2021/11/23 11:40
テイラー・スウィフトの「オール・トゥー・ウェル(テイラーズ・ヴァージョン)」が1位に初登場した、今週の米ビルボード・ソング・チャート。
今週のアルバム・チャート“Billboard 200”でNo.1デビューを果たした『レッド(テイラーズ・ヴァージョン)』に収録されている「オール・トゥー・ウェル(テイラーズ・ヴァージョン)」には、5分29秒と10分13秒の2バージョンあり、チャート集計では合算されている。後者は、2012年10月にリリースしたオリジナル『レッド』の5曲目に収録された同名曲「オール・トゥー・ウェル」の10分版として再録され、自身が監督を務めた14分56秒のショート・フィルムや、アコースティックによるサッド・ガール・オータム・バージョン、ライブ・バージョンなどがリリースされた。10分を超える曲が1位を獲得したのは史上初で、1972年1月に4週のNo.1をマークしたドン・マクリーンの「アメリカン・パイ」がもつ8分37秒を超える歴代最長記録を更新している。
Hot 100での首位獲得は以下のタイトルに続く通算8曲目で、歴代20番目、女性ソロ・アーティストとしては7番目の記録を達成した。なお歴代トップはビートルズの20曲で、女性アーティストではマライア・キャリーの19曲が最多となる。
2012年「ウィ・アー・ネヴァー・エヴァー・ゲッティング・バック・トゥゲザー」(3週)
2014年「シェイク・イット・オフ」(4週)
2014年「ブランク・スペース」(7週)
2015年「バッド・ブラッドfeat.ケンドリック・ラマー」(1週)
2017年「ルック・ホワット・ユー・メイド・ミー・ドゥ」(3週)
2020年「カーディガン」(1週)
2020年「ウィロー」(1週)
2021年「オール・トゥー・ウェル(テイラーズ・ヴァージョン)」
Billboard 200とHot 100で同時に初登場1位を獲得したのは、自身が2020年12月26日付チャートで『エヴァーモア 』(Billboard 200) と「ウィロー」(Hot 100)をデビューさせて以来約1年ぶりで、テイラーは2020年8月8日付チャートでもBillboard 200で『フォークロア』を、Hot 100では「カーディガン」をそれぞれ1位に初登場させ、今週で3度目の快挙を達成した。両チャートで同週に1位を獲得したアーティストは、その他BTS(2020年12月5日)、ジャスティン・ビーバー(2021年4月3日)、ドレイク(2021年9月18日)の3組がいるが、複数回達成したのはテイラーのみ。
TOP10入りは通算30曲目で、同30曲をもつ故マイケル・ジャクソンと並び歴代5位タイに浮上した。
54曲 ドレイク
38曲 マドンナ
34曲 ビートルズ
31曲 リアーナ
30曲 マイケル・ジャクソン
30曲 テイラー・スウィフト
ストリーミング・チャートでも、初週5,440万回を記録して自身5曲目の1位を、デジタル・ソング・セールス・チャートでも、57,800を売り上げて通算23曲目のNo.1タイトルを獲得した。ストリーミング・チャートでは、カーディ・Bを上回る最高記録を達成。セールス・チャートではトップを独走している。その他、カントリー・ソング・チャートでも自身9曲目のNo.1タイトルを更新。2021年では、2月27日付チャートで獲得した「ラヴ・ストーリー(テイラーズ・ヴァージョン)」に続く2曲目の快挙となる。
なお、「オール・トゥー・ウェル」は2012年のオリジナル・バージョンと「オール・トゥー・ウェル(テイラーズ・ヴァージョン)」がそれぞれ個別で集計されていて、オリジナルは今週ストリーミングが260万回(23%減少)、セールスが700(195%増加)、エアプレイは1,300回をそれぞれ獲得した。リリースされた2012年以降、ストリーミングは累計1億4,550万回、セールスは304,000万枚を売り上げている。オリジナルの最高位は、2012年11月10日付チャートで記録した80位。
