2022/05/17

<インタビュー>NCT日本人メンバーのSHOTARO 決意を胸に挑戦した韓国でデビューするまで

 東方神起やSHINee、Red Velvet、aespaらで有名な<SMエンターテインメント>に所属する、活動グループとメンバー数の制限を持たないNCTは、NCT 127やNCT DREAM、WayVという固定メンバーで活躍するグループと、作品ごとにグループ形態が変わるNCT U、そして時にはメンバー全員による活動が、毎度ファンを驚かせ、魅了してきた。

 韓国やアメリカ、カナダ、日本など、総勢23名の多国籍メンバーで構成されたNCTは、その圧倒的なパフォーマンスはもちろん、言葉の壁を越えたグローバルな活躍で、各国でファンダムを築いている。K-POPアーティストの来日が相次いでおり、その盛り上がりが加速していくことが予想されるなか、世界を股にかけるグループの今後の中心となっていく一人が日本人メンバーのSHOTAROだ。現在21歳のSHOTAROは、5歳から培ってきたダンススキルがSMエンターテインメント関係者の目に留まり、韓国に渡ってステージデビューを果たした優れ者だ。

 4月に約2年ぶりに帰国したSHOTAROは、家族や友人たちと時間を過ごしたり、先輩・SUPER JUNIORの来日イベントに足を運んだりして、つかの間のオフを満喫したようだ。未だ明かされていないことが多いSHOTAROに、韓国で成功の切符を手に入れるまでの経緯や、話題を呼んだ「Make A Wish (Birthday Song)」、尊敬するアーティストなど、幅広く話を聞いた。

――久しぶりの日本だそうですね。SUPER JUNIORのファンミーティングにも行ってましたが、先輩の姿はどうでしたか?
SHOTARO:韓国で活躍されている先輩たちをまさか日本で見られるとは思っていなくて嬉しかったですし、長く活動されている方々のパフォーマンスやトークを見て、僕もまだまだ学ぶことがある、と勉強になりました。写真を見せながら思い出を振り返るトークパートがあって、シウォンさんが出張中のお父さんみたいで、「クレヨンしんちゃんのお父さん」と言われてて、面白かったです。

――(笑)。5歳でダンスを始めて、もうすぐで17年。ダンスを始めたきっかけを教えてください。
SHOTARO:ダンスが好きな母に地元のダンススクールに連れて行ってもらったのが始まりでした。小学生になってから、毎月テストがあるスクールに通いまして、そこでヒップホップの基礎を学び、その後もいろんなスタジオに通いながら、自分でも練習していました。小さい頃は毎年ダンスの発表会があって、ステージで右も左も分からず、ただ前に立ってる人の真似をしたり、その人の後ろをただついていったり、レッスンも最初は怖くて泣いて帰ることもあったんですけど、だんだん楽しさにハマっていって、ずっと続けています。

――ダンスの先生から教わった、今でも大事にしているアドバイスはありますか?
SHOTARO:シンプルに“楽しむこと”を学んだ気がします。「お客さんが目の前にいると緊張するけど、とにかく楽しんで」というアドバイスが記憶に残っています。

――ダンスの道に進もうと思ったのはいつ頃なのでしょうか?
SHOTARO:中学生の時に、あるオーディションに受かって、一度そこで本腰を入れたというか……。オーディションを受けては落ちるということが何度かあったんですけど、チャンスを掴み取った時に「もしかしたら行けるかも!」って自信がついて、それからダンス一筋でずっとやってきました。

――アメリカに行って現地のオーディションを受けようと思ったことはないですか?
SHOTARO:考えたこともあります! 「アメリカでダンサーとして活動するのもいいな」と思って、いっぱい調べたり、今まで行ったことがある人に相談したりしたんですけど、色々やっていくうちに“アーティストになりたい”気持ちが大きくなって。ダンスの師匠が、バックダンサーのほかに、自分のアーティスト活動もしている方で、師匠の活動を見て、「表に立って輝きたい」という気持ちが生まれてから、気持ちも変わっていきました。

――SHOTAROさんが考えるアーティストとは?
SHOTARO:一つの楽曲を理解して、それを表現するアーティストになりたいと思っていて、自分がステージに立って表現することで、見る方に勇気を与えたいです。

――SMエンターテインメントに入る、韓国に渡ることになる経緯を教えてください。
SHOTARO:関係者からお声がけいただいて、オーディションを受けることになり、韓国に渡った後、練習生を経て、デビューすることになりました。

――韓国に行くことに対するご家族の反応はどうでしたか?
SHOTARO:家族としっかり話し合いました。祖父母とも。最初は「もう少し考えてみたら?」と大歓迎ではなかったのですが、「これがラストチャンスだから」と、自分でも期間を決めて、渡韓しました。友達にも「頑張ってくる!」ってサヨナラして……挑戦でしたね。

――そして念願のデビュー曲「Make A Wish (Birthday Song)」で首のアイソレーションが注目されました。あの振りはSHOTAROさんが得意とする体の使い方と上手くマッチしたように思います。
SHOTARO:普段からストレッチやアップ(ダンス前に体を動かして体を温める時間)でアイソレーションをしていたんです。個人練習でも、音楽に合わせて首や胸を動かしたりするのが多かったので、「Make A Wish (Birthday Song)」のパフォーマンスでは、自然にその動きを披露することができました。初ステージで緊張しましたし、怖かったんですけど、あの時は必死だったので、最高のものを多くの人に見せることができて、率直に嬉しい気持ちです。

