2021/05/30
2021年5月31日付のBillboard JAPAN週間“Top Albums Sales”で、藤井風『HELP EVER HURT COVER』が12,131枚を売り上げ、3位を獲得した。(集計期間2021年5月17日~2021年5月23日)。
『HELP EVER HURT COVER』は、一年前の2020年5月20日に発売されたデビューアルバム『HELP EVER HURT NEVER』の発売1周年を記念し、その初回盤のみに付随していたDisc2を復刻リリースしたもので、エド・シーランの「シェイプ・オブ・ユー」やテイラー・スウィフトの「シェイク・イット・オフ」等、洋楽カバー曲11曲が収録されている。また、『HELP EVER HURT NEVER』はBillboard JAPAN総合アルバムチャート“HOT ALBUMS”(2020年6月1日付)で1位を獲得し、その後も53週連続で“HOT ALBUMS”と“Top Albums Sales”にランク・インし続けるロング・セールとなっている。
ここではSoundScanJapanのセールスデータを使用し、『HELP EVER HURT COVER』が、どのように販売されたかを調査してみた。まず、本作の実店舗での地域別の販売比率をグラフ化したものが図1(http://www.billboard-japan.com/d_news/image/100439/2)である。また、一般的なアルバムの地域別の販売比率と比較するため、同集計期間(2021年5月17日~2021年5月23日)の全アルバムの地域別の販売比率を項目として追加している。
全アルバムと比較すると、関東地方や近畿地方、中部地方の大都市圏を含む地方では苦戦している。しかし一方で、北海道や中国地方、九州地方では全アルバムよりもかなり高い比率を示している。特に、出身地である中国地方では全アルバムが4.6%であるのに対して、『HELP EVER HURT COVER』は10.6%と非常に高い値を示している。
更に都道府県別に目を向けると、特に全シングルより多い販売比率となっているのは岡山県6.5%(以下かっこ内全アルバム:1.2%)、北海道8.1%(4.6%)、神奈川県8.0%(6.6%)あたりが目につく。ここでも出身県である岡山県が一般的なアルバムと比較して5倍以上という特に大きい比率となっている。また、中国地方の岡山県以外の県は、鳥取県0.4%(0.4%)、島根県0.3%(0.3%)、広島県2.3%(2.0%)、山口県1.0%(0.6%)という結果で、特に岡山県が突出しているという結果となっている。
北海道から九州まで全国的な知名度を得ている藤井風だが、特に出身地での絶大な支持を受けている事がわかった。また、『HELP EVER HURT NEVER』のロング・セールからわかるように現在も新規のファンを増やし続けているが、都市部で今後さらに人気を獲得する余地は十分にある。藤井風の今後の活躍に注視したい。
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