2021/11/22 12:00
2021年11月17日公開のBillboard JAPAN 総合ソング・チャート“JAPAN HOT 100”は、フィジカルの強さを見せつけたボーイズ・グループがトップ3を制覇。先週に引き続き大いに盛り上がっている。この激戦でもしっかりと結果を出したのが優里だ。100位以内に4曲ランクインしており、特大ロング・ヒットの「ドライフラワー」は55週目にして5位をキープ、「シャッター」が23位、「かくれんぼ」が72位。そして、新曲「ベテルギウス」が4位に躍り出た(【表1】)。
「ベテルギウス」は、10月14日から始まったフジテレビ系ドラマ『SUPER RICH』の主題歌という大型タイアップがついている。それは非常に大きな要素だが、やはり彼らしい動画やストリーミング、SNSを駆使した戦略の賜物といってもいいかもしれない。最初のアクションはYouTubeだが、自身のミュージック・ビデオの前に、人気YouTubeチャンネル『THE FIRST TAKE』にて10月13日に初解禁。ドラマ放映の前日ということもあり大きな話題となった。そして、初日で一気に200万回再生を突破。現時点で早くも1000万回超えとなっている。
この『THE FIRST TAKE』効果は非常に高かったが、あくまでも話題作りの前哨戦でしかない。ドラマとYouTubeで前煽りをし、SNSである程度拡散した後の11月4日に配信リリース。11月10日公開のHot 100で8位を記録し、2週目の今週に至るという流れだ。そして、ストリーミングに強い優里だけあって、その伸び率は圧倒的。ストリーミングにおいては、先週22位から一気に今週は1位を獲得している。このストリーミング人気はしばらく続くだろうし、急激に下がることもないだろう。言い換えると、すでにロング・ヒットのレールにうまく乗っかっているのである。
この後は展開次第だが、プロモーションはもとより、TikTokなどの反応によっても、チャートは影響を受けるだろう。すでに11月18日にはオリジナルのミュージック・ビデオの公開が始まったし、そのうちカラオケのポイントも上昇することが予想されるし、年末年始のテレビ等での露出も期待できる。あとは「ドライフラワー」のように、いかにロング・ヒットに繋げられるかが課題といえる。「ベテルギウス」は様々な可能性を感じる一曲だけに、今後のチャート・アクションが楽しみだ。
Text:栗本斉
◎栗本斉:旅&音楽ライター、選曲家。レコード会社勤務の傍ら、音楽ライターやDJとして活動を開始。退社後、2年間中南米を放浪し、現地の音楽を浴びる。その後フリーランスとして活動した後、2008年から2013年までビルボードライブのブッキングマネージャーに就任。フリーランスに戻り、雑誌やライナーノーツなどの執筆や音楽評論、ラジオやストリーミングサービスにおける構成選曲などを行っている。
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