1964年にBEATLESのパブリシスト、DEREK TAYLORは「2000年になっても子供たちは相変わらずBEATLESが好きだろう」と語った。「彼らの魔力は時間や年齢を超越している。世界中で愛されているんだ」。当時2000年は35年以上あとのこと。BEATLESの魔力はレコードになってまだ2年しか経っていなかった。ロック・バンドが共産国で聞かれることも考えられなかった。ひとつのバンドにそんな多くの人々が魅了されるわけがあるだろうか。

45年経った今もBEATLESは世界中で愛されている。『1』はこの10年間でもっとも売れたアルバム（1150万枚）になっている。彼らは2000年以来2830万枚のアルバムを売って、EMINEM（3200万枚）に続き2位になっている。先月発表された調査によると、BEATLESはあらゆる年齢層でもっとも人気のアーティストのひとつとされている。PAUL
MCCARTNEYはこの夏をスタジアムでプレイして過ごした。BEATLESのビデオゲーム『ROCK BAND』は『NEW YORK TIMES MAGAZINE』Mの表紙になっているし、彼らのリイシュー盤はこの秋のベストセラー商品になると見られている。

「仰天だよね」とMCCARTNEYは昔のバンドの人気について言う。リイシュー盤は今まででいちばんいい音だそうで「僕たちがその部屋にいるみたいに
聞こえるんだ」。

彼は『1』がこの10年にアメリカでもっとも売れたアルバムだということにも驚いている。「『1』には僕もずいぶん関わったんだ。あれが出たとき、多くの人たちが僕のところにやってきて『私の息子が“1”に夢中になっているんです』って言ってくれたよ。７歳ぐらいの子供だったりするんだよね。十分に準備したからあれはよく聞いた。良くできてると思うよ。入ってるべきでないようなものは一切入ってないように思えるからね」