2022/03/23
イル・ディーヴォの4年ぶり7回目の来日公演が、2022年3月22日に北海道・札幌文化芸術劇場hitaruを皮切りにスタートした。まん延防止等重点措置が全面解除されたこの日、海外アーティストによるコロナ禍後初の日本縦断ツアーがついに解禁された。
今回のツアーは、当初最新アルバム『フォー・ワンス・イン・マイ・ライフ』を携え、全国7か所12公演が予定されていたが、昨年12月19日、UKツアー中に体調を崩したグループのリーダー、カルロス・マリンが急逝するという悲劇が彼らを襲った。デビュー以来17年にわたり、一緒に活動してきた大切なメンバーを失ったデイヴィッド・ミラー、セバスチャン・イザンバール、ウルス・ブーラーの3人は、悲しみに暮れながらも、一時はツアーのキャンセルも考えたが、カルロスもきっとグループの存続を願うことを信じ、ワールド・ツアーの続行を決意した。
そしてついに3月22日から札幌公演を皮切りに待望の来日ツアーをスタートさせた。当初3月24日に仙台でもコンサートを予定していたが、3月16日に発生した福島県沖を震源とする地震の影響で公演中止、結果として6都市11公演・約3万6千人動員予定のツアーとなった。また、ステージの内容も新譜中心ではなく、カルロスの業績を讃えるトリビュート・コンサートにしてグレイテスト・ヒッツ的な内容となった。
華やかでスタイリッシュな黒のスーツで登場した3人のメンバーは、オーケストラをバックにドラマティックでゴージャスな歌声と絶妙のハーモニーを披露、その後ゲスト・シンガーのスティーヴン・ラブリエが参加、新しいハーモニーを生み出した。中盤では、3年ぶりの最新アルバムからのダンサブルなモータウン・ナンバーも披露し、観客もスタンディングでパフォーマンスを楽しんだ。メンバーのデイヴィッドは「(カルロスが)いなくなった悲しみはもちろんありますが、それ以上に彼が生きた人生を歌を通して表現していきたい」と語った。初めて明かされるカルロスのエピソードなども織り交ぜ、過去の名曲の数々も含む全20曲をたっぷりと歌い上げ、会場に詰めかけた1,800名のファンを虜にした。
コンサートのアンコールでは、日本の名曲「故郷(ふるさと)」を日本語で歌唱、東日本大震災から11年を迎えてなお復興途上である被災地の方々に思いを馳せた。デイヴィッドが、全編にわたり流暢な日本語のMCで語ると、セバスチャンも日本語を織り交ぜながら楽曲を紹介し、カルロスの思い出と共にあっという間の時間が過ぎた。コンサートの最後を締めくくったのは大ヒット曲「タイム・トゥ・セイ・グッバイ」で、イントロをメンバーが歌い始めると会場のボルテージも最高潮に達し、初日の幕を大成功のうちに閉じた。東京公演は、3月26日、27日と4月8日、9日に東京国際フォーラムホールAで行われる。
◎公演情報
【イル・ディーヴォ ジャパン・ツアー2022】
2022年3月22日(火)北海道・札幌文化芸術劇場hitaru
2022年3月26日(土)、27日(日)東京・東京国際フォーラムホールA
2022年3月28日(月)愛知・センチュリーホール
2022年3月30日(水)福岡・福岡サンパレスホテル&ホール
2022年4月1日(金)広島・広島文化学園HBGホール
2022年4月4日(月)、5日(火)、6日(水)大阪・フェスティバルホール
2022年4月8日(金)、9日(土)東京・東京国際フォーラムホールA
チケット:S席15,000円、A席13,000円、B席11,000円(全て税込)
※6歳未満(未就学児童)入場不可
https://udo.jp/concert/IlDivo2022
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