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LUI◇FRONTiC◆松隈JAPAN 『JAPONiCA!!2』インタビュー
BiS解散から1ヶ月強。伝説化しつつあるアイドルグループのリーダーであったプールイは、1日たりとも休む間もなく次なるメインプロジェクト、自身がフロントマンを務めるLUI◇FRONTiC◆松隈JAPANの活動へ。何が何でも売らなきゃならないと云う新アルバム『JAPONiCA!!2』リリースに先駆け、42日間連続予約インストアマラソンに身を投じた。
解散の感傷に浸ることなく、LF松のヴィジョンを説明することもなく、とにかく目先の課題をクリアーすることに専念。それは“夢の続き”を見る為、見せる為に不可欠なアクションだった訳だが、そろそろプールイ自らが「最後のチャンス」と語る物語の輪郭をハッキリさせ、横浜アリーナで散り散りになった彷徨う魂たちへ道標を示し、シーン全体を挑発するべき頃合いだろうと感じ、このインタビューは敢行した。
プールイはBiSを経て、LF松でどこへ向かうのか。
「プールイがBiSの一部だったんじゃなくて、
BiSがプールイの一部だったんだな」
--プールイさん、ちょっと痩せすぎじゃないですか?
▲「サイ子」Music Video -LUI◇FRONTiC◆松隈JAPAN「JAPONiCA!!2」-
プールイ:全然そんなことないですよ! むしろちょっと戻っちゃったからヤバイなっていう感じ。
--先日、LUI◇FRONTiC◆松隈JAPAN(以下LF松)のインストアイベントにいた通りすがりのお客さんが「可愛いな。超細い!」と言っていて、ちょっと新鮮でした。
プールイ:えぇー! 私が「細い」って表現されることなんて今までない。「ぬいぐるみみたい」とか「着ぐるみっぽい」とは言われてきましたけど(笑)……恥ずかしい。だって、まだ全然ですもん。なんか、すみません。
--42日間連続予約インストアマラソン終了時点(8/20)で5キロ痩せてなかったら100kmマラソンとのことでしたが、走らなくて済みそう?(※このインタビューは、8/13に敢行)
プールイ:ちょっとね……五分五分って感じ。普段だったら「もう絶対ムリだろう」みたいな感じだけど、頑張らなきゃいけないんです。今、3kg落ちたり、そこから少し戻ったりしていて。一時期、50kgぐらいから46.3kgぐらいまで落ちたんですよ! そのときは「このままイケる!」って感じだったんですけど、地方遠征で菊池さん(マネージャー)が「ご当地もの食べに行こうよ」ってめっちゃ誘うんですよ(笑)。
--走ることになったら他のメンバーも全員走るの?
プールイ:そんな感じで今話してます。シンさん(小原just begun(b))は何故か乗り気です。「大丈夫っしょ!」みたいな。
--(笑)
プールイ:それにタケさん(テンペスト竹内(g))が「いや、おまえ、歳考えよ。ムリだろ!」みたいな。で、松隈さん(オプティマス松隈(g)/サウンドプロデューサー)は「ムリムリ。殺す気か」って言ってます。
--今までの100kmマラソンとの差別化を図るには、男性陣の参加は不可欠な気もしますけど(笑)。
▲BiS / "hitoribochi" Music Video
プールイ:でもね、今の事務所から100kmマラソン自体にNGが出たんですよ。「だからマストで45kgまで痩せなさい」っていう命令が下ってるんです! 「マストです」って怖いメールが届いて。もし100kmマラソンをやることになったら、何かあると大変だから、ちゃんといろいろ用意しなきゃいけないし。だから、ちゃんと痩せてくれっていう。
--BiSの100kmマラソンはプロのトレーナーもお医者さんも付かなかったけれども、今の事務所でやるとしたら全て用意しなければいけないと。何かあったときに責任取らなきゃいけない人の数も違うし。
プールイ:そう。道路の許可とかも。だから今の事務所はちゃんとしているんだなって。で、明日、社長の前で体重計乗らなきゃいけないからヤバイんですよ。ちょっと太ってるから。そんな感じなので「ダイエット成功しても100kmマラソンやるんじゃねーか」的な空気もありましたけど、なさそうですね。禁止令が下っているので(笑)。
--42日間連続予約インストアマラソンとか、5キロ痩せなかったら100kmマラソンとか、この手の企画を考えているのは、BiS時代ならマネージャーの渡辺さんでしたけど、今はプールイが考えてるの?
