アイスランドの火山噴火の影響でイギリスとヨーロッパにおける航空機の発着制限が拡大する中、多くのアーティストがツアーやプロモーション活動に支障をきたす事態に見舞われている。火山灰はヨーロッパ各地に広がっており、イギリスではすべての空港における発着便がキャンセルされ、フランクフルト、パリ、アムステルダムでも空港が閉鎖された。一方ローマとマドリッドでは、制限は一部にとどまっている。

まずは先週末、GARY NUMAN、THE CRIBS、FRIGHTENED RABBIT、BAD LIEUTENETなどイギリス在住の複数のアーティストが、アメリカへのフライトがキャンセルされたためにカリフォルニアで開催されたCOACHELLA FESTIVALへの出演が阻まれた。そして今度はアメリカからヨーロッパへ渡る便のキャンセルによって、アメリカのアーティストにも被害が拡大している。

MILEY CYRUSは渡航不可能の状況を受け、予定されていた主演映画『THE LAST SONG』のロンドン・プレミア自体がキャンセルされ、同じHOLLYWOOD RECORDS所属のアーティストで、シングル「NATURALLY」がイギリスのシングル・チャートで7位に初登場を果たしたSELENA GOMEZはヨーロッパで足止めを食らっている。

そしてシングル「OMG」がイギリスのシングル・チャートで1位に輝いたUSHERと、ADAM LAMBERTの2人も、ヨーロッパでのプロモーション予定をキャンセル。アメリカのインディー・ロックバンドTHE FEATURESもイギリス・ツアーを6月に延期した。

またBAND OF HORSESはヨーロッパから動けず、ビデオ撮影のためにロサンザルスを訪れる予定だったコロンビアのバンドLISSIEも、同様にヨーロッパで足止め状態にある。さらにオーストラリアのバンドPOWDERFINGERは、4/20にダブリンでスタートする予定だったイギリスとアイルランドでのさよならツアーを延期している。

一方、すでにアリーナ・ツアーのためにイギリス入りをしていたWHITNEY HOUSTONは、4/17、4/18、4/20にダブリンのO2アリーナで行われるライヴのためにカーフェリーでの移動を余儀なくされ、その後イギリスへ戻ってツアーを続行することになっている。そしてイギリスのシンガー・ソングライターNEWTON FAULKNERは香港から動けず、ヨーロッパでのツアー続行に支障をきたしている。

唯一、期待の持てる兆候としては、イギリスの運輸大臣が「今日の段階で火山活動が急速に沈静化したことが認められた」とBBCで公にコメントしたことである。