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2021/12/07

<ライブレポート>SWEET LOVE SHOWERのスピンオフ企画【Bay Area】開催 気鋭のアーティスト8組が新木場に集結

 【SWEET LOVE SHOWER 2021 ~Bay Area~】が、12月4日東京・新木場USEN STUDIO COASTにて開催された。

 本公演は、スペースシャワーTVが1996年より開催している音楽イベント【SWEET LOVE SHOWER】のスピンオフ企画。“音楽を中心としながらも、様々な入り混じった文化を東京のBay Areaから発信していく”というコンセプトのもと2019年よりスタートし、今回が2年ぶり2回目の開催となる。出演はAAAMYYY、GEZAN、STUTS、DYGL、ROTH BART BARONのライブアクト5組と、岡田拓郎、Seiho、やけのはらのDJ3組。それぞれ個性の異なる8組のアーティストが熱演を繰り広げた。

 ライブアクトのトップバッターは、12月1日にニューアルバム『無限のHAKU』をリリースしたばかりのROTH BART BARON。1曲目「000Big Bird000」では、三船雅也(Vo./Gt.)の伸びやかな歌声が主役の前半から、各楽器の存在感が増していく後半へ、じわじわと演奏が熱を帯びていく。

 さらに力強いアンサンブルで音の洪水を生み出した「K i n g」や、ホーンやグロッケン、ウィンドチャイムなど、さまざまな音色が祝祭ムードをもたらした「春の嵐」でフロアのテンションを引き上げた後は、「昨日はタモリさんに向けてブチ上げたんですけど、今日はみなさんに向かってブチ上げたいと思います」と、ミュージックステーションのYouTube企画「Spotlight」にて披露された「Ubugoe」をプレイ。密やかなトーンのなか、ひりつくような思いを歌ににじませ、会場に緊張感をもたらした。ラストソング「鳳と凰」では、シンガロングパートで大きく腕をひろげ、オーディエンスに参加を求める三船。それに応え、オーディエンスも拍手をしたり腕を上げたりと、ピースフルなムードでフィナーレを迎えた。

 Tempalayのメンバーとしても活躍するAAAMYYYは、ODD Foot Worksの有元キイチ(Gt.)、BRIMENの高木祥太(Ba.)、DATS/yahyelの大井一彌(Dr.)、そしてTENDRE(Key./Gt.)といった手練のミュージシャンたちを従え、一筋縄ではいかないロマンティックなステージを繰り広げた。ライブは浮遊感たっぷりのスローナンバー「Leeloo」からスタートし、続く「PARADOX」では、スリーリズムが奏でるドライブ感溢れるグルーヴに、AAAMYYYの甘美な歌声とシンセパッドが乗っかり、ユニークな心地よさを生み出す。

 「ラブシャ楽しんでますか? 楽しいお顔がたくさん並んでいるのでよかったです」と、オーディエンスやバンドメンバーとゆるいMCを挟んだ後は、エフェクティブなギターが耳を惹き付ける「TAKES TIME」、ずっしりとしたビートのなかで芯のある歌声が際立つ「屍を越えてゆけ」など、AAAMYYYのドープな魅力が堪能できるパートへ。最後はスタンドマイクで「AFTER LIFE」を歌い上げ、エモーショナルにライブを締めくくった。

 やけのはらがDJセットでメロウにフロアを包み込んだ後は、今回が今年3度目の新木場コーストへの出演になるというDYGLが登場。開放感溢れる「Come Together」から間髪入れずに「Half of Me」へなだれ込むと、足早なビートがさらにフロアの高揚を誘う。「7624」からは曲間がシームレスに、重厚なナンバーが続き、なかでも下中洋介(Gt.)がボーカルを担った「Bushes」は、抑揚のない歌唱がダウナーなムードを増幅させた。

 秋山信樹(Vo./Gt.)が「ベッドに沈んでいくような、そんな気持ちを知ってる人たちに」と呟き、披露された「Sink」では、曲が展開していくにつれてだんだんとヒートアップしていき、併せて照明も光量を増していく。地鳴りのようなギターの響きから「Let It Out」が始まると、バンドは一気に推進力を上げ、「A Paper Dream」の小気味いいビートと陽気なコーラスに、フロアのノリもどんどん高まっていく。ラストは「Bad Kicks」でここぞとばかりにギターをかき鳴らし、この日のライブは終了。「また会いましょう!」と、足早にステージを去っていった。

