2022/01/04 11:40
アデルの『30』が6週目の首位をキープした、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。
初登場の2021年12月4日付チャートから6週連続でトップを維持した『30』だが、週間ユニットは前週から53%減少の99,000に落ち込み、遂に10万を切った。今週までに記録した各週のユニット数は以下の通り。
2021年12月4日 839,000
2021年12月11日 288,000
2021年12月18日 193,000
2021年12月25日 183,000
2022年1月1日 212,000
2022年1月8日 99,000
前週と比較すると大きく減少したが、登場6週目のユニット数としては高く、6週目で99,000を上回ったのは、ロディ・リッチの『プリーズ・エクスキューズ・ミー・フォー・ビーイング・アンチソーシャル』が110,000を記録した2020年1月25日付チャート以来、約2年ぶりとなる。
また、初登場から6週を上回ったのは、昨年の1月23日から3月27日付チャートの計10週を記録した、モーガン・ウォレンの『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』以来で、女性アーティストでは2020年8月8日から9月12日付チャートの同6週を記録した、テイラー・スウィフトの『フォークロア』以来、約1年半ぶりの快挙となる。
今週獲得した99,000ユニットのうち、アルバム・セールスが71,500(60%増加)、アルバム・ストリーミング(SEA)は26,000(13%減少)、 トラックごとのユニット(TEA)は先週とほぼ同率の1,500だった。週間ストリーミングは3,545万回を記録している。
先週2位に浮上したマイケル・ブーブレの『クリスマス』は、今週も同位をキープ。前週から31%減少したが、今週も旧作としては異例の高さの53,000ユニットを獲得している。『クリスマス』は、今週でチャートイン数が100週に達し、マイケル・ブーブレは143週を記録した『イッツ・タイム』(2005年)、113週を記録した『コール・ミー・イレスポンシブル』(2007年)に続く、3作目の快挙を達成した。
続いて3位も、テイラー・スウィフトの『レッド(テイラーズ・ヴァージョン)』(47,000ユニット / 39%減少)がキープ。4位は、先週の5位からオリヴィア・ロドリゴの『サワー』(46,000ユニット / 25%減少)が上昇し、5位にはモーガン・ウォレンの『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』(43,000ユニット / 10%減少)が先週の12位から再TOP10入りを果たしている。
前述のとおり、『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』は2021年1月23日から3月27日付チャートまで10週間1位を獲得した後、同年12月25日付チャートまでの計49週TOP10にランクインし続けた。先週(1月1日)は12位に初めてTOP10圏外へランクダウンしたが、今週再浮上したことで、TOP10滞在週を50週目に更新。カントリー・アルバムとしては、テイラー・スウィフトの『フィアレス』(58週)、シャナイア・トゥエインの『カム・オン・オーヴァー』(53週)、ガース・ブルックスの『ローピン・ザ・ウィンド』(50週)に続く4作目の記録を打ち出した。
2000年以降、カントリー・アルバム以外の作品でTOP10滞在週が50週を超えたのは、アデルの『21』(84週)、テイラー・スウィフトの『1989』(59週)、エド・シーランの『÷(ディバイド)』(53週)、レディー・ガガの『ザ・フェイム』(51週)、ポスト・マローンの『ハリウッズ・ブリーディング』(50週)の5作があり、前述の『フィアレス』を含めて『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』は7作目の記録を達成した。
続いて6位には、先週の8位からナット・キング・コールの『ザ・クリスマス・ソング』が上昇し、2021年1月2日付チャートで記録した同位と並ぶ最高位に達した。週間ユニットは42,000(23%減少)を記録している。
今週7位にTOP10入りしたのは、2021年11月24日に全米公開されたディズニー最新作『ミラベルと魔法だらけの家』のサウンドトラック。映画の全米公開の前週11月19日にリリースされ、反響と共にチャートを上昇。12月24日にはディズニープラスにて配信開始された。前週から220%増加の41,000にユニット数を伸ばし、先週の110位からジャンプアップを果たした。ディズニーのサウンドトラックでは、2019年12月7日付チャートで『アナと雪の女王2』が前週の15位から3位にジャンプアップし、翌14日に首位を獲得している。
先週6位に上昇したチャーリー ブラウンの サウンドトラック『スヌーピーのメリークリスマス』(41,000ユニット / 33%減少)は8位に、マライア・キャリーの『メリー・クリスマス』 (39,000ユニット / 30%減少)は7位から9位に、それぞれ順位を落としたが、10位には『クリスマス・ギフト・フォー・ユー・フロム・フィル・スペクター』がホリデー・アルバムとして新たにTOP10入りを果たしている。
『クリスマス・ギフト・フォー・ユー・フロム・フィル・スペクター』は、フィル・スペクターが設立したフィレス・レコードから1963年にリリースされたコンピレーション・アルバムで、当時同レーベルに所属していたダーレン・ラブやロネッツといった人気アーティストのホリデー・ソングが収録されている。それら人気曲のストリーミングが上昇したことで今週39,000ユニットを記録し、初のTOP10入りを果たした。
例年の傾向からすると、次週はホリデー・アルバムが一掃され、通常のチャートに戻る。
Text: 本家 一成
※関連リンク先の米ビルボード・チャートは1月7日以降掲載予定となります。
◎【Billboard 200】トップ10
1位『30』アデル
2位『クリスマス』マイケル・ブーブレ
3位『レッド(テイラーズ・ヴァージョン)』テイラー・スウィフト
4位『サワー』オリヴィア・ロドリゴ
5位『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』モーガン・ウォレン
6位『ザ・クリスマス・ソング』ナット・キング・コール
7位『ミラベルと魔法だらけの家』サウンドトラック
8位『スヌーピーのメリークリスマス』ヴィンス・ガラルディ・トリオ
9位『メリー・クリスマス』マライア・キャリー
10位『クリスマス・ギフト・フォー・ユー・フロム・フィル・スペクター』V.A.
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