2021/12/22
映画『ダイナソーJr./フリークシーン』が3月25日から公開される。
1980年代にUSハードコア、パンクの直撃を受けた面々によって1984年、マサチューセッツ州で結成されたダイナソーJr.。同作はバンドの歴史をオリジナルメンバーであるJ・マスキス(G&Vo)、ルー・バーロウ(Ba)、マーフ(Dr)の3人の関係性にフォーカスしながら貴重な過去のフッテージを交えて映し出す、初のバンド公認ドキュメンタリー。
J・マスキスのギター音があまりに巨大だったため、リズム隊の2人は自らの音が聴こえるべくボリュームを上げるしかなかったというダイナソーJr.の凄まじい轟音は、ニルヴァーナやサウンドガーデン、パール・ジャムなどのグランジ・ムーブメントが勃発するより前にソニック・ユースに見出された。2ndアルバムはUSハードコア界の総統ともいうべきグレッグ・ギン(ブラック・フラッグ)運営のSSTレコードからリリース。暗く、ヘヴィでギターまみれな音の洪水でありながらもポップでキャッチーさを備え、ニール・ヤングやニック・ケイブ的とも云われる無気力極まりない唯一無二のボーカルが欧米の地下世界で絶大な支持を得た。
しかし、ツアー中のある出来事をきっかけに3人の関係性は崩壊。ルーとマーフは次々と脱退。新メンバーを迎えて活動を継続したダイナソーJr.はJ・マスキスのソロ色を強めていった。
ダイナソーJr.の音楽は、売れようとするものでもなく、他人に聴いてもらおうとするものでもなく、ルー・バーロウは「どのぐらい客が集まるか、どれだけの人が聴いてくれるのかと考えたことがない。俺たちは客を襲うためにライヴをやっていた」と語る。音楽だけで結ばれていたオリジナルメンバー3人それぞれの正直な証言を引き出し、そして2005年以降再集結した現在までを、華美な演出を許さない愛情溢れる視点でまとめたのは、J・マスキスとは義理の親族にあたるフィリップ・ロッケンハイム。これまで100本以上のMVを手掛け、ジム・ジャームッシュ監督作『ギミー・デンジャー』にも撮影素材が使われるなど長年音楽映像の世界で活躍するベルリン在住の監督だ。
またバンドの歴史を補完する証言は、キム・ゴードン(ソニック・ユース)、ヘンリー・ロリンズ(ブラック・フラッグ)、ボブ・モールド(ハスカー・ドゥ)、フランク・ブラック(ピクシーズ)、サーストン・ムーア(ソニック・ユース)、ケヴィン・シールズ(マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン)などダイナソーJr.に近しいミュージシャンたち。
◎映画情報
『ダイナソーJr./フリークシーン』
2022年3月25日(金)から公開
監督:フィリップ・ロッケンハイム
出演:
ダイナソーJr.
キム・ゴードン(ソニック・ユース)
ヘンリー・ロリンズ(ブラック・フラッグ)
ボブ・モールド(ハスカー・ドゥ)
サーストン・ムーア(ソニック・ユース)
フランク・ブラック(ピクシーズ)
ケヴィン・シールズ(マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン)
ソニック・ブーム(スペースメン3)
マット・ディロン
上映時間:82分
配給:ビーズインターナショナル
(C)2020 by Rapid Eye Movies/ Virus Films/ Dinosaur Jr. Inc.
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