プールイ:100kmマラソンは完全に「勝手にやる」って言い出して、勝手に「ニュースにしてください」と言いました。BiS解散直後の【TOKYO BOOTLEG CIRCUIT'14】の日(7/12)。焦っていましたね、あのときは一番。なんか話題を作らなきゃって。今は他にも仕事入っているんですけど、当時はインストアイベント以外まっさらな状態で「これで満足だと思われてんのかな?」っていう焦り。「じゃあ、自分で話題を作らなきゃ」という焦りから変なことを言いました(笑)。
--また、7/27渋谷GARRETでのLF松ワンマンライブでは、松隈ケンタ改めオプティマス松隈が「日本武道館へプールイを連れて行きましょうよ!」と言い出す、感動的なシーンがありました。
プールイ:熱かったですね。嬉しかったですよ、そんな風に言ってくれて。しかも松隈さんが言ってくれることによって「あ、プーちゃんってメンバーやスタッフさんに愛されてるんだ?」となり、私の株も上がるという。そこまで私は考えてしまいましたね(笑)。でも本当に普通に嬉しかったですよ! そんなこと思っていてくれていたのかって。
--プールイの中でも目標は日本武道館なんですか?
プールイ:当面の目標。LF松は解散せず続くから、その先も行けたら行きたいと思っている。まぁその前にいろいろクリアーしないといけないこともありますけどね。いきなり武道館は行けないですから。
--BiSが目標に掲げるも達成できなかった夢ですよね、武道館は。ゆえのリベンジというか、やり残した感がプールイの中に強くあるということ?
プールイ:やり残した感はありますけど、そんなに考えてはいない。「BiSの夢を叶える為に私は行く」みたいなことは。もし武道館に立ったら恩着せがましくそういうMCはしますけど(笑)。感動させる為に一人芝居は打ちますけど、そこまで強くは想っていない。
--なるほど。
プールイ:最近になって「プールイがBiSの一部だったんじゃなくて、BiSがプールイの一部だったんだな」とも思うので。だからBiSが終わった実感とか感傷に浸ったりとかなかったんだろうなって。私が言うと嫌味に聞こえるかもしれないけど、それは他のメンバーにとっても多分そう。のんちゃん(BILLIE IDLE/ex.BiS)からしたってBiSは通過点であって、そんなに感傷に浸ってはいないと思うんですよ。次を見てるから、みんな。だからBiSっていうのは、自分の中にあっただけ? みんなが思っているのと逆のイメージでいるかもしれない、本人たちは。解散後のはっちゃけ具合を見ていてもそれは感じる。
--このインタビュー公開タイミングで動画をアップできればと思っているんですが、先日、BiSが終わっても私は武道館に立つ。その為の儀式を行いました。
▲プールイ(LUI◇FRONTiC◆松隈JAPAN)新たな夢へ向かう為の儀式
プールイ:「持ってるな」って思いました。最初、全然燃えなかったのにアノ部分だけ綺麗に残って……っていうのは「念って怖いな。武道館、怖いな」って思いました。なんか居るんだと思いますよ。
--格好良く言うと、武道館はプールイを待ってると?
プールイ:そうですよ! 待ってる! だから「そんなに立ってほしいか!立ってやるぞ!」と(笑)。
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Interviewer:平賀哲雄|Photo:山田準平
帰りに泣いちゃったんですよ、
のんちゃんと電車に乗ってて
--BiS解散から1ヶ月以上の月日が流れました。プールイさんはあの日から1日も休むことなくLF松の活動を続けているので、なかなか感傷や余韻に浸る時間もなかったと思うんですけど、実際に「BiS終わっちゃったな……」みたいな感覚は全くなかった?
プールイ:「BiS終わっちゃった、寂しい」みたいな感じは全くない。逆に「どうしよう? LF松をどうしていこう?」っていう気持ちが大きかった。そこは不安でしたよ。渡辺さん(BiSマネージャー)が前の彼氏だとしたら、柳さん(LF松運営)という新しい彼氏が現れて、やっぱり考え方もやり方も全然違うから。渡辺さんはその場で決める派じゃないですか、何でも。閃きで決めて、来る仕事は全部受けるスタンスだったし、断るってことは基本的にしなかった。それに慣れていたから「なんでこんなに仕事がないんだろう? BiSが終わるまでに本当は用意しておくべきだったのではないか。本当にこの人たちを信じていいのか?」って思っちゃって。
--苛立っていたと?