――ちなみに体は柔らかいほうですか?
SHOTARO:いや、普通ですね。僕自身、ものすごく柔らかいほうだとは思わないんですが……他の人より、ちょっとだけですかね(照笑)。

――昨年12月の【MAMA】が実際にお客さんを前にパフォーマンスする最初の機会になりました。有観客だからこそ、その雰囲気に圧倒されたり、気持ちが揺らいだりしなかったでしょうか?
SHOTARO:「お客さんはこんな感じかな~」って、イメージ・トレーニングはたくさんしました。今までやってきた雰囲気と違って、本番前はものすごく緊張していましたが、メンバーに助けてもらいながら、なんとかこなしました。話していると緊張が解けるので、メンバーがいてくれると助かります。

――決心して渡った韓国で反響を呼んで、ご家族の自慢の息子・お兄さんなのでは?
SHOTARO:どうなんですかね~(笑)。家族からいつも「今、日本でこんな反応があるよ~」って連絡が来るんですけど、嬉しい気持ちもありながら、より一層気が引き締まります。今回、2年ぶりに弟に会ったんですけど、玄関のドアを開けた時に、お互い「誰?」って感じで(笑)。最後に見た時はまだ身長も低くて幼かったんですよ。YouTubeなど見てくれていたみたいで、最後に会った時よりもデレデレくっついて来て、「かわいいな~」って思いました(笑)。

――そういえば、SHOTAROさんの特技はバスケなんですよね?
SHOTARO:(小さな声で)特技って言われているんですけど、特技までじゃなくて……趣味で楽しくプレイする程度です(笑)。

――そうなんですね。オフ日はどんなことをしていますか?
SHOTARO:メンバーとショッピングやご飯を食べに行ったり、(同じNCTメンバーの)YUTA君とスマブラしたり。最近はサウナにハマっています。日本でも今、サウナが人気なんですよね? 韓国では昔からサウナは定番のリフレッシュ・スポットで、ソンチャンとミュージックビデオの撮影前に一緒に行きました。(韓国ドラマで見る)頭にタオルを巻いた方はあまり見ないですね~(笑)。

――(笑)。お料理はしていますか?
SHOTARO:簡単な料理しかできないんですけど、たまに自炊しています。日本食が恋しくなる時は母が送ってくれた調味料を使って、お肉を焼いたり、鍋したりしています。僕、太りやすいタイプなんですよ……。ほかのメンバーは夜にチキンとか食べても全然太らなくて羨ましいです。生活のリズムがバラバラなので、なるべく自炊して、体を絞るときは気合いを入れてやっています。

――SHOTAROさんに影響を与えたシンガーやダンサー、ミュージックビデオはありますか?
SHOTARO:中学生の時から安室奈美恵さんを尊敬しています。ライブに一回だけ行ったことがあって、最後のライブは残念ながら抽選で外れちゃったんですけど、【FEEL tour】を見に行ったことがあります。ミュージックビデオはメアリー・J. ブライジとか、ジャスティン・ティンバーレイクの「スーツ・アンド・タイ feat. ジェイ・Z」、アッシャー、オマリオンなどよく見ていましたね。この前の【ハーフタイム・ショー】は家でブチ上がっていました(笑)。

――好きな音楽はどんなジャンルですか?
SHOTARO:日本の音楽も海外の音楽も色々と聞いています。僕、車を運転するんですけど、日本でドライブする時はOfficial髭男dismさんとかDISH//さんの「猫」を聞いています。エイサップ・ロッキーとかヒップホップも聞きますし、ポップからオールドナンバーまで。その中でも特にR&Bが好きで、家ではダウン系の曲をよく聞いています。(携帯を見ながら)カリードやシルク・ソニックとか。ジャスティン・ビーバーの「ゴースト」は最近よく聞いていますし、ジェイ・パークとIUの「GANADARA」とかkeshiの「beside you」も好きですね。 “GANADARA”は日本語でいう“あいうえお”っていう意味なんですよ。

――本当に幅広く聞いているんですね。今後、日本でも活動が活発になっていくと思います。ファンの方々や、まだSHOTAROさんを知らない方々に、どんな部分に注目してほしいですか?
SHOTARO:今はありがたくも「ダンスがすごい」というイメージでいろんな反響をいただいているので、今後はダンスだけじゃなくて、今、挑戦しているラップメイキングやパフォーマンスの表現力など、全てを磨いて、新しい姿で皆さんの前に立ちたいと思っています。自分が持っているパワフルで柔軟性のあるパフォーマンスを活かしながら、いろんな楽曲に挑戦していきたいですね。韓国に行ってから、歌とラップのレッスンを本格的に始めて、楽曲制作もまだまだ勉強中ですが、頑張りたいです。こうして日本でもお仕事の機会を頂いているので、いろんな面をお見せできたらと思っています。一生懸命頑張りますので、皆さん、期待していてください!


Interviewed by Mariko Ikitake
Photos by Yuma Totsuka
Styling by TAICHI SUMURA
Hair and Makeup by NOBUKIYO