2022/05/10
フューチャーの新曲「Wait for U feat.ドレイク&テムズ」が1位に初登場した、今週の米ビルボード・ソング・チャート。
今週のアルバム・チャート“Billboard 200”でNo.1デビューを飾った新作『アイ・ネヴァー・ライクド・ユー』に収録された「Wait for U」は、リリース直後の5月5日にミュージック・ビデオを公開し、正式なシングルとしてカットされた。
同じ週にソング(Hot 100)、アルバム(Billboard 200)の両チャートで初登場1位を獲得するのは史上5組目で、3回を達成したテイラー・スウィフトの記録を含めて7回目の快挙。なお、その8回はいずれも2020年以降にリリースされた作品で、昨今シングルが上位にデビューしやすくなったことが理由として挙げられる。
2022年5月14日 フューチャー「Wait for U feat.ドレイク&テムズ」(Hot 100)、『アイ・ネヴァー・ライクド・ユー』(Billboard 200)
2021年11月27日 テイラー・スウィフト「オール・トゥー・ウェル(テイラーズ・ヴァージョン)」(Hot 100)、『レッド(テイラーズ・ヴァージョン) 』(Billboard 200)
2021年9月18日 ドレイク「Way 2 Sexy feat.フューチャー&ヤング・サグ」(Hot 100)、『サーティファイド・ラヴァー・ボーイ』(Billboard 200)
2021年4月3日 ジャスティン・ビーバー「ピーチズ feat.ダニエル・シーザー&ギヴィオン」(Hot 100)、『ジャスティス』(Billboard 200)
2020年12月26日 テイラー・スウィフト「willow」(Hot 100)、『エヴァーモア』(Billboard 200)
2020年12月5日 BTS「Life Goes On」(Hot 100)、『BE』(Billboard 200)
2020年8月8日 テイラー・スウィフト「cardigan」(Hot 100)、『フォークロア』(Billboard 200)
「Wait for U」のミュージック・ビデオが公開されたのは今週の集計期間(4月29日~5月5日)最終日だが、その反響もあり初週4,020万回と2位以下を引き離してストリーミング・ソング・チャートでも首位を獲得。そのほか、R&B/ヒップホップ・ソング・チャートとラップ・ソング・チャートでも1位に初登場し、4つのチャートを制した。首位には到達しなかったが、デジタル・ソング・セールス・チャートでは6,400を売り上げて7位に初登場。エアプレイ・チャートにはまだランクインしていないが、今週は790万回を記録している。
Hot 100、ストリーミング、R&B/ヒップホップ、ラップいずれのチャートにおいても、首位獲得はフューチャーにとって昨年の9月18日付で1位に初登場したドレイクの「Way 2 Sexy feat.フューチャー&ヤング・サグ」に続く2曲目で、自身がリード・アーティストとしては初の快挙。
新作『アイ・ネヴァー・ライクド・ユー』からは、スタンダード・エディションに収録されている全16曲すべてが今週100位内にランクインしていて、TOP10には「Wait for U」の他にも「Puffin on Zootiez」が4位、「712PM」が8位、「I'm Dat Nigga」が10位に初登場し、Hot 100でのランクイン数を9曲目に更新した。ストリーミング・チャートでは、「Puffin on Zootiez」(2,630万回)が2位、「712PM」(2,210万回)が5位、「I'm Dat Nigga」(2,000万回)が6位に初登場している。
Hot 100で同じアーティストの曲がTOP10に4曲以上初登場したのは、歴代最多の9曲をランクインさせたドレイク(2021年9月18日付)以来約8か月ぶりで、その他にはJ.コール(2021年5月29日付)、ジュース・ワールド(2020年7月25日付)、リル・ウェイン(2018年10月13日付)、ドレイク(2018年7月14日付)がそれぞれ同4曲を同時にデビューさせている。
同時に、フューチャーは100位内にランクインしたタイトルが149曲に更新され、ドレイク(262曲)、グリーキャスト(207曲)、リル・ウェイン(180曲)、テイラー・スウィフト(166曲)に続く史上5番目の記録を達成した。TOP20には、11位に「I'm on One feat.ドレイク」、15位に「Keep It Burnin feat.カニエ・ウェスト」が初登場している。
ゲストとして参加したドレイクは、Hot 100での首位獲得記録を通算10曲目に更新し、ジャネット・ジャクソン、スティーヴィー・ワンダーと並ぶ歴代首位獲得数10位タイに浮上。上位10組は以下のとおりで、男性ソロ・アーティストではマイケル・ジャクソンに続く2番目の記録となる。