プールイ:苛立っていました。でも解消されました。柳さんとも喋って「僕はこういうやり方で行くから」って聞いて、その後からどんどん仕事も決まっていったから「じゃあ、大丈夫なのかな」って。まだ不安なところもありますけど、信じてないとやっていけないですからね、この仕事は。
--じゃあ、自分の中では切り替えられているんですか?
プールイ:まだ完全ではないですけど。渡辺さんから「大丈夫なの?」とか言われると不安になったり、元カレから連絡来てちょっと心が動いちゃう(笑)みたいなことはありますけど、まだ1ヶ月なんで。元カレもダメ男ではないので、ちゃんと的確なことを言っているときもあるし。だからそこは自分で決めようと思って。渡辺さんの言っていることが正しいと思ったら「ちょっと違うんじゃないですか」って言うし、その逆も然り。自分で判断して進んでいこうって。
--話を戻します。BiSが解散した7/8は、プールイの中でどんな1日だったんでしょう?
▲BiS / "FiNAL DANCE(Special Edit)"
プールイ:何にも変わらない1日でした。もちろん横浜アリーナのステージに立ったときは、夢みたいな3時間半で楽しかったですけど、本当に一瞬で過ぎた。
--【元BiSなりのワンマンライブ】があった7/9は、プールイの中でどんな1日だったんでしょう?
プールイ:7/8はあんまり寂しくなかったんですけど、7/9は寂しかったです。ライブは楽しいというか、好き放題言いたいこと言いまくって(笑)、好き放題なやり方でライブしたんで楽しかったんです。ただ、打ち上げで、スタッフさんとかいて、そこから帰るときがめっちゃ寂しかったです。「あ、もう会えないんだ」って思ったらちょっと泣きそうになって、何も言わずに帰りました。ひとりひとりと話し込んじゃうと危ないから。で、帰りに泣いちゃったんですよ、のんちゃんと電車に乗ってて。
--のんちゃんも?
プールイ:いや。「んー、寂しいねー」なんて言って帰りました。それから私は彼女と会ってないかもしれません。
--(笑)
プールイ:そう言えば、あれがのんちゃんと会った最後の日。
--で、7/10。BiSでの活動を完全に終えた翌日はどんな1日でした?
▲LUI◇FRONTiC◆松隈JAPAN「JAPONiCA!!2」新曲試聴動画~DEAR サビ~
プールイ:10日は朝からスタジオで。インストアイベント用のアコースティックライブの練習に全く入れていなかったんで、バンドの練習もして、アコースティックの練習もして、大変忙しかった。早速バタバタしてて「間に合わせなきゃ!」みたいな。あと、9日の悲しい別れを経て「Dear」(8/20リリース 2nd mini album『JAPONiCA!!2』収録曲)の捉え方がちょっと変わって。
--具体的には?
プールイ:最初はそんなに思い入れはなかったんですけど、すごく思い入れのある曲に変わりました。それは自分の中でですけど、まだ。これから活動を続けていったら特別な曲になっていきそうだなって。「変わることはみんな怖い だってドンドン遠く感じていくの」とかは、まさに今の自分の状況を歌っていると思ったし。書いたときはBiSをテーマにしていた訳でもなかったんでアレだったんですけど、BiSが終わってみて読んだら「めっちゃ今と当てはまる」と思って、歌いながら泣きそうになりました。
--そこから42日間休まず歌い続けていく訳ですけど、今はどんなことを考えたり、思ったりしながら日々生きているの?
プールイ:日々……オタクがなんかディスって「方向性決まってないから……」とか書かれると、「いや、決まってないから何? ゴチャゴチャ言ってねぇでついてこいや!」っていうぐらいイラっとはします。
--何にも変わってないじゃないですか(笑)。
プールイ:全然変わってないですよ! BiSだからこうだった訳じゃなくて、私の性格が元々こうだから何にも変わらない。それがさっき言った「BiSの中のプールイじゃなく、プールイの中にBiSがあっただけ」っていうことで、それが今はLF松になっただけだから変わらない。だから「BiSと変わらない」と言われたって、「それはあたりまえ」って開き直ってる。それで最終的に「あ、プーちゃんがそうだったんだ」って思ってくれたらいいかな、ぐらいに考えてる。別に「足りない」と思われるとも思ってないんですよ。
--「足りない」っていうのは「物足りない」っていうこと?
