2021/06/21 12:00
米イリノイ州シカゴ出身のラッパー=ポロGの新作『ホール・オブ・フェイム』が1位に初登場した、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。
本作『ホール・オブ・フェイム』は、同チャート最高2位を記録した前作『ザ・ゴート』(2020年5月)から約1年ぶり、通算3作目のスタジオ・アルバムで、6位をマークしたデビュー作『ダイ・ア・レジェンド』(2019年6月)から3作連続のTOP10入り、そして自身初の首位を獲得した。4月9日にリリースした本作からの先行シングル「Rapstar」がソング・チャート“Hot 100”でNo.1デビューを果たし、アルバムのプロモーションに繋げている (4月24日から5月1日付チャート)。
『ホール・オブ・フェイム』の初動ユニットは143,000で、そのうちアルバム・ストリーミング(SEA)が124,000、トラックごとのユニット(TEA)が1,000、アルバム・セールスは18,000をそれぞれ獲得。週間再生数は1億8,190万回を記録した。本作には、ザ・キッド・ラロイやリル・ダーク、ロディ・リッチといった若手から、リル・ウェイン、ニッキー・ミナージュ、ヤング・サグなどの中堅、故ポップ・スモークなど人気アーティストが多数ゲストとして参加している。
続いて2位には米アトランタのヒップホップ・トリオ=ミーゴスの 『カルチャーIII』がデビュー。初動ユニットは130,500で、そのうちアルバム・ストリーミングが106,000、トラックによるユニットが2,000、アルバム・セールスは22,500だった。週間再生数は『ホール・オブ・フェイム』に迫る1億4,457万回を記録している。
本作は、6月11日に19曲のオリジナル盤が、6日後の17日には5曲を追加したデラックス・エディションがリリースされ、ストリーミング数を強めた。また、デジタル・ダウンロードの値引き効果もあり、2021年のチャートにおける現時点でのヒップホップ・アルバムの2番目に高い週間セールスを記録している。なお、1位は5月29日付チャートで1位に初登場したJ・コールの『The Off-Season』(今週10位)で、初週37,000枚を売り上げている。3番目には今週1位の『ホール・オブ・フェイム』がランクインした。
『カルチャーIII』はストリーミング、セールス共に好調だったものの、『カルチャー』(2017年)、『カルチャーII』(2018年)に続く3作連続の首位デビューは逃した。なお、本作には1位のポロGがゲストとして参加した「Malibu」という曲が収録されている。
オリヴィア・ロドリゴの『サワー』は先週の2位からから3位に順位を落としたが、登場4週目にして122,000ユニットと高記録を維持している。先週No.1デビューを飾ったリル・ベイビーとリル・ダークのコラボレーション・アルバム『The Voice Of The Heroes』は、ユニット数を52%減少の73,000まで落とし4位にダウン。モーガン・ウォレンの『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』は3位から5位に下降したが、先週と同率の50,000ユニットをキープした。
今週6位に初登場したのは、日本でも高い人気を誇る韓国のガールズ・グループ=TWICEのミニ・アルバム『Taste of Love』。初動ユニットは46,000で、そのうち43,000がアルバム・セールス、3,000がアルバム・ストリーミング(509万再生)だった。ストリーミングを除くセールスのみの記録では、今週最大の売り上げ枚数となる。高セールスを記録した主な理由は、パッケージの異なる複数のCDエディションをリリースしたため。週間セールス43,000のうち、39,000がそのCDによる売り上げだった。TWICEは、本作で同チャート初のTOP10入りを果たしている。
続いて7位には、先週の116位からジャンプアップした米マサチューセッツ州出身のコメディアン/ミュージシャン/俳優のボー・バーナムによる『Inside (The Songs)』がランクイン。週間ユニットは前週から330%増加の37,000を記録し、そのうち33,000がアルバム・ストリーミングと全体の9割を占めた。週間再生数は4,471万回を記録している。本作は、先週の集計期間最終日である6月10日にリリースされたため、初日のポイントが前週、残り6日分が今週に期間割れした。
本作は、5月30日から配信がスタートしたNetflixのミュージカル・コメディ・スペシャル『ボー・バーナムの明けても暮れても巣ごもり』によるコムパニオン・アルバムで、コメディ・アルバムにカテゴライズされる作品としては、米ペンシルベニア州出身のラッパー= リル・ディッキーの『Professional Rapper』が7位にデビューした2015年8月22日付チャート以来、約6年ぶりのTOP10入りとなる。
マルーン5の新作『ジョーディ』は今週8位にデビューし、グループ通算7作目のTOP10入りを果たした。初動ユニットは37,000で、そのうちアルバム・ストリーミングが20,000(2,764万再生)、アルバム・セールスが15,000、トラックごとのユニットが2,000だった。最高6位をマークした2002年のデビュー・アルバム『ソングス・アバウト・ジェーン』から7枚全てがTOP10にランクインしているが、現時点では本作の8位が過去最低順位となる。
6位『ソングス・アバウト・ジェーン』(2002年)
1位『イット・ウォント・ビー・スーン・ビフォー・ロング』(2007年)
2位『ハンズ・オール・オーヴァー』(2010年)
2位『オーヴァーエクスポーズド』(2012年)
1位『V』(2014年)
2位『レッド・ピル・ブルース』(2017年)
8位『ジョーディ』(2021年)
Text: 本家 一成
※関連リンク先の米ビルボード・チャートは6月25日以降掲載予定となります。
◎【Billboard 200】トップ10
1位『ホール・オブ・フェイム』ポロG
2位『カルチャーIII』ミーゴス
3位『サワー』オリヴィア・ロドリゴ
4位『The Voice Of The Heroes』リル・ベイビー&リル・ダーク
5位『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』モーガン・ウォレン
6位『Taste of Love』TWICE
7位『Inside (The Songs)』ボー・バーナム
8位『ジョーディ』マルーン5
9位『A Gangsta's Pain』マネーバッグ・ヨー
10位『The Off-Season』J.コール
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