2021/06/04 04:00
2021年上半期Billboard JAPAN総合ソング・チャート“JAPAN HOT 100”は、優里「ドライフラワー」が1位に輝いた。2020年8月にメジャー・デビューを果たしたばかりの優里による「ドライフラワー」は、2019年12月に配信された「かくれんぼ」で歌われた「彼女」のその後を、女性目線で描いたアフターストーリーだ。昨秋から大きくポイントを伸ばし続け、期間内の集計で累計ストリーミング数は2億7,585万5,527再生となり、昨年度の年間首位のYOASOBI「夜に駆ける」に続き、CDシングルのリリースがない楽曲の総合首位獲得となった。なお、他指標では、ダウンロード3位、動画再生3位、カラオケ1位、ラジオ36位、Twitter 43位を獲得している。
一方の「かくれんぼ」もリリース後からTiKTokで早々に注目を集め、2020年5月からストリーミングで300位以内を獲得し、その後ジリジリとストリーミング数を伸ばしていき、2020年10月25日に配信された「ドライフラワー」が爆発的にストリーミング数を伸ばす起爆剤となった。上半期では「かくれんぼ」も総合37位にチャートインしており、ストリーミング指標では期間内集計で8,287万5,042再生で27位、カラオケ指標では23位と、「ドライフラワー」と並んで認知されている楽曲となった。
続く総合2位はLiSA「炎」が獲得。爆発的な鬼滅ブームを牽引し、期間内集計で39万7,031DLをマークしダウンロード1位、ストリーミング4位、動画再生5位、シングル25位、ルックアップ3位、カラオケ2位、ラジオ10位、Twitter 19位という結果となった。2020年10月14日にリリースされて以来、通算8度の総合首位を記録し、今年度上半期総合首位は確実かとみられたLiSA「炎」。だが、4月以降徐々に順位を落とし、ストリーミング数を維持し続けた「ドライフラワー」に逆転を許す結果となった。ただその一方で、TV版主題歌「紅蓮華」もまた勢いは衰えず、TVシリーズ第二期の10月スタート内定が報じられたことも影響し、今年度上半期総合11位を獲得。どちらの曲も鬼滅ブームに何度でも押し上げられることは確実で、今年度年間順位ではまだまだ予断を許さない展開が見込まれる。
今年度上半期に台風の目となった楽曲はAdo「うっせぇわ」であるのは異論の余地はないだろう。2020年10月23日よりデジタル・リリースされ、その刺激的な歌詞とボーカル・パフォーマンスで俄然注目を集めた。動画指標では25位に初登場以降、毎週上位を守り続け、上半期2位、期間内集計で7,710万9,464再生を記録した。地上波TVの露出としては1月中旬から2月をピークに、情報番組や音楽番組にてピックアップ。それがストリーミングやダウンロード、動画再生などの各指標のポイントを更に押し上げる結果となった。新たな新曲もコンスタントにリリースされ、いずれも順調に数字を積み上げており、イヤーエンドでは上半期以上の結果が期待される。
昨年確立された、TiKTokやYouTubeに代表される動画サービスを媒介とした新人アーティストによる、ユーザー参加余地の大きい楽曲が一層勢いを増した2021年上半期。「うっせぇわ」のような非ラブ・ソングが上位に食い込むなど、バラエティに富んだラインナップになっている。これはコロナ禍が続き、可処分時間が増加する中、ストリーミングがアクティブ・ユーザーの主たる音楽“視聴”習慣として定着し、多様な楽曲にアクセスできるようになったことが大きな理由と考えられる。そして、昨年448億円規模へと急拡大させたオンライン・ライブ市場がストリーミングをドライブする事例が複数報告され、アフター・コロナを見据えて復興を目指す音楽業界の、コンテンツとライブ市場を繋ぐ新たな光明が見え始めている。
◎優里コメント
僕も毎週発表されるチャートを見て、こんなにたくさんの方が聴いてくれてるんだなと嬉しい気持ちになりましたし、まさか上半期の1位になるだなんてまったく想像もしていませんでした。すごくびっくりしていると同時に、とても嬉しいです。ありがとうございます。
【2021年上半期Billboard JAPAN HOT 100】トップ10
1位「ドライフラワー」優里
2位「炎」LiSA
3位「Dynamite」BTS
4位「夜に駆ける」YOASOBI
5位「うっせぇわ」Ado
6位「虹」菅田将暉
7位「Step and a step」NiziU
8位「怪物」YOASOBI
9位「廻廻奇譚」Eve
10位「群青」YOASOBI
集計期間:2020年11月23日(月)~2021年5月23日(日)
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