プールイ:うん。今は思うかもしれないけど……多分、自分で言うのもアレですけど、一番BiSだったし、みんながBiSと感じていたものは、プールイのそういうところだったのかなって思うから、私が走ってさえいれば、今は足りないと思うかもしれないけど、結局は「あ、そうだったんだ」って思ってもらえる。それは元メンバー全員に言えるかもしれない。「BiSのこの部分はこの娘のものだったんだ」みたいな感じで。
--実際、現時点では「足りない」って言われてるんですか?
プールイ:思っていたより全然言われてないです。もっと言われると思っていたんですけど、私たちもいろいろ考えてやってはいるので。アコースティックライブも最近は余裕ができてきたんで、「あ、ここはこう歌おう」とか「こうやって変えよう」とか「フェイク入れてみよう」とか。それが面白い。「歌うの、好きだったな」って思い出しましたね。BiSのときは忙しすぎるし、声枯れてるし、全然歌えなくて「うわぁ……」って思うときもあったんですけど、今は「歌うのって楽しい」って思うようになりました。
--ちょっと恥ずかしいぐらいピュアな気持ちが……
プールイ:戻ってきた! だから「顔が優しくなった」とか言われるんですよ。BiSは気を張ってただけなんですけどね。
--シンガーに戻ってきた?
プールイ:そう言い切れるか分かんないんですけど、そういうことを思える余裕が出てきた。ただ、ひとりカラオケでインストアイベントをやるときは、開き直ってるところがあります。「バンド組んだのに、なんでひとりで歌わなきゃいけないの?」っていう気持ちはもちろんあるんですけど、私のバンドだし、私が引っ張らなきゃいけないし、今回のアルバム『JAPONiCA!!2』が売れなかったら「あ、BiSじゃなくなったら売れないんだ?」って一番思われるので。だから今作はどうしても売らなきゃいけないからひとりでもやる。ただ、最初は42日間全部ひとりでやる予定だったんですよ! でもタケさんとシンさんが好意で……
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Interviewer:平賀哲雄|Photo:山田準平
私は渡辺さんの元を離れるから渡辺さんに負けたくない
--参加してくれたと。
プールイ:私がポロっと愚痴ったら、「そうだよね。俺ら行けるときは行ってアコースティックライブやるから」って言ってくれて、ああいう形になったんです。それは嬉しかったです。42日間ずっとひとりでやってたら、私もどうしていいか分からなかったと思うし、耐えられなかったと思いますね。来てくれる人の目線というか、言われることに対して。
--まぁでもひとりカラオケでインストアイベントやってるときも、最低限の環境で何がやれるか考えてますよね。客席突っ込んでいったり、みんなと肩組んでみたり、踊ってみたり。
プールイ:カラオケのときはプールイひとりのステージとして楽しんでもらえるようにしてます。カラオケだから逆に出来ることもあるし、別に踊っちゃってもいいと思うし、客席突っ込んでも、みんなと肩組んでもいい。それはBiSで学んだことだと思う。その前のソロ時代は何も出来なかったし、だからつまんないって言われたし、終わったし。親も「つまんない」って言ってましたからね。しかも最近になって「ぶっちゃけさ、BiSのライブは結構行きたかったんだけど、ソロのときは嫌々行ってたんだよね。いつも内容一緒だし」って。「うるさいよ、おかん」って思いましたけど(笑)。
--でも今は「何か残してやろう」という気持ちが常にある?
プールイ:ありますね、わりと。気分がどうしても乗らない日もありますけど、でもそんなときでも最低限来てくれた人は楽しませようって思う。それがすごくテンション上がって外に向く日もあるし、そのさらにもっと外に向くときもあるし。
--例えば【TOKYO IDOL FESTIVAL 2014】(以下TIF)まで行っちゃったり?