20曲 ザ・ビートルズ
19曲 マライア・キャリー
14曲 リアーナ
13曲 マイケル・ジャクソン
12曲 マドンナ
12曲 シュープリームス
11曲 ホイットニー・ヒューストン
10曲 ドレイク
10曲 ジャネット・ジャクソン
10曲 スティーヴィー・ワンダー
ドレイクがHot 100で初めて首位を獲得したのは、ゲストとして参加したリアーナの「ホワッツ・マイ・ネーム feat.ドレイク」(2010年11月)で、その後2016年3月から10週を記録した「ワン・ダンス feat.ウィズキッド&カイラ」でリード・アーティストとして初のタイトルを達成した。1位を獲得したのは10曲目だが、今週「Wait for U」がランクインしたことでTOP10には55曲、TOP40には146曲、100位内には262曲をエントリーさせ、3つのカテゴリーでは歴代トップを独走している。
また、1位に初登場した曲数としても「Wait for U」で6曲目に更新し、5曲をもつアリアナ・グランデとBTSを上回る最高記録を達成。ストリーミング・ソング・チャートでの首位獲得数は12曲目に、R&B/ヒップホップ、ラップ・ソングの両チャートでは24曲目に更新され、3つのチャートでも自身がレコードを塗り替えた。
もう一人のゲストとして参加したテムズは、いずれのチャートにおいても初の首位獲得で、Hot 100でのTOP10入りは昨年10月に最高9位を記録したウィズキッドの「エッセンス feat.テムズ&ジャスティン・ビーバー」に続く2曲目、TOP40には昨年9月に26位を獲得したドレイクの「Fountains feat.テムズ」に続く3曲目のランクインを果たした。
意外だが「Wait」がタイトルに含まれる曲が1位を獲得するのは、リチャード・マークスの「Right Here Waiting」(1989年8月)以来約33年ぶりで、その他にもアレサ・フランクリン&ジョージ・マイケルの「I Knew You Were Waiting (For Me)」(1987年4月)の3曲しかない。
フューチャーが登場したことで、先週3週目の1位を獲得したハリー・スタイルズの「アズ・イット・ワズ」は2位にダウンしたが、エアプレイは前週から14%増加の6,000万回に上昇。セールスも、5月4日にバージョン違いのアートワークがリリースされたため、78%増加の16,300に跳ね上がり今週のSales Gainerを獲得。「ウォータメロン・シュガー」(2020年8月)「サイン・オブ・ザ・タイムズ」(2017年4月)に続くセールス・チャート4曲目の1位を獲得した。一方、ストリーミングは9%減少の2,570万回に落ちている。
ジャック・ハーロウの「ファースト・クラス」も先週の2位から3位に順位を下げたが、前週から41%増加の3,700万回(今週のAirplay Gainer)を記録して、エアプレイ・チャートでは23位から10位にわずか2週でTOP10入りを果たした。TOP10入りまでのランクイン週としては2022年度最速で、その人気を物語る。
今週TOP3にランクインしたのはいずれも2022年にリリースされた曲で、フューチャーが計4曲を初登場させたことでTOP10の半数以上を今年リリースされたタイトルが占めた。今年に入って20週間が経過したが、TOP10の半数以上が2022年リリースのタイトルで構成されるのは、意外にも今週が初。
以下、グラス・アニマルズの「ヒート・ウェイヴス」が3位から5位、ラトーの「ビッグ・エナジー」が4位から6位、イマジン・ドラゴンズ&J.I.Dの「エネミー」が4位から7位、ジャスティン・ビーバー&ザ・キッド・ラロイの「ステイ」が6位から9位にそれぞれ順位を下げたが、次週はアルバムのリリース効果で登場したフューチャーの曲がランクダウンし、この4曲が再浮上する可能性が高い。
Text: 本家 一成
※関連リンク先の米ビルボード・チャートは5月13日以降掲載予定となります。
◎【Hot 100】トップ10
1位「Wait for U feat.ドレイク&テムズ」フューチャー
2位「アズ・イット・ワズ」ハリー・スタイルズ
3位「ファースト・クラス」ジャック・ハーロウ
4位「Puffin on Zootiez」フューチャー
5位「ヒート・ウェイヴス」グラス・アニマルズ
6位「ビッグ・エナジー」ラトー
7位「エネミー」イマジン・ドラゴンズ&J.I.D
8位「712PM」フューチャー
9位「ステイ」ザ・キッド・ラロイ&ジャスティン・ビーバー
10位「I'm Dat Nigga」フューチャー
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