2010/06/04
このほど5/30締め最新のアルバム週間売り上げが発表され、トータル数が498万4,000枚であることが分かった。これは新作および旧譜カタログすべてを含んだ数字で、SOUNDSCANが1994年に統計を開始して以来最悪の週間売り上げとなり、落ち込み続ける数字にさらなる追い討ちをかける結果となってしまった。ちなみに昨年の同時期である5/31締めの週間売り上げ数は約576万枚で、統計史上最高の数字は2000年12月の週に記録した約4,540万枚となっている。
今回の過去最悪の売り上げによって、ここ10年に渡って落ち込み続けるメジャー・レコード会社のアルバム・セールスに加え、ツアー・ビジネスを始めとする音楽業界の核となる事業の数字は、相変わらず厳しい状況が続いていることが歴然となった。
また、SOUNDSCANが統計を開始した以前の時代とは売り上げ数を正確に比較する手段はないものの、BILLBOARDでは1970年代初期以降であればある方法によっておおよその比較が可能としており、今回の統計史上最低の成績を“1970年代初期以降、最低の週間売り上げ数”としている。
これについて詳しく解説すると、RIAAでは1973年からアルバム出荷数の統計を開始しているが、その記録によると1973年の年間アルバム総出荷数は3億8,820万枚で、1週間あたりに換算すると747万枚と想定される。一方、SOUNDSCANではアルバムを出荷数ではなく実売数で統計をとっているため、両者の統計数自体に開きがあるのは当然のことだが、BILLBOARDでは1992年〜2009年におけるそれぞれの数字を比較。すると出荷数は、平均して実売数の30%増しであることが分かったのだという。
そこで、この“30%増しルール”を1973年のRIAAによる出荷数データに当てはめてみたところ、同年の5月最終週の実売数はおよそ550万枚と想定され、やはり今年の同時期である最新週間売り上げよりも約60万枚も多いと考えられるのだそうだ。
しかし最新週における売り上げ激減のおもな要因は、たまたま大きなリリースがなかったせいだと考えられており、今月はSARAH McLACHLAN、MILEY CYRUS、EMINEM、JACK JOHNSONといった大物のリリースが控えているため数字の改善が期待できるという意見がある。
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