プールイ:そうですね。本当にあれは行き当たりばったりで行って。迷っていたんですよ、あの日はインストアイベントで2ステージやって疲れちゃって。しかも気持ち良く歌えたので「このまま帰って寝たい」ぐらいな感じだったんですけど、チラシ持ってるし、人があんなに集まってるし。で、TIFじゃないと、私が行ったところで相手にしてもらえないんで。言われたんですよ、「バンドじゃないの? だったらロッキン、ひたちなか行けよ」みたいな。でも私が今ひたちなか行ったところで誰も振り向いてくれないんですよ! 今、振り向いてくれるのはアイドルファンしかいないって分かってるから、まずそこを取りに行かないとバンドシーンにさえ行けない。それは一番分かってるから。それをみんなは分からないのも分かるし、「なんでTIFに行くの?」っていう気持ちも分かるけど、売る側として考えたらTIFに行くことを選ぶ。
--「自分で何とかしなきゃ」って感覚は、BiS時代より明らかに高まってますよね?
プールイ:高まってます。渡辺さんはもうマネージャーじゃなくなったから。で、負けたくないし。BiSの元メンバーがみんな動き出して、BILLIE IDLE(元BiSのヒラノノゾミ&ファーストサマーウイカが参加/NIGO&渡辺淳之介プロデュース)のことも知らなかったし! みんなと同じタイミングで知ったから。
--横アリで知ったんだ?
プールイ:そう、横アリで知って「え、渡辺さんがやるの? NIGOさん? やばいじゃん! 放っておいても楽しいじゃん!」って思ったし、プラニメ(元BiSのカミヤサキ&いずこねこのミズタマリによるユニット/マネージャー:渡辺淳之介)に関しては、サキちゃんと渡辺さん。渡辺さんにとってのプールイが次はサキちゃんになると思ったときに「絶対負けない!」って思ったし、テンコは……フリーだからそんな風に考えてないですけど。あと、コショージ(元BiSメンバー/book house girlメンバーとして今秋始動予定)はコショージだから自由にやってくれっていう(笑)。とにかく私は渡辺さんの元を離れるから渡辺さんに負けたくない。それは大きい。
--渡辺さんが仕掛けるプロジェクトには勝ちたい?
プールイ:そうそう。だからbook house girlに対しては、BiS時代も他のアイドルグループに対してそうだったように敵対心はない。「頑張ってね」っていう風に見れる。プラニメやBILLIE IDLEに対しても「頑張ってね」って思うけど、絶対に負けたくない。
--そういう意味では、渡辺さんと今の関係性になれてよかったのでは?
プールイ:そうですね。巣立っていきました。落ちるかもしれないですけど。ただ、渡辺さんはLF松のメンバーではあるから。
--そこ、複雑だよね(笑)。
プールイ:だから複雑なんですよ。元カレを捨てきれないっていう。しかも良いことも言うし、間に入ってくれることもあるから。アドバイスをくれたりするんですよ。「今カレと上手くいってないんだよね」って言うと、「おまえは……」って元カレだからできるアドバイスをくれる。だから負けたくはないけど「プイッ!」って感じではない。こんなこと言ったら渡辺さんはプライド高いから怒ると思うけど、私が売れたら助けてあげたいとも思う。逆に「プラニメが売れたら助けろよ」とも思いますけど(笑)。嫌いとかではないから、その為にも頑張りたい。恩返しじゃないですけど。
--研究員(BiSファンの総称)は、LF松をどう見てると思いますか?
プールイ:「バンドじゃねぇ」とかディスる人もいますけど、すごく少なくなったから。LF松が動き出した2月はもうディスる人しかいなかったんですよ。当時のLF松がダメだったから仕方ないんですけど、私たちの問題なんですけど、だからめっちゃディスられたし、ツイッターとか酷かったし。「やる意味あんの?」とか「方向性がわかんない」とか。「楽しかった」って人もいたけど、そういう人も意見がひっくり返っちゃうぐらい。で、BiSもぐちゃぐちゃしてた時期だったから「私が今つまんないから、BiSはつまんないって言われるし、LF松もつまんないって言われる」って思って、もう自信喪失みたいになっちゃって、本当に底辺まで落ちましたね。
--そのLF松がゼロ……マイナスだったかもしれないけど、それが少しでもプラスに転じていけたのはどの時期だったの?
