Special
ジョン・マッケンタイア x Gotch オープン・レター・プロジェクト
アーティストやクリエイターがお互いにメッセージを送り合うオープン・レター・プロジェクト。今回は5月にビルボードライブで来日公演を行うポスト・ロック・バンド、トータスの中心人物ジョン・マッケンタイアと彼に初のソロ・アルバムのミックスを依頼したASIAN KUNG-FU GENERATIONのボーカル&ギターを担当するGotchが登場。
Hi John,
今回は僕のアルバムで、素晴らしいミックスをしてくれてありがとうございました。
あなたのキャリアからすれば、このような素晴らしい仕事をしてくれるということは疑う余地のないことですが、加えて、近年のあなたの仕事のいくつかに僕はとても感動して(パステルズやヨ・ラ・テンゴやブロークンソーシャルシーン)、アルバムのミックスをお願いしました。きっと素晴らしい作品になるだろうと考えました。その予感が見事に的中して、僕はとても幸せです。
世の中の、所謂メインストリームで鳴っている音楽が(特に日本では顕著だと感じます)、全ての音が耳元に張りつくように加工され、音圧戦争とも言えるような現象のなかで、あなたがパステルズやヨ・ラ・テンゴで行ったようなミックスは緻密で、奥行きがあって、とても豊かだと感じます。
時代の潮流とは関係なく、このような素晴らしい仕事を続けるための哲学、とくにミックスや音作りにおいて、あなたが一番気をつけていることは何でしょうか?
追伸。
SOMAでの作業のあと、僕はホテルに戻ってから発熱して、そのまま2日間ホテルで寝込みました。笑。
しかも、寒波が到来した極寒のシカゴ…。
また気候の良い時期にシカゴへ行ってみたいです。
では。
Gotch
『Can't Be Forever Young』トレイラー映像
プロフィール
Gotch 1976年生まれ。ASIAN KUNG-FU GENERATIONのボーカル&ギターであり、全ての作詞とほとんどの作曲を手がける。これまでにキューンミュージック(ソニー)から7枚のオリジナル・アルバムを発表。2010年にはレーベル「only in dreams」を発足させ、webサイトも同時に開設。2014年4月リリースのソロとして初のオリジナル・アルバム『Can't Be Forever Young』は後藤本人が多彩な楽器をプレイし、ジョン・マッケンタイアがミックスを手掛けている。
ジョン・マッケンタイア 1970年生まれ。1990年にシカゴのインディ・ミュージシャンたちとともにトータスを結成し、1994年にアルバム『トータス』でデビュー。ジャズ/アンビエント/エレクトロニカ/ハウス/ダブなど様々な音楽要素を交配したインストゥルメンタル・サウンドで、“シカゴ音響派”と呼ばれる独自の前衛音楽コミュニティを牽引。プロデューサー/エンジニア/ミキサーとして多数のミュージシャンの作品に携わっている。
リリース情報
Can't Be Forever Young
- Gotch
- 2014/04/30 RELEASE
- only in dreams
- [ODCP-6 定価:¥2,300(tax in.)]
- 詳細・購入はこちらから>>
来日公演情報
Tortoise Billboard Live Tour 2014
ビルボードライブ東京:2014/5/7(水)~5/8(木)
>>公演詳細はこちら
ビルボードライブ大阪:2014/5/10(土)
>>公演詳細はこちら
INFO: www.billboard-live.com
関連リンク
Dear Gotch,
連絡ありがとう、そんな風に言ってくれて嬉しいよ。君とのミキシングを楽しめた理由はたくさんあるけれど、その一つは今主流となっている、曲を出来る限り多くのトラックで埋め尽くすことをしなかったからだ。信じられないだろうけど、これまで125、150、またはそれ以上トラックがあるプロジェクトのミックスを何度依頼されたことか。個人的に、クリエイティヴィティーを窒息してしまうと思うんだ。みんなが8トラックで素晴らしい作品を作り上げていた時代が懐かしいよね。
ザ・パステルズやヨ・ラ・テンゴに関する君の考えは正しいが、でもある意味、僕は物事を円滑に進める“ファシリテーター”でしかなかった。両グループともダイナミックで素晴らしいアレンジを施すセンスに元々長けてるから、僕はそれを邪魔せず、セッションで起こっていたことを的確に、そして引き立たせるように捉えるだけだった。
とは言え、こういった状況ばかりではない。たとえば、ブロークン・ソーシャル・シーンやティーンエイジ・ファンクラブの作品は、まったく異なるアプローチが必要で、それが曲ごとに違う場合もある。だから僕の哲学は、各プロジェクトに対してどのやり方が一番適しているのかを見つけ出し、それを自分の能力を駆使して具現化するかなんだ。
今年は特に酷くて、過去最悪な冬の一つだったね。4月と9月に何日か天候がいい日はあるけれど、それぐらいだね。
Cheers
John
"Prepare Your Coffin" Music Video
プロフィール
Gotch 1976年生まれ。ASIAN KUNG-FU GENERATIONのボーカル&ギターであり、全ての作詞とほとんどの作曲を手がける。これまでにキューンミュージック(ソニー)から7枚のオリジナル・アルバムを発表。2010年にはレーベル「only in dreams」を発足させ、webサイトも同時に開設。2014年4月リリースのソロとして初のオリジナル・アルバム『Can't Be Forever Young』は後藤本人が多彩な楽器をプレイし、ジョン・マッケンタイアがミックスを手掛けている。
ジョン・マッケンタイア 1970年生まれ。1990年にシカゴのインディ・ミュージシャンたちとともにトータスを結成し、1994年にアルバム『トータス』でデビュー。ジャズ/アンビエント/エレクトロニカ/ハウス/ダブなど様々な音楽要素を交配したインストゥルメンタル・サウンドで、“シカゴ音響派”と呼ばれる独自の前衛音楽コミュニティを牽引。プロデューサー/エンジニア/ミキサーとして多数のミュージシャンの作品に携わっている。
リリース情報
Can't Be Forever Young
- Gotch
- 2014/04/30 RELEASE
- only in dreams
- [ODCP-6 定価:¥2,300(tax in.)]
