2013/02/22
タイトルをつけるなら“グラミー熱冷めやらぬ”といったところの今週3月2日付全米アルバムチャート。年間最優秀アルバムを獲得したマムフォード&サンズの『バベル』は先週7位から4位にランクアップして、そして今週は当然のようにナンバーワンに到達。
グラミー賞の影響力には当の本人たちも驚きを隠せないようで、この作品も本来は“売れる”予定ではなかったとのこと。確かに、古き良きフォークの味が滲み出た決して派手とはいえないこの作品が、ここまで大衆受けしているのは不思議だが、グラミー賞で評価される作品というのは、どの時代の最優秀賞をみても、そんなテイストに一貫している。要は、“音楽ツウ受けする作品”。もちろん、ツウでない人もじっくり聴き倒せばその良さが理解できるものなんだけど、評価されて改めて、質の良いバンドなんだと思い知らされたのは、米国だけでなく日本も同じ。セールスポイントは他のノミネート・アーティストより最も伸びが良く、この熱はジワジワと続きそうな予感です。
そして、当然のようにといえば10ランクアップして2位に到達した、『2013グラミー・ノミニーズ』。これは、今年はどういったアーティストがノミネートしたかの復習に、是非ともお勧めな作品。
以下、ブルーノ・マーズ、テイラー・スウィフト、ルミニアーズ、ファン、マルーン5と、グラミーの受賞者、パフォーマー達がTOP10を独占する結果に。また、15位のリアーナや21位のエド・シーラン、19位にまた再浮上したアデルの『21』等、TOP10以下でもグラミー賞の影響が大きく反映されたチャートアクションに。
上位に初登場したのは、13位のブレット・フォー・マイ・ヴァレンタインの15周年目、4作目となる『テンパー・テンパー』。近年大ブレイクしているデジタル系のロックが主流になったりと、バラエティ豊かなロック市場に、メタルというジャンルは常にブレない存在だと思い知らされ、ある意味クールにすら感じるこの作品。常に一定の需要があるのも、彼らの、メタルなのに真面目かよ!という志向あってこそなのかもしれない。
話題はグラミー効果に戻り、今週の注目株は、27位から17位へと急上昇したグラミーノミネートの新人、ハンター・ヘイズ。最優秀新人賞、ベスト・カントリー・アルバム、ベスト・カントリー・ソロ・パフォーマンスの3部門にノミネートされたカントリー系のシンガーで、これまたその影響というか、動くヘイズ君をみて、虜になってしまった女性陣からの熱烈支持がセールスに反映した様子。そんなハンター・ヘイズのデビュー盤は、日本でも3月6日にドロップ。既にテレビのタイトル・トラックにも起用されたりと、この甘いマスクも含め、日本でもブレイクの兆しアリ。次週はTOP10入りを狙う。
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