2021/11/01 10:30
ドレイクの 『サーティファイド・ラヴァー・ボーイ』がトップに返り咲き、通算5週目の首位を獲得した、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。
先週、ヤング・サグの新作『パンク』が1位に初登場したことで2位にダウンした『サーティファイド・ラヴァー・ボーイ』だが、ストリーミングが依然として強く、今週再び首位に復帰した。その『パンク』は、初週から62%減少の34,000までユニット数を落とし、今週7位に急落している。
『サーティファイド・ラヴァー・ボーイ』の週間ユニットは74,000(10%減少)で、そのうち73,000がアルバム・ストリーミング(SEA)とそのほとんどをストリーミングが占めた。遂に1億回を下回ったが、登場8週目にして9,990万回と再生数も好調。2位以下とも大差をつけている。
『サーティファイド・ラヴァー・ボーイ』は、これで初登場の9月18日付チャートから10月2日の3週連続、10月23日、そして今週の計5週をマークし、前作『スコーピオン』(2018年)と首位獲得記録を並べた。最長記録は『ヴューズ』(2016年)が打ち出した13週で、その他3週をマークした『モア・ライフ』(2017年)が2週以上首位を獲得している。
続いて2位は、先週の8位からモーガン・ウォレンの『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』がランクアップした。順位は大きく上昇したが、週間ユニットは先週とほぼ横ばいの42,000で、全体数が低いことを物語る。
以下、ドージャ・キャットの『プラネット・ハー』(41,000ユニット / 1%減少)が7位から3位、ヤングボーイ・ネヴァー・ブローク・アゲイン『Sincerely, Kentrell』(39,000ユニット / 11%減少)が6位から4位、オリヴィア・ロドリゴの『サワー』(38,000ユニット / 5%減少)も9位から5位にそれぞれ上昇したが、各ユニット数は若干減少傾向にある。
続いて6位には、先週の34位から急上昇したマネーバッグ・ヨーの『ア・ギャングスタズ・ペイン』が再びTOP10入りを果たしている。本作は、今年の4月23日にリリースされ、初登場の5月8日付チャートと5月22日の計2週1位をマークした後、7月24日の10位を最後にTOP10から姿を消したが、10月22日に7曲を追加したデラックス盤がリリースされ、今週約3か月ぶりにランクインした。週間ユニットは、前週比128%増加の36,000に上昇している。
前述の『パンク』を挟み、8位にはラナ・デル・レイの新作『ブルー・バニスターズ』が初登場。初動ユニットは33,000で、そのうちアルバム・セールスが19,000、アルバム・ストリーミングは14,000(1,860万回)だった。本作は、今年の3月に発表した『ケムトレイルズ・オーヴァー・ザ・カントリー・クラブ』からわずか7か月でリリースした8枚目のスタジオ・アルバムで、『ボーン・トゥ・ダイ:ザ・パラダイス・エディション』(2012年)を含む8作目のTOP10入りを果たした。
2位『ボーン・トゥ・ダイ』(2012年)
10位『ボーン・トゥ・ダイ:ザ・パラダイス・エディション』(2012年)
1位『ウルトラヴァイオレンス』(2014年)
2位『ハネムーン』(2015年)
1位『ラスト・フォー・ライフ』(2017年)
3位『ノーマン・ファッキング・ロックウェル!』(2019年)
2位『ケムトレイルズ・オーヴァー・ザ・カントリー・クラブ』(2021年)
8位『ブルー・バニスターズ』(2021年)
9位は、先週の10位からリル・ナズ・Xの『モンテロ』(33、000ユニット / 8%減少)が上昇。続いて10位にはエルトン・ジョンのニュー・アルバム『ロックダウン・セッションズ』がデビューした。『ロックダウン・セッションズ』の初動ユニットは 29,000で、そのうち17,000がアルバム・セールス、10,000がアルバム・ストリーミング、2,000がトラックごとのユニット(TEA)だった。週間ストリーミングは1,310万回を記録している。
本作は、タイトルの通りロックダウン期間中に様々なアーティストとレコーディングしたコラボレーション16曲を収録した企画盤で、チャーリー・プースやデュア・リパといった若手から、9位のリル・ナズ・Xやヤング・サグ、ニッキー・ミナージュなどの人気ラッパー、スティーヴィー・ニックス、スティーヴィー・ワンダーといったベテラン勢まで幅広いアーティストが参加している。
エルトン・ジョンがBillboard 200ではじめてTOP10入りしたのは、1971年1月30日付チャートで11位から7位に上昇した『僕の歌は君の歌』(最高4位)で、以降70年代に13作、90年代に2作、00年代に1作、10年代に4作、そして今作が20年代で初のランクインを果たし、5年代、通算21作目の快挙を達成した。Billboard 200の週間チャートがスタートした1956年3月24日付チャートから、20枚以上TOP10にランクインさせたアーティストは以下の11組で、エルトン・ジョンは歴代7位タイとなる。
37作 ザ・ローリング・ストーンズ
34作 バーブラ・ストライサンド
32作 ザ・ビートルズ
32作 フランク・シナトラ
27作 エルヴィス・プレスリー
23作 ボブ・ディラン
22作 マドンナ
21作 エルトン・ジョン
21作 ポール・マッカートニー/ウイングス
21作 ブルース・スプリングスティーン
21作 ジョージ・ストレイト
20作 プリンス
Text: 本家 一成
※関連リンク先の米ビルボード・チャートは11月5日以降掲載予定となります。
◎【Billboard 200】トップ10
1位『サーティファイド・ラヴァー・ボーイ』ドレイク
2位『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』モーガン・ウォレン
3位『プラネット・ハー』ドージャ・キャット
4位『Sincerely, Kentrell』ヤングボーイ・ネヴァー・ブローク・アゲイン
5位『サワー』オリヴィア・ロドリゴ
6位『ア・ギャングスタズ・ペイン』マネーバッグ・ヨー
7位『パンク』ヤング・サグ
8位『ブルー・バニスターズ』ラナ・デル・レイ
9位『モンテロ』リル・ナズ・X
10位『ロックダウン・セッションズ』エルトン・ジョン
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