2021/12/24 18:00
矢井田 瞳のキャリア初となるクリスマスライブ【矢井田 瞳 Christmas Concert】が12月23日、大阪・大阪市中央公会堂で開催された。
【矢井田 瞳 Christmas Concert】は、ギターに西川進、ベースに松田“FIRE”卓己、バイオリンにMIZを迎えたアコースティックYaiko Bandと共に行われ、ステージに現れるや大きな喝采を浴びたヤイコ(=矢井田 瞳)は、まずはアカペラで「きよしこの夜」を歌唱。国指定重要文化財である大阪市中央公会堂に響きわたる歌声にオーディエンスは息をのみ、たった一曲で会場の空気は一気にクリスマスモードに。
ここでヤイコが、「今日のためのスペシャルアコースティック編成ということで私もドキドキしてるんだけど、この編成ならではの響きがたくさんあると思うので。2021年の最後に音楽で、皆さまと素敵なクリスマスイブイブの思い出を追加できたら」と告げ、その言葉が早速具現化されたのが「一人ジェンガ」だ。バイオリンの音色により深みを増した旋律が楽曲を染め上げ、その後も鮮やかな照明を背に切々と届けた「マワルソラ」、優しく包み込むような慈愛に満ちた「Ring my bell」と続いていく。
「私は去年、今年とご縁があってこのステージに立たせてもらってるんですけど、100年以上前に建てられたらしくて、来るたびに歴史を感じる重厚感で。天然のリバーブがめちゃめちゃ気持ちいいなぁと思いながら今も歌ってます」と、大阪市中央公会堂への想いを述べた後は、近年はなかなかハマるシチュエーションがなく、ライブで歌う機会がなかったという「孤独なカウボーイ」を満を持して演奏。豊潤なベースラインとバイオリンが増幅する哀愁に心奪われたかと思えば、アコースティックギターの一音一音が胸を締め付ける「Over The Distance」に、観客もうっとりと耳を傾ける。そんな幸福の中で、裸足で舞うように歌うヤイコ。彼女がこの舞台を選んだ必然に感謝したくなる贅沢なひとときだ。
「モノクロレター」、「I’m Here Saying Nothing」、「もしものうた」とセットリストが進むほど、彼女の歌の世界観に身を委ねるのに打ってつけと言える最高の空間に、同会場でのクリスマスライブの恒例化を願ったファンも多かったのではないだろうか。時折ウインドチャイムやタンバリンを鳴らしつつ心地良さそうに体を揺らしたヤイコだったが、MCではドラムレスかつ初編成でのパフォーマンスのスリルを告白。そして、「小田和正さんは私にとって大きな存在で、追いかけても追いかけても追いつけない背中で。私が音楽を続けるにあたり、小田さんとご一緒できる時間はご褒美のような、宝物のような時間です。そんな小田さんと一緒に作った曲を」と、小田和正がホストを務めるTBS系の音楽特番『クリスマスの約束 2007』のために書き下ろした「恋バス」を披露。類まれな才能が重なり合う珠玉のクリスマスソングに改めて魅了され、いよいよライブは後半戦へ。躍動するビートとメロディで聴かせた「東京タワーと蟻」、「今日は月がきれいかな?」と見上げたロマンチックな「MOON」、「次の曲では……皆さん物分かりがよろしいようで(笑)。リズム感バッチリ!」と沸き立つ満場のクラップが彩った「NOT A PERIOD」と立て続け、トドメのミリオンヒット曲「My Sweet Darlin'」でも、リズムを支える手拍子が場を大いに盛り上げる。
「コロナ禍でいろいろ変わったことはあるけど、ちょっとしたことでもライブを見に来てくれたみんなと一緒に作ってたんだなと思うとキュンとして。大切なクリスマスイブイブを皆さんと過ごせて、とっても幸せでした」とヤイコ。本編は客席の隅々にまで視線を送り歌った「Life's like a love song」でフィナーレとなった。
サンタクロースの帽子をかぶり再び登場したアンコールでは、「みんなが知ってる曲だと思うので、ぜひ心の中で一緒に歌ってほしいな」と、山下達郎の名曲「クリスマス・イブ」をカバー。期待を裏切ることなくしっかり応え、最後は「2022年も音楽で爆走していきたいと思います!また笑顔で会えるのを楽しみに」と「あなたのSTORY」を歌い上げ、ライブは終了。それでも鳴り止まない拍手に呼び戻されたヤイコは、「うれしくて出てきちゃいました、ありがとう~!今日は全部やり尽くしたので、笑顔でバイバイしようと思います。2022年もいっぱい会いましょう!」と約束し、初のクリスマスライブを余韻たっぷりに締めくくった。
なお、今後の矢井田 瞳は、本日12月24日に矢井田 瞳&恋バスBAND with 小田和正名義で「恋バス」の7インチアナログをリリース。同24時20分よりTBSテレビほかで放送される小田和正の音楽特番『クリスマスの約束 2021』に出演する。
さらに、年明け2022年1月3日から5日の各21時より『矢井田 瞳 Guitar to Uta to Band 2021』と題し、7月3日に東京・EX THEATER ROPPONGIで行った【矢井田 瞳弾き語りライブ TOKYO~Guitar to Uta~】、8月15日に大阪・大阪城音楽堂で行った【矢井田 瞳夏の元気祭り2021 OSAKA野音~Yaiko to Band~】のダイジェストに、撮り下ろしの新年メッセージなどを加えた映像配信ライブを3日間限定で実施。また、【矢井田 瞳 Christmas Concert】の模様は2022年1月末に読売テレビで放送予定となっている。
取材・文:奥“ボウイ”昌史
撮影:スエヨシリョウタ
◎公演概要
【矢井田 瞳 Christmas Concert】
開催日時:2021年12月23日(木)開場17:30/開演18:30
会場:大阪市中央公会堂
アコースティックYaiko Band:ギター西川進・ベースFIRE・ヴァイオリン:MIZ
<セットリスト>
1.きよしこの夜
2.一人ジェンガ
3.マワルソラ
4.Ring my bell
5.孤独なカウボーイ
6.Over The Distance
7.モノクロレター
8.I'm Here Saying Nothing
9.もしものうた
10.恋バス
11.東京タワーと蟻
12.MOON
13.NOT A PERIOD
14.My Sweet Darlin'
15.Life's like a love song
EN1.クリスマス・イブ(カバー)
EN2.あなたのSTORY
公式サイト:yaiko.jp
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