2021/12/13
サカナクションが12月11日、Aichi Sky Expoから全国6都市14公演で構成されるアリーナツアー【SAKANAQUARIUM アダプト TOUR】をスタート。この公演は2020年2月に新型コロナウィルスの感染拡大の状況を踏まえ全国ツアーが中止となってしまって以降、サカナクションとしては約1年10か月ぶりの有観客ライブとなった。
ツアーに先行して11月20日、21日の2日間にわたって行われたオンラインライブ【SAKANAQUARIUM アダプト ONLINE】のコンセプトを実際の観客がいるライブに移したもので、オンラインライブ同様約13メートル・4階建てビル相当の「アダプトタワー」という巨大なセットを導入した。
オンラインライブ同様、ライブの総合演出を映像ディレクターの田中裕介が担当。アダプトタワーを舞台として、舞台、映像、ライブが混然一体となった独自の世界観をもつエンターテイメントショウを作り上げた。また、スピーカーの配置箇所を増やして、音響的な死角を減らすことを目指したサカナクションオリジナルのサウンドシステムである、SPEAKER +(スピーカープラス) も初導入。大音響かつ高水準のサウンドを観客は体験した。
ライブの前半では各方面から注目を集める若手女優の川床明日香が女性キャストとして登場。サカナクションの演奏と並行してアダプトタワーを舞台に女性の物語が進行。楽曲と女性が登場する物語が時に交錯しながら同時進行していく。
ステージの両サイドに設置されたサービスモニターの大型画面もビジュアルエフェクトとして最大限に活用し、実際のライブと映像の中の世界がまるでパラレルワールドのように展開する仕掛けに。大音量のサカナクションサウンドとともに田中裕介によって仕掛けられた演出に観客は魅了された。
またライブではオンラインライブ同様、3月30日にリリースされるコンセプトアルバム『アダプト』に収録予定の新曲を多数披露。12月3日に配信された新曲「プラトー」は実際の観客の前では初披露となったが、観客は山口の歌とバンドの演奏の一音一音をしっかりと受け止めた。その後はきらびやかなライティングをメインとしたエンターテイメントショウへと移行。「みんな心の中で歌って」と山口が呼びかけ「アイデンティティ」を披露。会場につめかけたオーディエンスは声を出せない中で思い思いの身振りでバンドの演奏に応えた。
さらに『劇場版 ルパンの娘』主題歌として話題となった「ショック!」をこちらも有観客のライブとしては初披露。古舘佑太郎や嶋田久作らが出演する架空の情報番組『Shock!』が会場に設置された2面のサービスモニターに映し出され、その番組から派遣された女性レポーターのるうこがメンバーにインタビューを試みるという、ライブ会場がTV番組の中継先になる奇想天外な設定に。新曲ながらもサカナクションらしいぶっ飛んだ演出に会場は大きく沸いた。その後も有名曲を多数披露し、コロナ禍のライブエンタテイメントの表現領域を拡張するサカナクションの新たな表現を観客は最後まで堪能した。
アンコールでボーカルの山口は「ただいま~。ステージに立って1曲目を歌った瞬間から帰ってきたという感情が沸いてきて泣きそうになっちゃいました。」、「なんとかみんなの前で表現できて、ここからまたスタートできるなという気持ちになれました。本当にありがとうございます」と万雷の拍手の中、感無量メンバーは何度も頭を下げた。
今後、全国で【SAKANAQUARIUMアダプト TOUR】は開催される。会場によってはまだチケット購入が可能とのこと。さらに来年3月30日には「プラトー」を含むコンセプトアルバム『アダプト』をリリース。
https://sakanaction.jp/feature/sakanaquarium_adapt_tour
Photo by 横山マサト
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