プールイ:BiSのラストツアーでオープニングアクトとして廻らせてもらったことで、ちょっとずつ変わっていった。私がBiS中心で動いていたからLF松のメンバーとも打ち解けられないでいたんですけど、ツアーを廻るってなると嫌でも会うじゃないですか。それで一緒にいる時間が増えたから。
--あれも前代未聞でしたよね。これから解散していくグループのリーダーとしてツアーを廻りながら、解散後メインとして活動していくバンドのメンバーとしてオープニングアクトを務めるっていう。
プールイ:だから最初は怖かったですけどね。だって、私がBiSのお客さんだったら嫌ですから。「プーちゃんだけなんでそんなに優遇されてんの?」とか思う人がいるのも分かってたし、しかも2月にコケてるから。でも逆にダメ過ぎたから吹っ切れたところはある。「もうこれ以上落ちないだろ!」みたいな感じで。反省会もして「もっとこっちが引っ張らないとダメだね」っていうのも分かったし、そこでちょっと変わった。一番変わったのは、42日間連続インストアマラソンが始まってからですけどね。
--僕はプールイにとってBiSは全てだと思っていたんですけど、その穴はLF松で補えるものなの?
プールイ:全然、これからそうしていけばいいかなって思ってる。最初は足りないと思ったから、自分で何とかしなきゃってやたらめったら動いたりしたんですけど、柳さんと話して、よく考えたら私が目指しているヴィジョンは、柳さんが目指すものに一番近いなと思って。
--具体的に言うと?
プールイ:サブカルになりたいけど、別にアングラなサブカルになりたい訳じゃなくて、私が好きなものって全部メジャーなものだから。で、自分の夢も全部メジャーなものだったんですよ。BiSで出逢えた人たちも凄かったし、出逢えてよかったなと思うんですけど、自分を見つめ直したときに私が一番会いたかった人とか、一番混ざりたかったところとか、一番出たかった雑誌や番組はやっぱり違っていて。だからプラスに考えてるんです。LF松はまだそこへ行ける余地があるというか。
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Interviewer:平賀哲雄|Photo:山田準平
“夢の続き”信じてさえくれれば連れて行く自信はある。
--それこそBiS結成のずっと前、歌手としてデビューする前に夢見ていた世界へと、このチームでは辿り着けるかもしれないと思っている?
プールイ:そうです! でもそれはBiSをやったから手に入れられたものだから、BiSでやったことは全く後悔していなくて。むしろBiSにプールイが最初からいて、プールイが引っ張ってきたっていう風に思ってもらえてるから、ここからは別に変なことをしなくても「格好良い」って思われるし、そういった意味で良かったなと思ってます。
--では、今は歌うことの楽しさを思い出したり、子供の頃の夢を思い出したりっていう、かなりピュアな気持ちで活動できていると。
プールイ:そんな感じですね。面白く言ったら、私が出たかったのは『ミュージックステーション』だったな! サブカルの、自主制作の映画じゃなくて、TOHOシネマズで主題歌が流れることを目指してたな!っていう。それがプールイ個人の夢だったから、それが出来そうだから良いなって。
--ただ、「プールイごときがそんなところに行けると思ってるのか?」という声も出てくると思います。
プールイ:そんなのは昔からあるから「黙って見ておけよ」みたいな。私が落ちたとしても君たちはそれを笑ってればいいじゃん。落ちたとしても這い上がってくるけどね。そう思う。
--自分自身はそこに行けるって信じられている?
プールイ:私、バカなんで信じられるんですよ。バカで良かったなって思います。しかも占いの結果が素晴らしかったですから。「24歳でブレイクする」ってゲッターズ飯田さんにも、イヴルルドさんにも言われてる。「今年の夏、8/20の誕生日以降に運気がマックス」って言われていて。11年間、暗黒時代だったらしいんですけど、BiSのときにだんだん良くなってて、横アリには間に合わなかったんですけど、運気が回復すると。
--というか、暗黒時代にあそこまでやれたのが凄い(笑)。
プールイ:逆にね(笑)。だからこれからどうなっちゃうんだろう?って。でも実際に助けてくれる人がBiSでの活動を経て増えてるし、面白がってくれる人も増えているので。私はずる賢いから。ファンが求めていることをやっているフリして、実は頑張ってるアピールだったりして、それはBiSのときからわざとやっていた部分でもあるんですけど。だって、そうやって大人に好かれないと、どんなに良いことをやっていたとしても今は売れないじゃないですか。助けてくれる人がいなかったら売れないし、私なんか本当に何もないから。だから応援してくれる人を増やすということだけを私は頑張ってきた。でも今はバンドをやっている訳だから、自分の表現とかも突き詰めていこうと思ってる。そういう時間もBiSよりは増えると思うんです。それはお仕事を選んでくれる人もいるし、「やたらめったら打つんじゃなくて、要所要所で考えていくし、ちゃんと決めるところは決めるから待ってて」って。
--心強いですね。LF松というバンド自体はプールイの中でどんな存在になっているの? もしくはどんな存在になってほしいと思っていますか?
