2021/12/30
ロッキング・オン・ジャパンが主催・企画制作する音楽フェスティバル【COUNTDOWN JAPAN 21/22】が、千葉・幕張メッセ国際展示場1~8ホールにてスタートした。12月28日、29日、30日、31日の4日間にわたり、総勢32組のアーティストが出演する。
【COUNTDOWN JAPAN】(以下【CDJ】)は、2003年よりスタートした日本最大級のロックフェスティバル。2020年は新型コロナウイルス流行の影響でやむを得ず中止となったが、今年は収容人数を大幅に縮小し、ステージはEARTH STAGE(例年は40,000人以上収容)のみ、ステージエリアの座席はすべて指定で、装飾関係の演出は最小限にするなど、徹底した感染対策を取ることで開催に至った。本稿では、1日目・28日の模様をレポートする。
■櫻坂46
トップバッターを飾ったのは、欅坂46から改名後、初の出演となる櫻坂46。【COUNTDOWN JAPAN 20/21】と【ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2021】のラインナップに入っていたものの、実際にJフェス(※ロッキング・オン・ジャパンの主催する音楽フェスの総称)のオーディエンスを前にパフォーマンスするのは、今回が初となる。「この二年間で世の中もグループもいろいろありました。今日はそんな二年間の思いを込めてパフォーマンスします!」(菅井友香)という意気込みの通り、これまでの活動を総ざらいするようなセットリストで勝負。可愛らしい振り付けが印象的な「美しきNervous」、ヒリヒリとした世界観を表現した「Nobody's fault」など、曲調もセンターも異なるナンバーを次々と投下し、今の櫻坂46の挑戦的なスタンスを強く打ち出した。
■Little Glee Monster
2番手のLittle Glee Monsterは、メンバーの芹奈が体調不良で出演見合わせのため、4人でのオンステージとなった。アカペラで美しいハーモニーを響かせた「Jupiter」、手を左右に大きく振り元気よく会場を盛り上げた「全力REAL LIFE」を挨拶代わりに歌唱した後は、ラテン調の「move on」を皮切りに、クールな雰囲気の楽曲を連投し、その実力を遺憾なく発揮する。「世界はあなたに笑いかけている」ではクラップも巻き起こり、会場は多幸感溢れるムードでいっぱいに。通算6回目の【CDJ】にして初めてのEARTH STAGE、安定感抜群のステージングでオーディエンスにハッピーを贈った。
■マカロニえんぴつ
リトグリと同じくEARTH STAGE初登場となるマカロニえんぴつは、自身が表紙のROCKIN'ON JAPAN最新号を掲げながらステージに登場。「今日がライブ納めだから好きな曲を届けたい」という思いの元、エフェクティブなギターのリフがユニークな「裸の旅人」や、恋人への何気ない思いを綴った「なんでもないよ、」など、一筋縄ではいかない楽曲たちをストレートに届ける。
「俺の居場所は間違いなくここ(ステージ)だと思えた一年でした。俺が歌う意味、マカロニえんぴつが走り続ける意味、それを持たせてくれてありがとうございました。正直一年疲れたけど、この疲れは嫌いじゃないんで、来年も一緒に走らせてください」(はっとり)と、この一年間の感謝をオーディエンスに告げ、ラストソングに「ヤングアダルト」を披露。どれだけステージが大きくなろうとも、“あなた”にこの音楽を届けたい。そんな愛と真摯さを感じるステージだった。
■ヤバイTシャツ屋さん
リハーサルでは唐突に10-FEETをカバーし、笑いを誘っていたヤバイTシャツ屋さん。序盤から「ハッピーウェディング前ソング」「ヤバみ」などキラーチューンを投下し、早くもバカ騒ぎ空間を作り上げる。MCでは、今年の【CDJ】は年越しができないということで、代わりにカウントダウンを実施。年明け(?)後は、「2022年、元気モリモリな一年にしていきましょう!」(こやま)と、「げんきもりもり!モーリーファンタジー」にやや強引にこじつけ、さらに会場のテンションを引っ張り上げていく。「ヤバTはフェスがないと生きていけないから、この二年は厳しかった。けど、またぐちゃぐちゃのライブハウスで会えることを願って!」と、ライブシーンへの希望を語り、「あつまれ!パーティーピーポー」でハイテンションのままライブを締めくくった。
■UNISON SQUARE GARDEN
バンドのロゴを背に登場したのは、今年で9回目の出演となるUNISON SQUARE GARDEN。「さわれない歌」で軽やかに幕を開けたライブは、徐々にギアを上げていくようにアップテンポなナンバーを続けて披露。一転「Phantom Joke」では、変拍子を交えた目くるめく展開でオーディエンスを翻弄し、「天国と地獄」では、ストロボが会場を刺激的に盛り立てる。
「良いお年を!」(斎藤宏介)と挨拶した後は、忙しなく「フルカラープログラム」に突入し、この日のライブは終了。全9曲ノンストップと超ハードなライブを繰り広げながらも、演奏しているときの3人は水を得た魚のように生き生きとしていて、コロナ禍で今まで通りのライブの開催が困難になっているなかでも、改めて「ライブっていいよね!」という純粋な気持ちを思い出させてくれるようなステージだった。
■東京スカパラダイスオーケストラ
