2021/12/28 22:15
毎年大阪の冬を熱くするFM802主催のロック大忘年会・【FM802 ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY】が、昨年の中止を乗り越えて2年ぶりに行われた。
しかも今回は【FM802 ROCK FESTIVAL RADIOCRAZY presents THE GRAND SLAM】と題して、12月25・26・27・28日というイベント史上初の4日連続開催に。 加えて会場も初の京セラドーム大阪となり、例年とはひと味違ったビッグスケールで展開。万全の感染症対策が取られるなか、約1万人が沸いたライブ3日目の模様を出演全10組のショートレポート&フォトで紹介する。
●BLUE ENCOUNT
なんと登場直後に機材トラブル発生。しかし"5:00起きで心斎橋のサウナに行ってめちゃ整ってるんだけど、機材が整ってなかった(笑)"と田邊が笑いに変え、熱量大に「囮囚」でリブートすると、飛躍するボーカル、高速のギター、体を揺さぶるグルーヴでブルエンイズムを拡散し、ライブ映え抜群の曲の連なりには拳が次々上がってシンガロングも聞こえてきそう。特に"これからも死ぬ気で歌っていきます"(田邊)という宣言後の「ハミングバード」には感動が渦を巻いた。
●THE BAWDIES
今年一番の寒さでも4人はご機嫌。ホットなロックンロールでドームの気温を上昇させる。シャウト交じりで迫るボーカル、エッジーなギター、ドライブ感あるビートが人々を踊らせ、時には「END OF THE SUMMER」でメロウに音を操り、貫禄を感じる圧巻のステージだ。しかも途中にはFM802のDJ・樋口大喜とアニメキャラに扮して寸劇まで。惜しみなく全瞬間で楽しませるエンターテイナーっぷりはさすがのひと言だった。ちなみに彼らは来年1月にツアーで再来阪。関西の音楽ファンはお見逃しなく。
●Hump Back
今日唯一のガールズバンドは、「拝啓、少年よ」といったど真ん中のギターロックを並べて直球勝負で挑む。青く甘酸っぱいメロディにのる林のパワフルな歌声は、聴く者を奮い立たせ、関西弁でまくし立てるMCでも"確実に進んでる。絶対強くなってるもん!"とファンを鼓舞。思わず次の「番狂わせ」のアカペラで大観衆が動きを止めて3人の一挙手一投足にロックオンするのは無理もない。続く「ティーンエイジサンセット」ではきっと心の中で大きなコールが起こっていたはずだ。
●ORANGE RANGE
最新曲によるプレイボールのあとは「上海ハニー」などのヒットチューンを続々投入。遊び心あるリリックとジャンルレスかつキャッチーな響きは、時を経てもビビッドで観客をたっぷり跳ねさせ、カチャーシーでは手がゆらゆら。さらに大人数でそろえるワークアウトソングでは壮観な眺めも生み出す。もちろん沖縄流のトークは朗らかでつい笑顔になるが、仕上げはデビュー曲でハードに。今年結成20周年の実力と歴史を大いに見せつけた。凍える大阪に真夏を連れて来てくれた5人に感謝!