プールイ:私はすぐ人を信じるんですよ。だからシンさんもタケさんも松隈さんもすごく好きになっちゃってるし、シンさんもタケさんも一回バンドで失敗してるじゃないですか。そういうところもあるから、バンドで売れたい。このバンドをやりたい。解散とか別に考えていないんで、またいつかそういう時期が来るかもしれないですけど、このバンドで成功したい。私ももう女の子としては若くないし、望みがあるのは今なので。で、BiSでやってきたことが残ってる。また3年後に新しく何かやるってなったら今より凄く大変になるから、そういう意味でも、私は最後のチャンスだと思ってるし。
--BiSの物語に立ち上げ前から解散まで携わっていたのはプールイですし、BiSの“夢の続き”を誰よりも濃厚に体感させてくれるのは、普通に考えたらプールイだと思うんですよ。ゆえに「私を見てくれ」っていう気持ちはなきにしろあらずなのかなと思うんですが、どうですか?
プールイ:ありますよ。才能とかはないんですけど、別に。歌がすごく上手いとか、良い曲が書けるとか、独特な世界観の詞が書けるとか、そういうのはないんですけど、なんかね……なんか上手くいっちゃうんですよね! なんか持ってるとは思うんですよ。それは私が持ってるんじゃないかもしれない、もしかしたら。みんながヨイショヨイショってしてくれて辿り着いてるのかも。ただ、私はめっちゃ不器用だから、何かムカつくことを言われたらカッとしてファンでも誰でも言い返したりとかするんですけど、一番楽しい想いはさせてあげられるし、信じてさえくれれば連れて行く自信はある。一番早く、凄いスピード感で。2ndストーリーとしては一番良いよ!
--それはどんなストーリーなんですか?
プールイ:何にもない少女がスキャンダラスな活動をしてきて、その次は……幸せになるストーリーですね。
--(笑)
プールイ:いいじゃないですか! ハッピーで終わりましょうよ! そのストーリーの途中でいなくなる人もいるかもしれない。でもそういった人にも嫌でも映えるような存在になろうというプロジェクトなので、今回は。「見てろよ」って思います。
--そんなLUI◇FRONTiC◆松隈JAPAN。まず日本武道館を目指すことは分かったんですが、いきなり武道館には行けないじゃないですか。という訳で、運気が良くなる24歳のうちに達成したい目標を掲げてもらえますか?
プールイ:来年の夏、25歳の誕生日にZeppに立ちたい。Zeppでバースデーライブをやりたい。あと、来年は自分の力でフェスに行く。アイツら(おそらく元BiSメンバー)が飲んだメロンジュースを私は自分の力で飲む。
--気にしてたんですね(笑)。
プールイ:来年は出演者としてメロンジュース飲みますよ。あのメロン半分に切って、くり抜いて、ソーダの上にアイス乗ってるやつ。ちょ……あれ……なんか美味しそうじゃないですか! 入れ物が丸ごとメロンですよ? 飲みたい! でも人のパスで行ったらあのメロンジュースは飲みません!
--(笑)
プールイ:で、再来年の夏ですかね。それぐらいまでには日本武道館に立てるように頑張りたいと思います。
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Interviewer:平賀哲雄|Photo:山田準平
JAPONiCA!!2
2014/08/20 RELEASE
XQJZ-1031 ¥ 1,528(税込)
Disc01
- 01.サイ子
- 02.Dear
- 03.I’m with you~シーソーゲーム~
- 04.ASCENDING
- 05.Drizzle
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