2022/03/25
昨年8月29日にオリジナル版、そして11月14日には新たに5曲を追加し曲順も変更となったデラックス版がリリースとなっていたカニエ・ウェストによる通算10作目のオリジナル・アルバム『ドンダ』の日本盤CDが発売された。日本盤CDのみ全32曲の歌詞及び対訳、そして解説が含まれる。
昨年夏の初リリース時には、発売延期を繰り返し、米アトランタそして米シカゴのアリーナ規模の会場にてリスニング・イベントを開催。その模様は全世界にストリーミングされることとなり、その破格の規模とアリーナ全体を使ったアート性の高いステージ、そしてアルバムの内容のレベルの高さ及びフィーチャリング・アーティストの豪華さで、かつてどのアーティストもやったことのない類の盛り上がりをつくりあげ、全世界を興奮させた。そして、8月29日にリリースされるや、世界152の国と地域のApple Musicのアルバム・チャートで1位という記録をはじめ、各デジタル・プラットフォームでの再生記録を打ち立て、米ビルボード・アルバム・チャート“Billboard 200”では自身10作目となる1位を獲得した。
アルバム・タイトルは、2007年に亡くなったカニエの母親ドンダ・ウェストが由来となっている。その翌年、2008年にリリースされた自身4作目のアルバム『808s&ハートブレイク』はそんな最愛の母親を失ったことや自らに起きた別れを中心にした傷心を歌ったアルバムとなった(アルバムCDにはドンダとカニエの2ショットがミニ・ポスターとしても封入されていた)。
今作『ドンダ』では、元々英語教師だったというドンダ・ウェストのスピーチも使用されており、亡き母への改めての追悼という意を込めた作品という意味合いも強い。今年2月に公開されたカニエ・ウェストのドキュメンタリー作品『jeen-yuhs カニエ・ウェスト3部作』でも、いかにドンダがカニエへの大きなインスピレーションであり支えであり、そして彼女の言葉がどれだけカニエを励ましていたかが、時に心に痛い程に描かれていたが、その作品を経てこのアルバムを聴くとより一層ここで語られることがリアルになるだろう。
ただ、作品はそれに留まらず、カニエの現在社会に対しての思いや自分のリアリティが語られており、2020年のカニエ・ウェストの現在地が2時間10分を超える長さで描かれている。「ライフ・オブ・ザ・パーティー」に出てくる“渋谷から禅の心ではっきり言うよ”というリリックや楽曲タイトルにもなっている「ジュンヤ・ワタナベ」など、親日家ぶりもしっかりアピールしている。また、今作では、ザ・ウィークエンド、ジェイ・Z、トラヴィス・スコット、アンドレ3000他、約30組にものぼるフィーチャリング・アーティストも迎えている。
◎リリース情報
アルバム『ドンダ(デラックス)』
2022/3/25 RELEASE
<日本盤2CD>
UICD-6235/6 3,300円(tax incl.)
https://umj.lnk.to/KanyeWest_DondaDLX
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