Billboard JAPAN


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2022/01/31

ガールズ・グループ成功例のお手本?! Kep1er「WA DA DA」

 2022年最初のスターといってもいいだろう。オーディション番組『Girls Planet 999:少女祭典』から誕生した新人ガールズ・グループ、Kep1erのデビュー曲「WA DA DA」がじわじわとチャートを上昇し続けている。Billboard JAPAN 総合ソング・チャート“JAPAN HOT 100”では、1月12日公開分で初登場20位を記録。翌週の1月19日公開分で16位、そして最新の1月26日公開分で9位と、ついにトップ10入りを果たした。

 Kep1erは韓国、中国、日本の3か国のメンバーで構成される9人組のグループだ。昨年韓国のMnetで放送された日中韓サバイバルオーディション番組『Girls Planet 999:少女祭典』で勝ち残ってきたメンバーで結成されている。昨年の10月に番組内で正式に結成とデビューを発表し、1月3日にミニアルバム『FIRST IMPACT』をリリースした。そのリード・トラックとなるのが、チャートインしている「WA DA DA」というわけだ。韓国では『FIRST IMPACT』が爆発的な売上を記録したそうだが、日本ではダウンロードは好調だったとはいえフィジカルの売上は目立つほどではない。それでも、じわじわと「WA DA DA」がチャートに上昇しているということは、まだまだポテンシャルがあるということだろう。

 「WA DA DA」の推移で最も初動が大きかったのは、YouTubeなどの動画再生数だ。1月12日公開分のチャートでは1位、1月19日公開分では6位、1月26日公開分では4位と再び上昇している。また、ストリーミングもかなり伸びてきていて、1月12日公開分では26位だったのが、1月19日公開分では10位、1月26日公開分では8位と伸び率は大きい。ストリーミングと動画再生が安定して伸びるということは、ロングヒットにつながることになる。韓国語バージョンなのでカラオケの歌唱数にはあまり期待できないとはいえ、ダンサブルな楽曲だけにTikTokなどのSNSでシェアされる機会が増え、さらにメディアの露出が上手くリンクできれば、さらなる上位へのチャートインも不可能ではないだろう。

 K-POPはもちろん日本国内だけでなく、米国を含めた世界中のマーケットにも需要がある。今まで以上にワールドワイドでの施策を行えば、ワンランク上のブレイクが待っているだろう。Kep1erの展開は後続するK-POPやガールズ・グループのお手本になるかもしれない。期待を込めて注目したいアーティストなのだ。

Text:栗本斉

◎栗本斉:旅&音楽ライター、選曲家。レコード会社勤務の傍ら、音楽ライターやDJとして活動を開始。退社後、2年間中南米を放浪し、現地の音楽を浴びる。その後フリーランスとして活動した後、2008年から2013年までビルボードライブのブッキングマネージャーに就任。フリーランスに戻り、雑誌やライナーノーツなどの執筆や音楽評論、ラジオやストリーミングサービスにおける構成選曲などを行っている。