2021/11/26
今年で8年目を迎え、クリスマス・シーズンの定番として親しまれるようになってきた佐藤竹善による〝Your Christmas Night〟。今回はピアニストの青柳誠が病気療養のために出演を断念し、4公演ツアーの初日となった11月24日のビルボードライブ大阪では、宮本貴奈が参加。ベースの川村竜、ドラムの江藤良人とともに日本のジャズ界屈指の実力派が揃ったトリオをバックに、大阪だけのゲストも交えながら行われたステージは、選び抜かれた新旧の名曲の数々と巧みな演奏、そして佐藤のハートウォームな歌声とトークで、ひと足早い上質なクリスマス・タイムを会場に届けてくれた。
冒頭は佐藤がひとりだけでステージに登場し、アコースティック・ギターを手にしてグルーヴィーなカッティングを刻み始めると、バックを務める3人が現れて演奏に加わりながら、フォーキー・ソウル風のアレンジによるクリスマス曲の定番「Do You Hear What I Hear」へ。徐々に高揚感を高めていく展開でオーディエンスを惹きつけると、イーグルスの録音で広く知られるロッカバラード調の人気曲「Please Come Home For Christmas」を挟んで、自身のオリジナル曲「雪の星~Another Christmas Time~」を叙情的な日本語バージョンで聴かせてくれた。これまでに3枚のクリスマス・アルバムを発表している佐藤だけに、前半から説得力が違うステージ運びで聴く者を魅了した。
ここで「大阪に住んでいるミュージシャンと共演しようぜ、ということで」と前置きすると、ギタリストのわたなべゆうがゲストとして呼び込まれ、2枚目のクリスマス・アルバムで一緒に録音したケニー・ロギンスのメロウな名曲「The More We Try」をライブで再演。4公演の中でも大阪だけのスペシャルな共演を実現させると、続いては自身のオリジナル曲から「スティーヴィー・ワンダーへの憧憬」がメロディにもコード展開にも感じられる最高のクリスマス・ソングも披露した。そして、終盤は一昨年にビッグ・バンドと録音した作品で取り上げたクイーンの名曲を、疾走感に溢れたスウィンギーなジャズ・トリオの快演で駆け抜けるライブならではのアレンジで響かせ、本編のラストはコロナ禍のなかで書き上げたSING LIKE TALKINGの新曲を。「今年はなかなか大人なクリスマス・コンサートでは?僕もやってみて気が付きました」とMCで語っていた通り、これまでのクリスマス・ナイトとはひと味違うセットで、深みと温かみをより強く感じさせたのが印象的だった。
また、アンコールでは、今回はピアノに宮本を迎えたことで、彼女のアルバムに佐藤がゲスト参加して歌ったビル・ウィザースの名曲メドレー「Hello Like Before~Just The Two Of Us」の再演も実現。今回のこのツアーは、続く11月28日のビルボードライブ横浜ではピアノに武本和大を迎えて行われ、12月9日のビルボードライブ東京の1日目は再び宮本が、2日日となる19日のピアニストは後日に発表される。また、最終日の2ndステージは配信が行われることも決定しており、会場に足を運べない方も自宅などで至福のクリスマス・ナイトを楽しむことができる。
Text by Hidesumi Yoshimoto
Photo by Kenju Uyama
◎公演情報
【佐藤竹善
Your Christmas Night 2021
~Three Primary Colors~】
ビルボードライブ大阪
2021年11月24日(水)※終了
ビルボードライブ横浜
2021年11月28日(日)
1stステージ 開場14:30 開演15:30
2ndステージ 開場17:30 開演18:30
ビルボードライブ東京
2021年12月9日(木)・19日(日)
1stステージ 開場14:00 開演15:00
2ndステージ 開場17:00 開演18:00
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