8/23、ニューヨークの小さなウェブスター・ホールで行なわれたNINE INCH NAILSのライブで、ファンはTRENT REZNOR率いるバンドが1994年の名作『THE DOWNWARD SPIRAL』を初めてアルバムそのままにプレイするのを目撃することができた。

NINは小さな会場を回る『WAVE GOODBYE』ツアーを行なっており、前夜もニューヨークの550人収容のバワリー・ボールルームでぎゅうぎゅう詰めのコンサートを行なったばかり。ウェブスター・ホールでは1000人強の観客が、バンドがステージに上がって一曲目の「MR.SELF DESTRUCT」を演奏する前から汗まみれになっていた。

REZNORとバンドが『DOWNWARD』を続けて演奏していることはすぐに明らかになった。彼は後に観客に向かって「あのレコードをまるまる全部
プレイしたいとずっと思っていた。今がそれをするいい機会みたいに思えるんだ」と語りかけた。

『DOWNWARD』にはもちろんNINの代表的シングル「CLOSER」が収録されている。前夜はこの曲が演奏されず、抑え気味の「HURT」で終了した。「HURT」は今やJOHNNY CASHの2002年のカバー・バージョンで有名になっている。

いったん『DOWNWARD』が終了すると、NINはアンコールなしでさらに10曲（「SUCK」、「THE HAND THAT FEEDS」そして1989年の大ヒット「HEAD LIKE A HOLE」など）をプレイした。

NINのさよならツアーは8/25、26、ニューヨークのターミナル5でも行なわれ、9/6にロサンジェルスのエコープレックスで終了する。当初、バンドはJANE’S ADDICTIONとの夏のツアー終了後にライブ活動を停止する予定だったが、時間の限られた昼間の公演が多かったため「あんなふうにNINを終わらせる気がしない」とREZNORは語っている。