Billboard JAPAN


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2021/12/10

【ビルボード 2021年年間TOP Composers】Ayaseがダウンロード・ストリーミング・ラジオ・Twitter・動画で5冠を達成して堂々の1位に

 2021年の年間Billboard JAPAN作曲家チャート“TOP Composers”で、Ayaseが1位に輝いた。

 本チャートは、総合ソング・チャート“JAPAN HOT 100”の中から作曲家にフォーカスしたランキングだ。前年度の同ランキングでは5位だったが、今年度はダウンロード、ストリーミング、ラジオ、Twitter、動画の5指標で首位を獲得するという偉業を遂げた。他の指標ではCDセールス88位、ルックアップ17位、カラオケ4位となっている。年間総合ソングにはYOASOBIの「夜に駆ける」(3位)、「怪物」(5位)、「群青」(8位)、「ハルジオン」(26位)、「アンコール」(32位)、「ハルカ」(37位)、「三原色」(45位)、「もう少しだけ」(48位)、「たぶん」(59位)、「あの夢をなぞって」(67位)、「優しい彗星」(70位)がチャートインしている。

 また今年度、Ayaseは森七菜の「深海」やLiSAの「往け」、Vivid BAD SQUAD「シネマ」、TTJ「シャウト!」など他アーティストの楽曲プロデュースも手掛けた。加えて、歌い手のしゅーずや缶缶に楽曲提供や、セルフカバーとして配信限定シングル『夜撫でるメノウ/幽霊東京』をリリースするなど、本業・ボカロPとしての活動も見られた。集計期間内では常に1位か2位を取り続け、1年を通して常に存在感を放っていたコンポーザーだったと感じる。次年度はYOASOBIによる初の有観客ライブ【NICE TO MEET YOU】を日本武道館で開催したことからスタートしたが、今後はどういった活動をしていくのか大いに期待したい。

 2021年上半期の同ランキングで3位となっていたOfficial髭男dismの藤原聡は2位となった。中でもポイントが大きく動いた時期は「I LOVE...」「パラボラ」などが収録されているアルバム『Editorial』がリリースされた8月だ。8月4日公開のチャートから9月1日公開のチャートにかけて約1.55倍に増加している。そして、今年度一番多くポイント稼いだ楽曲が5月12日にリリースされた「Cry Baby」だ。7月の『THE MUSIC DAY』『2021 FNS歌謡祭 夏』など大型音楽番組で披露され、『東京リベンジャーズ』のテレビアニメや実写映画が盛り上がりを見せるなど、楽曲に火が付いたことで早くも8月25日公開のチャートでストリーミング累計再生回数1億回を突破したことが分かった。もちろん、ドラスティックに移り変わる転調とロックテイストが緻密に混ざり合っているトラックと作品の世界観に通じる歌詞を作り上げたヒゲダンだからこそ、ヒットに繋がったのだ。

 3位のあいみょんは、全ての指標で20位以内に入り安定したポイントを獲得。その中でもカラオケ指標が強いことを特筆しておきたい。カラオケ指標の順位で見てみると、優里(2位)の1.25倍、そして藤原聡(3位)の1.43倍のポイントを稼いでいる。さらにポイントの割合を見てみるとDISH//「猫」が37%、「マリーゴールド」が23%、「裸の心」が18%、「君はロックを聴かない」が5%と、いずれも集計期間以前にリリースされた楽曲が8割を占めていることが分かった。さらに「猫」については、集計期間内で5位以内を常にキープ。あいみょん、DISH//ともに、多くの人に長く愛され、歌われていることが分かった。

 前年度30位から7位にジャンプアップしたVaundyはどうだっただろう。集計期間内でVaundyは「世界の秘密」から「融解sink」「しわあわせ」「benefits」「花占い」「Tokimeki」「泣き地蔵」「踊り子」までを、約1~2か月のスパンでリリース。毎回テイストの変わる楽曲によってリスナーに"驚き"を与えてきた。2021年は多くの夏フェスに出演し、様々なタイアップを務めるなど精力的な活動を続け、今年認知度が一気に上昇したアーティストだと言っても過言ではない。

 また、CDセールスやルックアップなどフィジカルで上位を獲得しているのが、デレク・ターナーだ。彗星の如く現れた彼(彼女または彼ら)だが、その正体は名前以外全くの謎に包まれている。櫻坂46の1stシングルの表題曲「Nobody's fault」や「流れ弾」、日向坂46「君しか勝たん」、SKE48「あの頃の君を見つけた」などの作曲を務め、大きくポイントを稼いだ。

 世界ではコライトが主流となっている昨今。本チャート100位圏内には、コライトの作曲家たちが前年比119%と僅かに増加した。今年はボカロPのGigaとTeddyLoidによるAdo「踊」や、Takaがジン ジン、Masato(coldrain)、デイビット・プラミク、そしてエド・シーランとONE OK ROCK「Renegades」を手掛けるなど、新しい化学反応も話題になった。だが、まだまだ日本ではソロの作曲家が上位に並んでいるのが特徴だ。

Text by Tatsuya Tanami


【Billboard JAPAN TOP Composers of the Year 2021】トップ10
1位 Ayase(YOASOBI「夜に駆ける」「怪物」「群青」)
2位 藤原聡(Official髭男dism「Cry Baby」「Pretender」「I LOVE...」)
3位 あいみょん(DISH//「猫」「猫 ~THE FIRST TAKE ver.~」、あいみょん「裸の心」)
4位 優里 (優里「ドライフラワー」「かくれんぼ」「ピーターパン」)
5位 米津玄師(米津玄師「Pale Blue」「感電」「Lemon」)
6位 清水依与吏(back number「水平線」「怪盗」「高嶺の花子さん」)
7位 Vaundy(Vaundy「napori」「不可幸力」「怪獣の花唄」)
8位 常田大希(King Gnu「白日」「三文小説」、millennium parade × Belle「U」)
9位 Dai Hirai(平井大「Stand by me, Stand by you.」「題名のない今日」「Buddy」)
10位 David Stewart/Jessica Agombar(BTS「Dynamite」)

集計期間:2020年11月23日(月)~2021年11月28日(日)

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