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2022/04/03 14:00

【深ヨミ】藤井 風『LOVE ALL SERVE ALL』地域別販売動向から見える地元での支持の厚さ

 2022年3月30日公開(集計期間:2022年3月21日~3月27日)のBillboard JAPAN週間アルバム・セールス・チャート“Top Albums Sales”は、藤井 風『LOVE ALL SERVE ALL』が142,921枚を売り上げて首位を獲得した。

 『LOVE ALL SERVE ALL』は、2020年5月にリリースされた1stアルバム『HELP EVER HURT NEVER』以来、約1年10か月ぶりとなる2ndアルバム。昨年末の『NHK紅白歌合戦』で披露された「きらり」「燃えよ」や新曲「まつり」など、全11曲が収録されている。

 本記事では『LOVE ALL SERVE ALL』の販売動向をSoundScanJapanのデータを使用し調査する。図1(http://www.billboard-japan.com/d_news/image/110561/2)は、『LOVE ALL SERVE ALL』と『HELP EVER HURT NEVER』の実店舗での発売初週の地域別販売比率をグラフ化したものだ。また、一般的なアルバムと比較するため、2022年に販売されたアルバムの地域別販売比率を全アルバムとしてグラフに追加している。

 藤井 風作品の販売動向の特徴としてまず挙げたいのが、地元・岡山を含む中国地方での人気の高さだ。図1を見てみると、全アルバムの中国地方の割合は4.6%なのに対し、『HELP EVER HURT NEVER』は12.1%、『LOVE ALL SERVE ALL』は13.2%と、どちらも全アルバムの3倍近くのパーセンテージとなっている。ちなみに『LOVE ALL SERVE ALL』の県別販売比率の1位は東京(13.8%)で、2位が岡山(7.0%)である。全アルバムの県別販売比率では、岡山は20位(1.3%)であることを踏まえると、同作がいかに県内で支持を得ているのかがわかる。

 また『LOVE ALL SERVE ALL』は、中国地方の他にも、北海道、甲信越、北陸、四国、九州の占める割合が全アルバムよりも多い。そうなると関東の割合が少ないように感じるが、『HELP EVER HURT NEVER』と比べてみると、関東は14.9%もパーセンテージを伸ばしており、より全アルバムの比率に近づいている。『HELP EVER HURT NEVER』リリース時は、新型コロナウイルスの第1波真っただ中だったため、当時はEC(通販)やダウンロード販売を利用した関東圏のリスナーが多かったのかもしれない。

 藤井 風は、5月から7月にかけて29か所32公演を巡る全国ソロホールツアー【Fujii Kaze alone at home Tour 2022】と、【LOVE ALL SERVE ALL STADIUM LIVE】と題したスタジアム公演の開催を控えている。ホールとスタジアム公演それぞれで、本作の楽曲がどのように進化を遂げるのか注目したい。

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