カバー曲が1位を獲得したのは、2001年6月に同1位に輝いたクリスティーナ・アギレラ、マイア、ピンク、リル・キムによる「レディ・マーマレイド」(原曲は1975年3月に1位を獲得したラベルの「レディ・マーマレイド」)以来約20年ぶりで、セルフ・カバーが1位を獲得したのは、1997年10月から1998年1月まで計14週を記録したエルトン・ジョンの「キャンドル・イン・ザ・ウインド」以来、約24年ぶりの快挙となる。「キャンドル・イン・ザ・ウインド」は、オリジナルがアルバム『黄昏のレンガ路』に収録された1973年で、1988年1月に6位をマークした後97年に「キャンドル・イン・ザ・ウインド ダイアナ元英皇太子妃に捧ぐ」として再録し、大ヒットさせたという経緯がある。エルトン・ジョンは、その他にも故ジョージ・マイケルとデュエットした「僕の瞳に小さな太陽」を、セルフ・カバーとして1位に送り込んでいる(1992年2月)。
今週は「オール・トゥー・ウェル」の他、アルバム『レッド(テイラーズ・ヴァージョン)』に収録されたタイトルのうち以下の26曲が100位内に初登場、リエントリーしている。
1位「オール・トゥー・ウェル(テイラーズ・ヴァージョン)」
18位「ステイト・オブ・グレイス(テイラーズ・ヴァージョン)」
22位「アイ・ベット・ユー・シンク・アバウト・ミー(テイラーズ・ヴァージョン)(フロム・ザ・ヴォルト)feat.クリス・ステイプルトン」
25位「レッド(テイラーズ・ヴァージョン)」
43位「ナッシング・ニュー(テイラーズ・ヴァージョン)(フロム・ザ・ヴォルト)feat.フィービー・ブリジャーズ」
45位「メッセージ・イン・ア・ボトル(テイラーズ・ヴァージョン)(フロム・ザ・ヴォルト)」
46位「トラブル(テイラーズ・ヴァージョン)」
47位「ランfeat.エド・シーラン(テイラーズ・ヴァージョン)(フロム・ザ・ヴォルト)」
51位「ベター・マン(テイラーズ・ヴァージョン)(フロム・ザ・ヴォルト)」
52位「22(テイラーズ・ヴァージョン)」
54位「トレチャラス(テイラーズ・ヴァージョン)」
55位「私たちは絶対に絶対にヨリを戻したりしない(テイラーズ・ヴァージョン)」
59位「アイ・オールモスト・ドゥ(テイラーズ・ヴァージョン)」
61位「ザ・ヴェリー・ファースト・ナイト(テイラーズ・ヴァージョン)(フロム・ザ・ヴォルト)」
63位「エヴリシング・ハズ・チェンジドfeat.エド・シーラン(テイラーズ・ヴァージョン)」
66位「ザ・ラスト・タイムfeat.ギャリー・ライトボディ(テイラーズ・ヴァージョン)」
67位「ステイ・ステイ・ステイ(テイラーズ・ヴァージョン)」
69位「ベイブ(テイラーズ・ヴァージョン)(フロム・ザ・ヴォルト)」
76位「ホーリー・グラウンド(テイラーズ・ヴァージョン)」
77位「ビギン・アゲイン(テイラーズ・ヴァージョン)」
79位「フォーエヴァー・ウィンター(テイラーズ・ヴァージョン)(フロム・ザ・ヴォルト)」
83位「ザ・モーメント・アイ・ニュー(テイラーズ・ヴァージョン)」
84位「ザ・ラッキー・ワン(テイラーズ・ヴァージョン)」
85位「サッド・ビューティフル・トラジック(テイラーズ・ヴァージョン)」
87位「カム・バック...ビー・ヒア(テイラーズ・ヴァージョン)」
90位「スターライト(テイラーズ・ヴァージョン)」
26曲を同時にランクインさせたのは女性アーティストの最多記録で、 2018年7月14日付チャートで27曲をランクインさせたドレイクに続く史上2番目の記録となる。
