2011/01/18
音楽業界の異端児の中で、JAMES BLUNTほど礼儀正しい人間はないだろう。この世界に入る前には陸軍でキャリアを積み、1999年のコソボ紛争時には大尉としてNATO軍の戦車隊を率いたBLUNTは、将校クラスの上品さと控え目さを兼ね備えた言動ができる人物なのだ。
そんな彼に、すでに昨年11月に全世界でリリースされ、全米では1/18にようやくリリースが実現するサード・アルバム『SOME KIND OF TROUBLE』の中で最もお気に入りの曲について尋ねると、「TURN ME ON」という楽曲を1番に挙げた。
しかしこれまでのアルバムのレビューの中で、この曲の名前は登場していない。なぜなら同曲は、レコード会社が“不適切な楽曲”と判断し、レビューの対象には含めたくないとしてCDのプロモーション盤からは故意に削除していたからなのだそうだ。BLUNTによると、「一部の歌詞が、僕のファンたちが好む感情的にセンシティヴな内容にはなっていないとレコード会社が考えた」ためだという。
BLUNTが所属するレコード会社ATLANTIC U.K.は、この曲がU.K.版のプロモーションCDに収録されていないことを認めているが、削除した実際の理由については誰からも確認が取れていない。しかし実際のCD発売日に際し、BLUNTとATLANTIC U.K.は収録に関してようやく和解に達したのだという。それは、レコード会社の人間たちが“嫌っている”「TURN ME ON」を、12曲目の「I’LL BE YOUR MAN」の後ろ、つまりはアルバムの最後となる13番目に収録するという案だった。
「最後の最後に入れられることになったあの曲は不運な運命だったけど、ある意味“ハイライト”とも言える状況になった。だから僕にとっては満足のいく展開だったと思ってるよ」
そのほか、アップビートなソフト・ロック「SUPERSTAR」や、ダンス・フロアーにぴったりのナンバー「DANGEROUS」といった楽曲を収録した最新アルバム『SOME KIND OF TROUBLE』は、全世界で1,300万枚を売り上げた2005年のデビュー作『BACK TO BEDLUM』や、全米で463,000枚、イギリスで758,000枚を売り上げた2007年の前作『ALL THE LOST SOULS』とは趣の違った、BLUNTにとっては再出発とも言える作品になるはずだ。
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