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2021/09/30 16:15

リル・ナズ・X、2年前にカミングアウトしたのは”義務”だったと語る

 米ビルボード・ソング・チャート”Hot 100”で19週No. 1という歴史的な記録を残した「オールド・タウン・ロード」を2019年にリリースしたことで、リル・ナズ・Xの人生は変わった。同曲のリリースから2年、22歳になった彼は、曲が大成功している最中にカミングアウトしたことについて振り返った。

 2021年9月28日に公開されたXXL秋号のインタビューで彼は、「カミングアウトなんてずっとしなかったかもしれない」と述べつつも、2019年6月にゲイであることを公表したことについて、「正直なところ、自分の義務のようなものだと思った。前に進みたいと思うならば特にね。自分がやっていたことは……信頼性ってのはすごくリアルだから、人はそれを見抜くことだできると思っているんだ。そしてそれは自分の一部だから」と説明している。

 彼はカミングアウトしたあと、自身のセクシュアリティが自分の音楽や公的人格に雲のようにかかっていると感じたと説明している。「僕の場合、(自分のセクシュアリティに対する不安は)カミングアウト後の行動を人に判断されることへの恐れだと感じた。以前は、"ああ、彼は好きだよ、だって彼はそのことを全面に押し出さないからね”というようなコメントに"いいね"を押していた」と彼は振り返り、「でも、あとからそれが何を意味するのかに気付いたんだよね。それって、誰かが”自分には黒人の友人がいる”と言うのと同じようなもので、黒人の歴史や文化とかに関係するすべてのことにそれが乗っかってくるような感じ。僕は”その人物”じゃないんだよって思うんだよね」と述べている。

 リル・ナズ・Xはまた、自身の性的指向のためにヒップホップ・コミュニティから排除されていることについても語っている。彼はつい最近も、業界の黒人男性アーティストが”僕と仕事をしたがらない”とツイートしたばかりだ。そんな彼は、「正直なところ、一般的にヒップホップや多くの音楽の場で、それほど尊敬されているとは感じない」としながらも、「でも、人がどう思おうと、僕はこれらのコミュニティーの一部なんだ。アルバム全体がラップってわけじゃないけれど、僕のアルバムにはラップ曲が含まれているから、これは自分がやりたかったことなんだ。僕はラッパーで、ポップ・スターで、ゲイのアーティストだ。僕はそれらの場所の一員なんだってことだよ」と語っている。

 リル・ナズ・Xを中傷する者がヒップホップ・コミュニティーにいるのは確かだが、彼を支えるために歩み出た者もいる。リル・ナズ・Xが、一緒に仕事をしてくれる黒人男性アーティストがいないとツイートした後、キッド・カディがコラボのために手を挙げた。米タイム誌の”最も影響力のある100人”に掲載されたリル・ナズ・Xについてのエッセイでカディは、「ヒップホップにはホモフォビアの雲がかかっているが、(リル・ナズ・Xは)そんなくだらないものを打ち破ろうとしている。俺たちは彼を支持しなければならない。”お前を支持する”ということをあいつに知ってもらうために、俺は必要なことを何でもするつもりだ。俺たちが一緒に曲を作ったら、どんなに奇抜なビデオでも、セクシーなものにしようぜ」と綴っている。

 「オールド・タウン・ロード」の成功のあとも、リル・ナズ・Xの音楽は米ビルボード・チャートの常連となっている。9月17日にリリースされたデビュー・アルバム『モンテロ』は、アルバム・チャート”Billboard 200”で初登場2位を記録した。ソング・チャート”Hot 100”では、「モンテロ(コール・ミー・バイ・ユア・ネイム)」、「インダストリー・ベイビー」、「Thats What I Want」がそれぞれTOP10入りを果たしているほか、アルバムに収録された他の8曲もチャート・インしている。

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