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2022/03/15

【米ビルボード・ソング・チャート】グラス・アニマルズ「ヒート・ウェイヴス」2週連続首位、スパイス・ガールズ以来の快挙達成

 グラス・アニマルズの「ヒート・ウェイヴス」が2週目の首位をキープした、今週の米ビルボード・ソング・チャート。

 グラス・アニマルズは、イギリスのオックスフォードで結成された4人組ロック・バンド。同英国出身のアーティストでは、今週6位にランクインしているアデルの「イージー・オン・ミー」が、昨年の10月から今年の1月にかけて通算10週を首位を獲得しているが、ソロを除くグループが2週以上首位を獲得するのは、意外にもスパイス・ガールズの「ワナビー」が1997年2月から4週を記録して以来、約25年ぶりのこと。 なお、その間にはコールドプレイが「美しき生命」(2008年6月)とBTSとのコラボ曲「My Universe」(2021年10月)で1位を獲得しているが、いずれも1週にとどまっている。

 2020年6月にリリースされた「ヒート・ウェイヴス」は、初登場から59週(約1年9か月)という歴代最長期間を更新して、先週ついにトップに立った。今週はその期間を60週目に更新し、60週以上ランクインした史上20曲目のタイトルという記録も打ち立てている。

 Hot 100の集計が始まったのは1958年8月で、これまでに約3万曲がランクインしたが、ランクイン週が60週を超えたのは「ヒート・ウェイヴス」を含めてわずか20曲しかない。歴代最長は、昨年90週という驚異的な数字を記録したザ・ウィークエンドの「ブラインディング・ライツ」で、1位を獲得した曲では、その他LMFAOの「パーティー・ロック・アンセムfeat.ローレン・ベネット&グーンロック」(68週)、アデルの「ローリング・イン・ザ・ディープ」(65週)、ポスト・マローンの「サークルズ」(61週)、ロス・デル・リオの「恋のマカレナ」(60週)、今週も引き続きランクインしているザ・ウィークエンド&アリアナ・グランデの「セイヴ・ユア・ティアーズ」(62週)の7曲がある。

 ロングヒット記録もさることながら、「ヒート・ウェイヴス」は今週6,560万回を記録してエアプレイ・チャートでも前述の「イージー・オン・ミー」を破り1位を獲得した。ジャンル別のエアプレイでは、昨年の3月から4月にオルタナティブ・エアプレイ・チャートで3週間1位を獲得しているが、エアプレイ・チャート(総合)での首位獲得は、グループにとって初の快挙となる。エアプレイ(総合)とオルタナティブ・エアプレイ・チャートの両チャートで1位を獲得したのは「ヒート・ウェイヴス」が史上15曲目で、オルタナティブ・エアプレイ・チャートにランクインした全て曲のわずか4%しか達成していない。

 エアプレイ(総合)とオルタナティブ・エアプレイ・チャート、どちらも1位を獲得したタイトルは以下のとおり。()内はエアプレイ・チャートで1位を獲得した日付

サード・アイ・ブラインド「セミ・チャームド・ライフ」(1997年9月6日)
シュガー・レイ「フライ」(1997年10月18日)
チャンバワンバ「タブサンピング」(1997年11月29日)
グー・グー・ドールズ「アイリス」(1998年8月1日)
グー・グー・ドールズ「スライド」(1999年2月27日)
3ドアーズ・ダウン「クリプトナイト」(2000年10月7日)
ライフハウス「ハンギング・バイ・ア・モーメント」(2001年7月14日)
ファン.「ウィー・アー・ヤングfeat.ジャネール・モネイ」 (2012年4月21日)
ゴティエ「サムバディ・ザット・アイ・ユースト・トゥ・ノウfeat.キンブラ」(2012年6月2日)
ロード「ロイヤルズ」(2013年11月2日)
ポルトガル・ザ・マン「フィール・イット・スティル」 (2017年10月28日)
イマジン・ドラゴンズ「サンダー」 (2017年12月2日)
マシュメロ&バスティル「ハピアー」 (2018年11月24日)
パニック!アット・ザ・ディスコ「ハイ・ホープス」 (2018年12月1日)
グラス・アニマルズ「ヒート・ウェイヴス」 (2022年3月19日)

 「ヒート・ウェイヴス」は、2021年3月20日付のオルタナティブ・エアプレイ・チャートで初めて1位を獲得してから、丁度1年越しの今週2022年3月19日付でエアプレイ(総合)の首位にも到達した。オルタナティブ・エアプレイ・チャートで先に1位を獲得した曲がエアプレイ(総合) で首位を獲得するまでの期間としても、ライフハウスの「ハンギング・バイ・ア・モーメント」が保持していた5か月2週間(2001年1月から7月)を大きく上回る、歴代最長期間を更新している。

 エアプレイのみならず、ロック&オルタナティブ・ソング・チャートとオルタナティブ・ソング・チャートでも、それぞれ25週目に首位獲得週を更新した「ヒート・ウェイヴス」。その他、ストリーミング・ソング・チャートでは1,510万回(1%増加)を記録して5位から3位にTOP3入りし、デジタル・ソング・セールス・チャートでも3,500(20%増加)を売り上げて25位から16位に大きく順位を上げた。これまでの傾向とエアプレイの伸び率からすると、しばらくは上位にランクインすることが予想される。

 2月から通算5週の首位をマークした「秘密のブルーノ」は今週も2位をキープし、ストリーミング・チャートでは10週目の首位を獲得した(週間2,490万回)。エアプレイは前週とほぼ同率の870万回を保持しているが、ディズニー作品はラジオでのプロモーションを積極的に行っていないためエアプレイが上昇し難く、それが首位の座を明け渡した原因となっている。なお、「秘密のブルーノ」が収録された『ミラベルと魔法だらけの家』のサウンドトラックは、今週のアルバム・チャート“Billboard 200”で9週目の首位を獲得した。

 続いて3位には、コダック・ブラックの「スーパー・グレムリン」が先週の4位から上昇して最高位を更新。 R&B/ヒップホップ・ソング・チャートとラップ・ソング・チャートでは、それぞれ8週目の首位をキープしている。代わって、ゲイルの「abcdefu」は3位から4位にダウン。 6年ぶりの来日公演が発表されたジャスティン・ビーバーとザ・キッド・ラロイの「ステイ」は今週も5位をキープし、ジャスティンは「ゴースト」も7位に、2曲を同時ランクインさせている。また、エド・シーランも「バッド・ハビッツ」(8位)と「シヴァーズ」(9位)の2曲を、3週連続でTOP10に送り込んだ。

 10位は、先週の11位にランクインしていたリル・ナズ・Xの「ザッツ・ワット・アイ・ウォント」がTOP10復帰を果たしている。


Text: 本家 一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは3月18日以降掲載予定となります。

◎【Hot 100】トップ10
1位「ヒート・ウェイヴス」グラス・アニマルズ
2位「秘密のブルーノ」カロリーナ・ガイタン、マウロ・カスティーリョ、アダーサ、レンジー・フェリズ、ダイアン・ゲレーロ、ステファニー・ベアトリス、エンカント・キャスト
3位「スーパー・グレムリン」コダック・ブラック
4位「abcdefu」ゲイル
5位「ステイ」ザ・キッド・ラロイ&ジャスティン・ビーバー
6位「イージー・オン・ミー」アデル
7位「ゴースト」ジャスティン・ビーバー
8位「バッド・ハビッツ」エド・シーラン
9位「シヴァーズ」エド・シーラン
10位「ザッツ・ワット・アイ・ウォント」リル・ナズ・X

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