2022/03/26
3月26日(土)・27日(日)に大阪城野外音楽堂にて、音楽フェスティバル【Grooving jam】が開催された。【Grooving jam】は、自然に囲まれた開放的な空間で、音楽・グルメ・ファッションを楽しむことができる一体型イベント。2022年のエンタメを盛り上げるべく、新たな春の野フェスとして誕生し、2日間で合計12組のアーティストが大阪城野外音楽堂に集結した。
まん延防止等重点措置が全国で解除となった初の週末。誰もが春の陽気に包まれることを期待していたのだが…初日土曜日は、日本列島全域が春の嵐に見舞われるというあいにくの空模様に。まだまだ油断できない新型コロナウイルス感染症対策を徹底しつつ開場すると、雨対策を万全にしたお客さんが集まった。
たくさんのグリーンが配されたステージは、春らしい雰囲気。会場には音楽だけではないお楽しみも多数用意されている。物販コーナーでは、西日本を中心に活動するプリントスタジオ「KODOWORKS」が手掛けるTシャツを販売。広島を拠点に活躍するグラフィックデザイナー・BOB氏による一筆書きのイラストやイベントロゴをオーダーし、その場で自分だけのTシャツをつくることもできる。ほかには、リメイクブランド「HOWU」によるオリジナル商品や古着の販売も。
フードは、キュートなフォルムのてまり寿司、フルーツサンド、レイズンウイッチ(レーズンサンド)、レインボー(綿菓子)など野外に映える注目グルメのほか、キッチンカーでは、小籠包、焼肉バーガー、ハラミ丼、ハラミ串といったガッツリお腹を満たせるものもスタンバイ!
開演前は小康状態だった雨が強くなり、イベントがスタート。オープニングアクトを飾ったのは、2020年にデビュー以降、国内外で活動を続けるR&Bシンガーソングライター、aimi(アイミ)。今回は3rd EP『Chosen One』を2月にリリース後、初のライブとなり、大阪でのライブも初とのことで、雨もなんのそのの気合!「音楽で体温と免疫力をあげていきましょう!」と新EPからのナンバーもドロップし、あっという間にハッピーなヴァイブスで会場を満たしてくれた。「きょう知って損はなかったと思ってもらえるようにビッグになります!」と意気込みを語ったaimi。ラストソング「Lovesick」では、ハンドクラップとともに大きなエールが送られた。
aimiが雨を忘れさせるほどの熱いステージで引き継いだのは、次世代ヒップ・ホップクルー・KANDYTOWNの中心メンバーの1人でもあるラッパー・トラックメーカーのRyohu(呂布)。雨が止んだ絶好のタイミングとなり、オーディエンスは、レインコートのフードをはずして準備万端。「雨の中で聴く音楽もいいですね。ちょっとロマンチックな音楽も」と「Forever」のスムースなラップで緩急をつけていく。「このまま晴れさせていきましょう!最後にみなさんに聞かせたい曲があるのでやって帰ります」と「The Moment」の祝祭感に満ちたサウンドで締めくくった。
続いては、スウィートな歌声で鮮やかなポップネス・ソウルを奏でるシンガーソングライター・kiki vivi lily(キキヴィヴィリリー)が登場。2021年10月にリリースされた2ndアルバム「Tasty」からのナンバーを中心に、彼女の家にいるかようなリラックスサウンドが野外音楽堂を包む。思わず身体がゆれる「blue in green」では、アンニュイな歌詞の世界観が雨のステージに絶妙にハマる。雨がいっそう強まる中、「大阪の人って踊れるって聞いたんですけど!私たちは踊る準備できてます!」とカバー曲「ココロオドル」でダンシング!フレッシュなステージに笑顔が溢れた。
国内の主要フェスにも軒並み出演を果たすなど多方面で話題を呼び、マルチプレイヤーとしてシーンで存在感を放つ河原太朗のソロ・プロジェクト、TENDRE(テンダー)。雨が強まる中だったが、霧がかったひんやりとした空気さえも味方にしてしまう音楽に聴き入ってしまう。終盤には、昨年9月にリリースしたメジャー1stアルバム『IMAGINE』からSIRUPとコラボした「ENDLESS feat. SIRUP」も披露され、ファンは歓喜!「大阪でやるのはじめてじゃない?」お互い顔を見合わせ、ホーンセクションの華やかなサウンドの中、5月21日にビルボードライブ大阪にてライブが決定したとのうれしい告知に会場は更に沸いた。
雨もあがり、照明が映える夜の入口へ。キーボーディスト、トラックメーカーとしてビートミュージックシーンを牽引するKan Sano(カンサノ)。どんどん暗くなる空に呼応して「Ash Brown」のジャジーなフルートが夜の世界へ誘う。「My Girl」にぴったりなシチュエーションに、「夜空を見ながら演奏するのは楽しい!」と本人も大満足。耳心地の良いサウンドとともにベースやキーボードをこなすマルチプレイヤーぶりにおもわず歓声がもれそうになる。ライブ初演奏となる新曲も披露され、「もう最後の曲?」と「Natsume」で名残惜しそうに手がふられ、心踊るサウンドが悪天候の憂鬱さを吹き飛ばしてくれた。
トリを飾るのは、R&B/ソウル、HIPHOPなどのブラックミュージックをベースに変幻自在なボーカルスタイルで、グルーヴィーなサウンドを生み出すシンガーソングライターSIRUP(シラップ)。「寒いやろ!あがっていこうぜ!」と1曲目「Superpower」から後方までしっかりと躍らせてジャンプ&ハンズアップ!五感を刺激するラップと歌が雨で冷えた身体を芯から温めてくれる。「止んだぜ!晴れ男なんです!」と雨上がりの夜空に喜びを隠せない中、「LOOP」「Change」のメロウな歌声でも魅了。TENDREとハッピーなコラボステージも繰り広げ、ファンキーなジャムセッションの後、「Do Well」でアッパーにあげて会場はジャンプの嵐に。見事な晴れ男っぷりで、初日を締めくくってくれた。
晴れ間が見えることのない1日だったが、降ったり止んだりする雨の強弱や匂いが素敵な音楽のスパイスに。しっとりとした雨と極上の音楽が心を浄化させてくれるような時間は、この季節の野外でしか味わえない貴重なものとなった。
27(日)は、Awich、OZworld、JP THE WAVY、Yo-Sea、Rude-α、Bleecker Chrome(O.A)の6組が登場。春の嵐が綺麗にしてくれた空の下、絶好のフェス日和となるはず。とびきりグルーヴィーなサウンドに包まれて春を感じてほしい。
◎イベント情報
【Grooving jam】
開催日時:2022年3月26日(土)・27日(日)開場 14:00/開演 15:00
会場:大阪城野外音楽堂
チケット:プレミアムシート(前方指定)7,200円(tax in.)/指定 5,200円(tax in.)
出演アーティスト:
<26日> Kan Sano/kiki vivi lily/SIRUP/TENDRE/Ryohu/aimi(O.A) 終了
<27日>Awich/OZworld/JP THE WAVY/Yo-Sea/Rude-α/Bleecker Chrome(O.A)
当日チケット:プレミアムシート(前方指定)7,700円(tax in.)/指定 5,700円(tax in.)
Text by 岡田あさみ
Phot by 渡邉一生
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