2022/05/02
現地時間2022年4月28日、米ワシントン州スポケーンのスポケーン・アリーナで行われたポール・マッカートニーの【ゴット・バック・ツアー】の開幕公演では、観客のためにいくつかのサプライズが用意されていた。約20年ぶりに「ゲッティング・ベター」が披露されたり、『マッカートニーIII』の収録曲「ウィメン・アンド・ワイヴズ」がライブで初披露されたりする中、観客の度肝を抜いたのは6曲からなるアンコールの1曲目だった。
ポールは、亡きソングライティング・パートナーである故ジョン・レノンへのオマージュとして、1970年の『レット・イット・ビー』の名曲「アイヴ・ガッタ・フィーリング」を、1969年1月に英ロンドンのアップル本社屋上で行われたザ・ビートルズの伝説的なライブの映像を上映しながら生前のレノンとバーチャル・デュエットした。最近はホログラムやデジタル技術を駆使して故人と共演するアーティストが増えているが、ファンが撮影した今回の二人の映像は、実にハートウォーミングな印象を与えていた。
楽曲の冒頭でポールは、背後のスクリーンにパステル・カラーの渦が映し出される中、ギターをかき鳴らして演奏を始めた。途中で彼がスクリーンの方を向くと、ジョンが自身のパートを歌っている声が入り、観客からは高揚感で息をのむ音が漏れた。「Everybody had a hard year~」とジョンが映像の中で歌い、ポールは映像に合わせてカウンター・メロディーを歌った。
演奏後にポールは、このバーチャル・デュエットが実現した経緯を語った。彼が、「“ザ・ビートルズ:Get Back”を監督したピーター・ジャクソンからある日メールが来たんだ。“ジョンの声を抽出できますよ。ライブで一緒に歌えます”と言われた」と説明すると観客から歓声があがり、79歳の彼は肩をすくめながら、「僕は、“なるほど……”と思ってね」と付け加えた。
ポールの2019年以来となるツアーは、計14公演が行われ13都市を回る予定だ。次の公演は、5月2日と3日にワシントン州シアトルのクライメート・プレッジ・アリーナで開催される。
Last night, Paul McCartney sang The Beatles song, “I’ve Got a Feeling”, with the voice of John Lennon for the first time since 1969:pic.twitter.com/RqN4aeQdDm
— The Beatles (@BeatlesEarth) April 29, 2022
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