 アッパーなナンバーを連投しフロアを盛り上げたSeihoのDJに続き、STUTSは武嶋聡 (Sax./Fl.)、TAIHEI(Key.)、吉良創太(Dr.)とともにバンドセットで登場。「始まるまで時間あるので、適当にセッションしときます」と、パフォーマンス時間前からバンドメンバーと演奏を披露し、会場を温めてから「Renaissance Beat」でライブはスタートする。曲の前半はMPCで叩くビートをメインに、後半はバンドメンバーを加え、さらに濃厚なグルーブを作り上げていく。

 ライブの中盤からは、ゲストのAlfred Beach Sandalこと北里彰久がステージに登場。「ビーサンさん(北里)と出会ったのもここコースト。最後に一緒にやれてよかったです」と出会いを振り返りながら、「Sail Away」など3曲をコラボレーションした。続けて、2021年のアンセムのひとつ「Presence」をソロで披露し、再度バンドで「夜を使いはたして」を投下。フロアにはミラーボールの光の粒が降りそそぎ、多幸感が溢れる。ラストは「Seasons Pass」をPCMを叩きながら自ら歌唱&ラップ。ハッピーなムードでライブを締めくくった。

 アンビエントなセットで会場の雰囲気を一変させた岡田拓郎のDJを経て、イベントは大トリのGEZANへ。定刻になると、中山晃子による「Alive Painting」(さまざまな性質を持つ材料を用い、相互に反応させることで絵を描くパフォーマンス)を背に、石原ロスカル(Dr.)が現れ、狂ったように荒々しいビートを叩きまくる。しばらくしてバグパイプを抱えたイーグル・タカ(Gt.)と、ヤクモア(Ba.)、マヒトゥ・ザ・ピーポー(Vo./Gt.)が次々と登場し、演奏に参加。カオスな音の渦を生み出し、そのまま「東京」までノンストップで突っ走る。

 マヒトがさまざまな声色を使い分けながら〈僕ら旅を続けなくちゃ〉と歌う「END ROLL」では、中山晃子が作り出す煌々とした映像を背景に、耳をつんざくような轟音がコーストを包み込む。その美しさに、演奏後は興奮交じりの拍手が巻き起こるが、余韻を感じさせる間もなく、すかさず「DNA」へ突入。アンコールの「wasted youth」では、マスク越しのコール&レスポンスも巻き起こり、大熱狂のままイベントは幕を閉じた。

 この日の模様は、2022年1月22日にスペースシャワーTVにてオンエアされる。 また【SWEET LOVE SHOWER 2022】は、 2022年8月26日、27日、28日の3日間、山梨・山中湖交流プラザ きららにて開催予定だ。

Photo by 岸田哲平


◎オンエア情報
スペースシャワーTV『SWEET LOVE SHOWER 2021 ~Bay Area~』
2022年1月22日(土)25:00~26:00

◎ライブ情報
【SWEET LOVE SHOWER 2021 ~Bay Area~】
2021年12月4日(土)
東京・新木場USEN STUDIO COAST

<LIVE ACT セットリスト>
[ROTH BART BARON]
1.000Big Bird000
2.K i n g
3.dying for
4.春の嵐
5.Ubugoe
6.極彩|I G L(S)
7.けもののなまえ
8.鳳と凰

[AAAMYYY]
1.Leeloo
2.PARADOX
3.ポリシー
4.TAKES TIME
5.不思議
6.屍を越えてゆけ
7.AFTER LIFE

[DYGL]
1.Come Together
2.Half of Me
3.Banger
4.7624
5.Bushes
6.Sink
7.Let It Out
8.A Paper Dream
9.Bad Kicks

[STUTS]
1.Renaissance Beat
2.Conflicted
3.Summer Situation
4.Daylight Avenue
5.Horizon
6.Sail Away
7.Presence
8.夜を使いはたして
9.Seasons Pass

[GEZAN]
1.2ビート+BUG+DRONE
2.SUITEN
3.Soul Material
4.誅犬
5.東京
6.END ROLL
7.DNA
-EN-
8.wasted youth

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