お揃いの橙色のスーツで登場した東京スカパラダイスオーケストラは、対面でライブができる喜びを噛みしめるように、熱いライブを展開。スカパンク調の「9」や、ドラム・茂木欣一がボーカルを務める「会いたいね。゜(゜´ω`゜)゜。」で会場の空気を温めた後は、一人目のゲスト=斎藤宏介(UNISON SQUARE GARDEN)が登場し、「白と黒のモントゥーノ feat.斎藤宏介」を披露。キーボード・沖祐市の速弾きがドラマティックに楽曲を盛り上げた「水琴窟 -SUIKINKUTSU-」を挟み、二人目のゲスト=川上洋平([Alexandros])とは、[Alexandros]の「風になって」と、コラボ曲「ALMIGHTY~仮面の約束 feat.川上洋平」の2曲を炸裂させ、「これぞ音楽フェス!」な祝祭空間を作り上げた。
■宮本浩次
春の【JAPAN JAM 2021】で大トリを務めた宮本浩次は、小林武史(Key.)、名越由貴夫(Gt.)、キタダ マキ(Ba.)、玉田豊夢(Dr.)といった敏腕プレイヤーたちをバックに従え登場。今年リリースのアルバム『縦横無尽』や、昨年リリースされたカバーアルバム『ROMANCE』の楽曲など、新旧名曲揃いのセットリストで【CDJ】のオーディエンスを圧倒した。ステージを駆け回りながら朗々と歌い上げた「ハレルヤ」、満身創痍で愛を捧げた「P.S. I love you」で、それまでのアクトとは一線を画す激情的なパフォーマンスを繰り広げた後は、エレファントカシマシの「悲しみの果て」を絶唱。「センキュー!よいお年を!」と、飛び跳ねながらステージを去っていった。
■[Alexandros]
初日の大トリを任されたのは、新体制としては初の【CDJ】出演となる[Alexandros]。序盤から「Kick&Spin」「Girl A」で骨太の演奏を見せつけ、「忘れてんじゃねぇか? これがロックフェスだぜ!」(川上洋平)と、強気に宣言。オープニング映像で掲げられていた<PARTY IS NOT OVER>の文字を体現するかのように、間髪入れずに楽曲を投下していく。
「[Alexandros]の曲はみんなで歌う曲が多くて、フェスでやると寂しくなるかと思ったけど、そんなことなかった。ありがとう!」と、バンドからオーディエンスへの厚い信頼を示すように「Adventure」をプレイ。ラストは新曲「Rock The World」で力強くロックバンドの存在意義を証明し、【CDJ】1日目の幕を下ろした。声を出せなかったり、モッシュができなかったりと、以前通りのライブができないなかで、オーディエンスにどんなインパクトを与えることができるのか。そんな命題に対しての彼らなりの答えを見せつけられたような、コロナ禍のフェスのトリに相応しいフィナーレだった。
◎イベント情報
【COUNTDOWN JAPAN 21/22】
2021年12月28日(火)・29日(水)・30日(木)・31日(金)
千葉・幕張メッセ国際展示場1~8ホール
<28日セットリスト>
■櫻坂46
1. Dead end
2. 美しきNervous
3. 無言の宇宙
4. なぜ 恋をして来なかったんだろう?
5. Buddies
6. Nobody's fault
7. BAN
8. 流れ弾
■Little Glee Monster
1. Jupiter
2. 全力REAL LIFE
3. 好きだ。
4. 青春フォトグラフ
5. move on
6. SPIN
7. Waves
8. ECHO
9. 世界はあなたに笑いかけている
■マカロニえんぴつ
1. 愛のレンタル
2. 裸の旅人
3. 恋人ごっこ
4. なんでもないよ、
5. メレンゲ
6. 愛の手
7. ブルーベリー・ナイツ
8. はしりがき
9. ヤングアダルト
■ヤバイTシャツ屋さん
1. ハッピーウェディング前ソング
2. ヤバみ
3. 鬼POP激キャッチー最強ハイパーウルトラミュージック
4. くそ現代っ子ごみかす20代
5. 癒着☆NIGHT
6. げんきもりもり!モーリーファンタジー
7. Tank-top of the world
8. かわE
9. Give me the Tank-top
10. NO MONEY DANCE
11. あつまれ!パーティーピーポー
■UNISON SQUARE GARDEN
1. さわれない歌
2. 桜のあと (all quartets lead to the_)
3. 君の瞳に恋してない
4. Phantom Joke
5. 春が来てぼくら
6. 天国と地獄
7. オリオンをなぞる
8. シュガーソングとビターステップ
9. フルカラープログラム
■東京スカパラダイスオーケストラ
1. 多重露光
2. DOWN BEAT STOMP
3. 9
4. 会いたいね。゜(゜´ω`゜)゜。
5. 白と黒のモントゥーノ feat.斎藤宏介
6. 水琴窟 -SUIKINKUTSU-
7. 風になって with.川上洋平
8. ALMIGHTY~仮面の約束 feat.川上洋平
9. Paradise Has No Border
■宮本浩次
1. 夜明けのうた
2. stranger
3. 異邦人
4. 化粧
5. 冬の花
6. ガストロンジャー
7. 風に吹かれて
8. ハレルヤ
9. P.S. I love you
10. 悲しみの果て
■[Alexandros]
1. Kick&Spin
2. Girl A
3. Kill Me If You Can
4. Starrrrrrr
5. 風になって
6. Adventure
7. 12/26以降の年末ソング
8. 閃光
9. Rock The World
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