●緑黄色社会
まずは切ないメロディと長屋の歌声でシリアスな曲の中へ引き込んだら、ポップ&ロックでサイドチェンジして疾走へ。透き通るボーカルは絶妙のバンドアンサンブルでより華やかになって紛れもない彼らのサウンドスケープだ。そしてクラップと多幸感で包む「始まりの歌」から突き抜ける後半戦に突入。人気のダンスアンセムでは手拍子が一層大きくなって高揚感も大。手が左右に振られてフェス気分満点のラストシーンになった。美しいハイトーンはしばし観客の脳内を巡ったことだろう。
●フレデリック
イベント後半戦、フレデリックは「35分の一本勝負、勝ちに来ました!」と攻めの姿勢を一切崩すことのない、ストイックなステージを展開していく。中毒性の高いループし続けるメロやビートはもちろん、色鮮やかに踊るレーザーや閃光が走る照明が陶酔感を増強させる。ライブに規制が多いなら踊るしかないでしょと、無我夢中で踊りたくなる楽曲陣でフロアを盛り立てていく。
さらに、「大好きな友達をゲストに!」と須田景凪を招き、11月に発表したばかりのコラボ曲「ANSER」を届けるサプライズも。ラストは「元気を全部もらって帰っていいですか!」とキラーチューン「オドループ」で特大ホームランをブチ込んでいった。
●go!go!vanillas
「最高潮、見せてくれよ!」、この日go!go!vanillasが鳴らしたロックンロールはとにかく強靭さがズバ抜けていた。軽快なリズム(ジェットセイヤのモヒカンヘアも最高!)、ソリッドなギター、ハイでタフな歌声。ライブでお馴染みの「エマ」も「平成ペイン」も何度も聴いてきたのに、今この瞬間こそがバンドの最新&最強の音だということが瞬時に感じとることができる。それは観客ひとりひとりが確かに実感していて、声の代わりに照らされたスマホのライトがひと際大きく揺れていたのがその証だろう。メンバーもその光に応えるように、最後にとびきりのロックンロールの魔法を懸けて全7曲を駆け抜けた。
●UNISON SQUARE GARDEN
夜の帳が下りて寒さが厳しくなる頃、凛として華やかなサウンドでフロアを温めてくれたのがUNISON SQUARE GARDENだ。斎藤宏介の透明感があって軽やかなハイトーンボイス、鈴木貴雄のタイトなドラミング、田淵智也の屈強なリズム。エッジの効いたバンドサウンドは楽曲ごとに表情を変えてきて、ひと時も目が離せない。MCもなく淡々と進んでいくステージは真摯にライブに向き合ってきた彼ららしいスタイルを現しているようで、観客もじっと前を見据えている。アグレッシブなベースラインが大きく体を揺さぶるビッグチューン「シュガーソングとビターステップ」では、手を高く掲げ音に応える観客の様子を眺め、3人は素敵な表情を見せてくれた。
●フジファブリック
グッドメロディの連続に胸キュンしっぱなしだったフジファブリックのステージ。各々の楽曲が持つ物語に魅了されつつも、それぞれにパズルのピースがあって、ステージが進むたびにカチリとハマっていく心地よさがあった。「光あふれる未来に向けて、願いを込めて演奏したい」と「光あれ」では美しい音と景色を届ける。かと思えば、「楽園」でダークで艶っぽい音色で酔わすなど、最新型のサウンドで魅せていく3人。最終曲「若者のすべて」、「来年も笑顔が見せられるように。元気な笑顔で会えるように」。そう願って奏でられるメロディはただただ優しくて力強くて。全6曲を通じて、やっぱりフジファブリックが好きなんだと心から思えるステージだった。
●[Alexandros]
3日目のトリを飾る[Alexandros]はテンションを煽るカオティックな映像から、さっそくキラーチューン「Kick&Spin」をブチ込み盛大な幕開けを報せる。視覚、聴覚を刺激し、全身にエネルギッシュなリズムをぶつけていく4人。川上洋平はクリアなハイトーンボイスを響かせ、フロアの高揚感を高めていく。これまでの『RADIO CRAZY』で幾度となく観客と一体感を生んできた「ワタリドリ」も、天井が高く開放感ある京セラドームで聴くのもまた格別だ。最終曲は来年2月にリリースする最新曲「Rock The World」をドロップ!共に声を上げて歌いたくなる疾走感あるメロに、来年もまたバンドの確かな飛躍を感じられた人も多いだろう。
なおFM802では2022年1月10日(月・祝)18:00より、今回の【FM802 ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY presents THE GRAND SLAM】のライブ音源のみで構成する9時間の特別番組【FM802 ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY HIGHLIGHTS】がオンエアされる。
Text by 服田昌子,黒田奈保子
Photo by FM802
◎イベント情報
【FM802 ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY presents THE GRAND SLAM】
開催日:2021年12月25日(土)・26日(日)・27日(月)・28日(火)
会場:京セラドーム大阪
https://radiocrazy.fm/
◎番組情報
【FM802 ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY presents THE GRAND SLAM HIGHLIGHTS】
●放送日時=2022年1月10日(月・祝)18:00~27:00
【FM802 ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY presents THE GRAND SLAM】(12月25日~28日・京セラドーム大阪)【FM802 RADIO CRAZY presents LIVE HOUSE Antenna-GSシリーズ-】(1月4日~6日・Zepp Namba(OSAKA))のライブ音源のみでお送りするスペシャルプログラム。
第1部 18:00-21:00 DJ 浅井博章×加藤真樹子
第2部 21:00-23:48 DJ 落合健太郎×田中乃絵
第3部 24:00-深夜3:00 DJ 土井コマキ×板東さえか
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