2022/04/05
現地時間2022年4月3日に開催された【グラミー賞】で、タイラー・ザ・クリエイターのアルバム『コール・ミー・イフ・ユー・ゲット・ロスト』が<最優秀ラップ・アルバム>を受賞し、2020年の『IGOR』に続くキャリア2つ目の【グラミー賞】を手にした。
現在【コール・ミー・イフ・ユー・ゲット・ロスト・ツアー】の最終日程を終えつつある彼は、授賞式を欠席したが、ハイキングをしながら受賞スピーチをインスタグラム・ライブで生配信した。屋外でセルフィー動画を撮影しながら彼は、「まずはテンションが上がっている。DJ Dramaに感謝。お前はラップ音楽にとってすごく重要な存在だ。僕のチアリーダーでいてくれる友人たちに感謝。僕のチーム全員にありがとう……ヴィック、ニール」と即興のスピーチを始めた。
続けてタイラーは、“一日中腕試しをし続けるようなアルバムを作ることができた”ことに感謝していると付け加え、自分が受賞に値しないと感じている人々に呼びかけた。「あんたたちの腹の虫が収まらないことや、怒っていること、“誰もあんなアルバム聴いてないじゃないか”って(思っていること)は分かっている。(でも)このアリーナ・ツアーが完売していることは、それが違うことを物語っている。もしそれだけのエネルギーを何かに注いだら、多分みんなはあんたたちのことだって誇りに思ってくれるだろうよ。みんなに愛を。太陽は燦々と輝いているぜ、最高」と彼は述べた。
彼はまた、現在のアルバムのサイクルがまだまだ続くことを示唆した。「“コール・ミー・イフ・ユー・ゲット・ロスト”は、間違いなくまだ完成していない。(ソロで音楽活動を始めてから)12年経って2つ目(の【グラミー賞】)をゲット。予想していなかったことだから、次に何があるのか楽しみだ。自分が何をするつもりなのか全然分からないけれど、考え中。ありがとう、みんな。大きな愛を込めて」と彼は配信を締めくくっている。
タイラー・ザ・クリエイターは、2020年に『IGOR』で<最優秀ラップ・アルバム>部門の【グラミー賞】を初受賞したが、ブラック・アーティストが複数のジャンルにまたがる音楽を制作した場合、主流のポップ部門に認定されないと、同賞を主催するレコーディング・アカデミーを批判した。
当時彼は、「一方では、このような世界で自分の作ったものが認められるだけでも、とてもありがたいことだと思います。ただ、僕ら、つまり僕のような外見の男がジャンルを超えたことをすると、いつも“ラップ”や“アーバン”のカテゴリーに入れられるのが嫌なんです。僕はその“アーバン"という言葉が好きではないです。僕にとってそれは、Nワードを政治的に正しく表現したものに過ぎない。どうしてポップに入れないんです?」と述べた。
そして、「ラップ(部門)でのノミネートは、裏返しの褒め言葉だったような気が半分しています。例えるなら、“幼いいとこがゲームをやりたがっているから、接続していないコントローラーを渡しておこう、そうすれば彼は黙るし機嫌も良くなる”、みたいな。ちょっとそんな感じがしましたね。もう半分は、ラジオなどではかからないのに、自分の芸術がこのようなレベルで認められることにとても感謝しています。(チェーン店の)ターゲットで流されるわけでもないですし。ここにいる多くの人が聴いているものとは全く違う世界にいるんです。ありがたいですし、“うーん “という思いです」と続けた。
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