2021/06/25
現地時間2021年6月23日に発売された米バラエティ誌のカバー・ストーリーで、ジャスティン・ビーバーやアリアナ・グランデといった世界的なポップ・スターのマネジャーを長年務めるスクーター・ブラウンが、テイラー・スウィフトのマスター音源の買収について語った。
同誌が音楽業界の大物に贈る<ミュージック・モーグル・オブ・ザ・イヤー>に選ばれたスクーターはこのインタビューで、2019年6月に自身のイサカ・ホールディングスがビッグ・マシン・レーベル・グループを買収し、テイラーの初期6作のアルバムの原盤権を推定3億ドル(約333億円)で入手したことについて語った。2020年11月には、シャムロック・ホールディングスが、テイラーのビッグ・マシン・レーベル・グループのカタログをイサカ・ホールディングスから購入し、彼女の初期6作のアルバムの所有権は17か月の間に2回も変わることとなった。
2年前にスクーターがテイラーの原盤権を最初に買収した際、彼女はこの契約に対する軽蔑と、初期6作のアルバムを再びレコーディングする意思があることを公表した。そして、2019年11月に彼女は再レコーディングを開始した。
「テイラーが契約に対してあのような反応をしたことを私は後悔していますし、悲しく思います。起こったことのすべてが非常に入り組んでおり、事実に基づいていません」とスクーターは同誌に主張した。「彼女がどんな話を聞いたか知りません。打ち合わせをしたいと彼女に何度か申し出ましたが、拒否されました。私は彼女にカタログを売ることを提案し、守秘義務契約を結ぼうとしましたが、彼女のチームから拒否されました。全てが非常に残念です。心を開いたコミュニケーションが重要であり、それによって理解を得ることができます。彼女と私はこれまでに3、4回ほど手短にしか会ったことがありませんが、どのやり取りもフレンドリーで親切でした。彼女は非常に才能のあるアーティストで、彼女の成功を願っています」と説明した。
2020年11月にテイラーは原盤権が売却されたことについての手紙をTwitterに投稿し、スクーターと彼のチームと交渉をしたが、「自分の作品に入札する機会を得る前に、永遠に私を黙らせる」ための「厳格な守秘義務契約」が提示されたと説明した。さらに、彼女は当時、スクーターのチームは「私のチームに価格を提示することさえしなかった」と述べた。
スクーターのチームは、テイラーの主張にバラエティ誌で反論し、「真面目に交渉に取り組んだ」と説明した。しかし契約に関したスクーターへの感情は真摯なものではなく、買収が発表されると、テイラーのファンたちはソーシャル・メディア上で、彼に「いじめっ子」というレッテルを貼った。
「私にとって一番辛かったのは、“いじめっ子”という言葉です。私は、誰かをいじめることに断固反対です。私は常に感謝と理解を持つことを心がけています」とスクーターはインタビューで語った。「あの時、私が最も誇りに思ったのは、私のアーティストやチームが味方をしてくれたことです。彼らは私の性格や真実を知っています。それは私にとってとても大きな意味があり、長い目で考えれば、私のライフワークが自分の残す遺産となることは幸せなことです」と続けた。
一方、テイラーは、6枚の再録アルバムのうち、彼女がブレイクするきっかけとなった2ndアルバム『フィアレス』の再録を今年4月にリリースした。オリジナル版は、米ビルボード・アルバム・チャート“Billboard 200”で彼女に初めての首位をもたらし、再録盤『フィアレス(テイラーズ・ヴァージョン)』も同チャートで初登場1位を獲得した。先週テイラーは、2012年の大ヒットアルバム『レッド』の再録盤を11月19日に発売することを発表したばかりだ。
2019年にテイラーは米ビルボードに対し、「自由を取り戻し、自分のものを取り戻すような気分になるので、楽しくなりそう」と再レコーディングのプロセスについて語った。「私が(これらの曲を)制作した時、どのように成長するかわかりませんでした。人々にとって何らかの意味があることを理解した上で(過去作を)再訪することは、実はファンが私の音楽のためにファンがしてくれたことを祝うとても美しい方法なのです」と彼女は述べた。
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