2021/07/15
世界的シンセサイザーアーティスト/作曲家、冨田勲の最後の5年間のベストワークスを厳選したアルバム『日の出~冨田勲 DENONベスト作品集』(英題:RISING PLANET-Tomita’s Greatest Works of Space Music)が、7月21日にSpotifyやApple Music等で世界配信されることになった。
慶応義塾大学在学中より作曲家として多彩な分野で活躍をはじめた冨田は、74年にはシンセサイザーによる「月の光」を発表し米ビルボード誌で第1位を獲得。さらに日本人として初めて【グラミー賞】にノミネートされ、以後発表するアルバムは次々に全世界で空前のヒットを記録した。
冨田は平成28年5月5日、慢性心不全のため逝去。享年84歳だった。逝去の1時間まで創作に取り組んでいたスペースバレエシンフォニー「ドクター・コッペリウス」は、追悼公演として東京で上演され、大きな話題となった。
今作はそんな冨田の没後5年記念企画として配信限定リリースされる。
冨田は最後の5年間、70年代に発表した代表作を当時思い描きながらも実現できなかった完全な形でリメイクし、更に新たな創作も加える「DENON:ISAO TOMITA Project」に注力した。今作には、その7つのアルバムから厳選した11曲が収録される。
冨田が残した最後のメロディである「日の出」は、「DENON:ISAO TOMITA Project」最初のリリース作品『惑星 Ultimate Edition』に収められた「イトカワとはやぶさ」に初出するメロディで、その後のアルバムにも重要な個所で登場する、いわば冨田の晩年を彩るモットーともいえる旋律だった。これをベースに、80歳代最後の5年間に冨田が尽きることない進取の精神を駆使して音盤に刻印した創作の粋を、このアルバムに集約している。また、収録曲「イーハトーヴ交響曲~銀河鉄道の夜」と遺作「ドクター・コッペリウス~日の出」では、冨田が長年夢見ていた「機械が歌う」という行いを具現化すべく、バーチャルシンガー“初音ミク”とコラボレーションしている。
なお、冨田勲の楽曲からの影響を公言し、アニメファンまでをも魅了した最新作『YASUKE』でも制作のヒントにしたと明かすフライング・ロータスが、今作のリリース決定を受けてコメントを寄せた。
インスピレーションを探しているときに初めて彼の音楽に出会った。そしていつしか作品そのものに引き込まれていった。このサウンドが自分の人生に絶対に必要なものだと気づいたんだ。トミタのサウンドは何年もの間、自分の一部になっている。様々な場面で彼の音楽を聴いているよ。特に寝る時にね。トミタの音楽はカラフルな情景と明晰な夢を見せてくれる。自分にとって最も興味深い素晴らしいサウンドによって、クラシックな楽曲が再定義・再構築されている。
トミタは時代の先を生きていたけど、新しい世代のリスナーが彼の魔法に魅せられていることをとても嬉しく思う。 ――フライング・ロータス
また今回、冨田自身が所持していたという上述の米ビルボードNo.1獲得時のチャート誌面のコピー(「月の光」で1975年12月27日付クラシックチャート1位。嬉しかったのかペンで丸印が付いている)や、世界を席巻していた当時、家族撮影による欧州ツアー時の貴重なプライベート写真が発掘されたので、あわせて紹介したい。
◎リリース情報
アルバム『日の出~冨田勲 DENONベスト作品集』
(RISING PLANET-Tomita’s Greatest Works of Space Music)
2021/7/21 Release
1. 火星 from 「惑星 Ultimate Edition」
2. イトカワとはやぶさ from 「惑星 Ultimate Edition」
3. 口笛と鐘 from 「月の光 Ultimate Edition」
4. アラベスク from 「月の光 Ultimate Edition」
5. 月の光 from 「月の光 Ultimate Edition」
6. 雲 from 「月の光 Ultimate Edition」
7. Rising Sun from 「PLANET ZERO」
8.ソラリスの海 from 「展覧会の絵 Ultimate Edirion」
9.答えのない質問 from 「スペース・ファンタジー」
10.銀河鉄道の夜 from 「イーハトーヴ交響曲」
11.日の出 from 「ドクター・コッペリウス」
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