「オール・トゥー・ウェル」の登場により、先週まで4週連続1位をキープしていたアデルの「イージー・オン・ミー」は2位にダウン。ストリーミング・チャートでも1位から3位に、セールス・チャートでも1位から2位にそれぞれ順位を下げたが、週間ストリーミング数は2%増加の2,410万回に、セールスは70%増加の24,800にいずれも上昇している。ラジオも好調で、9%増加の8,480万回を記録してエアプレイ・チャートで2位をキープ。今週のAirplay Gainerも獲得した。同時に、セールス・チャートでもSales Gainerを獲得している。その他、アダルト・ポップ・エアプレイチャートでも自身6曲目の1位を獲得し、アダルト・コンテンポラリー・チャートでは3週目の首位をキープした。
「イージー・オン・ミー」が収録された新作『30』は、次週のアルバム・チャート“Billboard 200”で上位ランクインが予想されていて、同曲も1位に返り咲く可能性が高い。
ザ・キッド・ラロイ&ジャスティン・ビーバーの「ステイ」も、先週の2位から3位にダウンしたが、各ポイントは安定していて、エアプレイ・チャートでは10週目の首位を維持した(8,690万回 / 3%減少)。リル・ナズ・X&ジャック・ハーロウの「インダストリー・ベイビー」も3位から4位に順位を下げたが、R&B/ヒップホップ・ソング・チャート、ラップ・ソング・チャートでそれぞれ13週目の首位を獲得している。
先週8位にデビューしたブルーノ・マーズとアンダーソン・パークによるプロジェクト=シルク・ソニックの新曲「スモーキン・アウト・ザ・ウインドウ」は、今週2位に初登場したアルバム『アン・イヴニング・ウィズ・シルク・ソニック』のリリース効果を受け、5位に最高位を更新。ストリーミングは13%増加の2,380万回、エアプレイも13%増加の1,370万回にそれぞれ数字を伸ばしている。
ブルーノ・マーズはソロ曲を含む通算17曲目、アンダーソン・パークは4月に1位を記録した「リーヴ・ザ・ドア・オープン」に続く2曲目のTOP5入りで、R&Bソング・チャートでは、先週に続き2週目に1位をキープしている。
以下、エド・シーランの「バッド・ハビッツ」が4位から6位に、「シヴァーズ」が5から7位にダウンし、グラス・アニマルズの「ヒート・ウェイヴス」が10位から8位に最高位を更新した。「ヒート・ウェイヴス」は、ロック&オルタナティブ・ソング・チャートとオルタナティブ・ソング・チャートで、それぞれ9週目の首位を獲得している。ドージャ・キャットの「ニード・トゥ・ノウ」は9位をキープし、ウォーカー・ヘイズの「ファンシー・ライク」は7位から10位にランクダウンした。
Text: 本家 一成
※関連リンク先の米ビルボード・チャートは11月26日以降掲載予定となります。
◎【Hot 100】トップ10
1位「オール・トゥー・ウェル(テイラーズ・ヴァージョン)」テイラー・スウィフト
2位「イージー・オン・ミー」アデル
3位「ステイ」ザ・キッド・ラロイ&ジャスティン・ビーバー
4位「インダストリー・ベイビー」リル・ナズ・X&ジャック・ハーロウ
5位「スモーキン・アウト・ザ・ウインドウ」シルク・ソニック
6位「バッド・ハビッツ」エド・シーラン
7位「シヴァーズ」エド・シーラン
8位「ヒート・ウェイヴス」グラス・アニマルズ
9位「ニード・トゥ・ノウ」ドージャ・キャット
10位「ファンシー・ライク」ウォーカー・ヘイズ
THANK YOU to the team that made All Too Well (the 10 min): The ultimate craftsman of songs that sound epic @jackantonoff, bad ass @Sharp_Stick, @rowedizzle and @lizrose06! Love you all.
— Taylor Swift (@taylorswift13) November 22, 2021
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