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2022/04/12

【米ビルボード・ソング・チャート】ハリー・スタイルズ初登場1位、自身2曲目の快挙

 ハリー・スタイルズの新曲「アズ・イット・ワズ」が1位に初登場した、今週の米ビルボード・ソング・チャート。

 3月31日に解禁された「アズ・イット・ワズ」は、5月20日リリース予定の3rdアルバム『ハリーズ・ハウス』からの第一弾シングルで、Hot 100での首位獲得は2020年8月15日付でトップに立った「ウォータメロン・シュガー」に続く自身2曲目の快挙。また、2022年のチャートで初登場1位を獲得した最初の曲という記録も達成した。

 ワン・ダイレクションのメンバーからソロとして初登場1位を獲得したのは、2016年2月に「ピロウトーク」をNo.1デビューさせたゼインに続く2人目で、首位獲得数としては今週2曲に更新したハリーが最多となる。TOP10入りしたタイトル数も、2017年に4位を記録した「サイン・オブ・ザ・タイムズ」、2020年に6位を記録した「アドア・ユー」を含む4曲目に、グループ最多記録を更新している。

 ワン・ダイレクションとしては、これまで6曲がTOP10入りしているが、最高位は「ベスト・ソング・エヴァー」が2013年8月に記録した2位で、意外にも1位を獲った曲はない。なおアルバム・チャート“Billboard 200”では、これまで4作が1位を獲得している。ハリー自身も、デビュー・アルバム『ハリー・スタイルズ』(2017年6月)、2ndアルバム『ファイン・ライン』(2019年12月)のソロ2作いずれも1位を獲得した。

 「アズ・イット・ワズ」は、初週4,380万回を記録してストリーミング・ソング・チャートでも同1位を獲得。この記録は、2022年のチャートにおける最大の週間ストリーミング数で、2021年12月17日から23日までの集計で4,750万回を記録したブレンダ・リーの「ロッキン・アラウンド・ザ・クリスマス・ツリー」以来の好成績となる。

 初週のストリーミング数としては、2021年10月30日付チャートでアデルの「イージー・オン・ミー」が達成した5,390万回以来の高記録。男性アーティストの週間ストリーミング記録としては、2021年9月18日付でドレイクの「Way 2 Sexy feat.フューチャー&ヤング・サグ」が打ち出した6,730万回以来の数字を打ち出した。

 そのほか主要チャートでは、10,300を売り上げてデジタル・ソング・セールス・チャートで16位から2位に浮上。2,720万回を記録して、エアプレイ・チャートでは19位にデビューした。エアプレイ・チャートでの初登場の順位としては、前述の「イージー・オン・ミー」が4位にデビューして以来の最高位で、男性アーティストとしては、エミネムの「ジャスト・ルーズ・イット」が17位を記録した2004年10月9日付以来、実に17年半ぶりとなる。

 なお、今週の集計期間は4月1日から7日だが、デジタル・ソング・セールス・チャートで先週16位にデビューしたのは、発売日の3月31日だけで3,500を売り上げたためで、前週のチャート区分に加算されチャートインした。そのほか、ストリーミングも300万回、エアプレイも140万回をそれぞれ初日で記録している。

 先週まで5週間1位をキープしていたグラス・アニマルズの「ヒート・ウェイヴス」は、「アズ・イット・ワズ」の登場により2位にダウンしたが、週間6,330万回(2%減少)を記録してエアプレイ・チャー・チャートでは5週目の1位を獲得。現地時間2022年4月3日に開催された【第64回グラミー賞】で<最優秀新人賞>にノミネートされたことを受け、セールスは45%増加の4,100に上昇し、デジタル・ソング・セールス・チャートでは24位から13位にジャンプアップした。セールス・チャートでは、今週最も伸びた曲に贈られるSales Gainerも獲得している。

 そのほか、ロック&オルタナティブ・ソング・チャートとオルタナティブ・ソング・チャートでそれぞれ29週目に首位獲得週を更新。ストリーミング・ソング・チャートでは3位から4位に順位を下げたが、再生数は1%増加の1,500万回に上昇している。

 今週は、1位のハリー・スタイルズ(ウスターシャー州レディッチ出身)、2位のグラス・アニマルズ(オックスフォード結成)いずれもイギリス出身のアーティストが独占し、エド・シーラン(ハリファクス出身)の「シェイプ・オブ・ユー」と、ゼイン(ブラッドフォード出身)の「アイ・ドント・ワナ・リヴ・フォーエヴァー with テイラー・スウィフト」が1位と2位にランクインした 2017年3月4日付以来、5年ぶりの同時ランクインを果たした。

 また、イギリス出身のアーティストからイギリス出身のアーティストに1位が入れ替わったのは、エルトン・ジョン&ジョージ・マイケルの「僕の瞳に小さな太陽」(1992年2月1日付)から、ライト・セッド・フレッドの「アイム・トゥー・セクシー」(1992年2月8日付)以来、約30年ぶりの快挙となる。

 先週3位にTOP3入りしたラトーの「ビッグ・エナジー」は、今週も同位をキープ。5,830万回(12%増加)を記録してエアプレイ・チャートでは6位から3位に、1,100万回(16%増加)を記録してストリーミング・チャートで14位から6位にそれぞれ上昇。各チャートで、その週最も伸びた曲に贈られるAirplay GainerとStreaming Gainerも獲得した。また、週間12,600を売り上げてセールス・チャートでは自身初のNo.1を獲得。R&B/ヒップホップ・ソング・チャートとラップ・ソング・チャートでは、先週に続き2週目の首位をキープした。

 なお、今週もリミックスがオリジナルのポイントを上回らず、マライア・キャリーとDJキャレドのクレジットはチャートの記録に含まれていない。

 ジャスティン・ビーバー&ザ・キッド・ラロイの「ステイ」は2位から4位にダウンしたが、3位に初登場した2021年7月24日付から今週でTOP10の連続ランクイン記録を39週目に更新し、38週で並んでいたポスト・マローンの「サークルズ」(2019年~20年)を上回る歴代最長単独記録を達成した。

 5位は、先週に続きイマジン・ドラゴンズとJ.I.Dの「エネミー」が同位をキープ。コダック・ブラックの「スーパー・グレムリン」が4位から6位、ジャスティン・ビーバーの「ゴースト」が6位から7位にそれぞれダウンし、ドージャ・キャットの「ウーマン」が10位から8位に上昇した。「ウーマン」は、R&Bソング・チャートで6週目の首位を獲得している。

 以下、ゲイルの「abcdefu」が7位から9位に、リル・ナズ・Xの「ザッツ・ホワット・アイ・ウォント」が9位から10位にそれぞれランクダウンした。


Text: 本家 一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは4月15日以降掲載予定となります。

◎【Hot 100】トップ10
1位「アズ・イット・ワズ」ハリー・スタイルズ
2位「ヒート・ウェイヴス」グラス・アニマルズ
3位「ビッグ・エナジー」ラトー
4位「ステイ」ザ・キッド・ラロイ&ジャスティン・ビーバー
5位「エネミー」イマジン・ドラゴンズ&J.I.D
6位「スーパー・グレムリン」コダック・ブラック
7位「ゴースト」ジャスティン・ビーバー
8位「ウーマン」ドージャ・キャット
9位「abcdefu」ゲイル
10位「ザッツ・ワット・アイ・ウォント」リル・ナズ・X

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