- 詳細・購入はこちらから>>
来日公演情報
Tortoise Billboard Live Tour 2014
ビルボードライブ東京:2014/5/7(水)~5/8(木)
>>公演詳細はこちら
ビルボードライブ大阪:2014/5/10(土)
>>公演詳細はこちら
INFO: www.billboard-live.com
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Dear John,
100を超えるトラックの話は、日本のエンジニアたちからもときどき聴かされます。
でも、僕には100も150も重ねないといけないような音のひとつひとつがどんなものなのか、全く想像がつかないです。10代の頃から長らく、ロックバンドというフォーマットで楽曲制作を繰り返してきて、しかもなるべくシンプルなものを心掛けてきたし、足すことよりも引くことの難しさを味わうことのほうが多かったし、何より隙間や余白を僕は愛してきたので、自然と必要以上のものを録音しないような習慣がついてしまいました。もっとも、100トラックの音源を作るひとにとってはそれが必要だということなのかもしれないけれど…。
100や150ものトラックで埋め尽くしてしまうのは、一体どういうメンタリティで発動するんでしょうね。ある種の臆病さなのか、神経質なのか。あるいは再現なくダビングすることが出来る環境が担保した行為なのか。いろいろ考えます。
そういえば、最近、アナログテープで演奏を録音したのだけれど、とても楽しかったです。スタジオにテープの在庫が1本しかなくて、物理的に録音できるのは2テイクのみ。かなり緊張感の高い現場だったけれど、それでも僕たちはファーストテイクで素晴らしい演奏をテープに納めることができました。これぞ音楽!というような瞬間で、僕はとても嬉しかったです。
緻密にデザインされた音像も好きだけれど、こういったプリミティブな瞬間を記録することも、レコーディングというアートフォーマットの魅力のひとつだと僕は思います。音というよりは空気の振動を収めるというか。もっとも、そのふたつは同じ意味ですけれど。
来日公演を楽しみにしています。
Gotch
"Humanoid Girl / 機械仕掛けのあの娘" Music Video
プロフィール
Gotch 1976年生まれ。ASIAN KUNG-FU GENERATIONのボーカル&ギターであり、全ての作詞とほとんどの作曲を手がける。これまでにキューンミュージック(ソニー)から7枚のオリジナル・アルバムを発表。2010年にはレーベル「only in dreams」を発足させ、webサイトも同時に開設。2014年4月リリースのソロとして初のオリジナル・アルバム『Can't Be Forever Young』は後藤本人が多彩な楽器をプレイし、ジョン・マッケンタイアがミックスを手掛けている。
ジョン・マッケンタイア 1970年生まれ。1990年にシカゴのインディ・ミュージシャンたちとともにトータスを結成し、1994年にアルバム『トータス』でデビュー。ジャズ/アンビエント/エレクトロニカ/ハウス/ダブなど様々な音楽要素を交配したインストゥルメンタル・サウンドで、“シカゴ音響派”と呼ばれる独自の前衛音楽コミュニティを牽引。プロデューサー/エンジニア/ミキサーとして多数のミュージシャンの作品に携わっている。
リリース情報
Can't Be Forever Young
- Gotch
- 2014/04/30 RELEASE
- only in dreams
- [ODCP-6 定価:¥2,300(tax in.)]
- 詳細・購入はこちらから>>
来日公演情報
Tortoise Billboard Live Tour 2014
ビルボードライブ東京:2014/5/7(水)~5/8(木)
>>公演詳細はこちら
ビルボードライブ大阪:2014/5/10(土)
>>公演詳細はこちら
INFO: www.billboard-live.com
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Dear Gotch,
返事ありがとう。そう、そうなんだよ…トラックが必要以上に多い曲が常習化してる。多くの場合、過剰で、個人的に一つのギター・テイクから5つものトラックを作る必要はないし、賢明だとは思えない。ミキシングする際に、トーンのオプションがあることはいいことだと思うけれど、実際問題、厄介でしかない。最大2、3あれば充分だ。キーなんかに関しても同じさ…好きなサウンドを見つけて、それをレコーディングすればいい。6種類もヴァリエーションなんて必要ない。グダグダとゴメン…。
これは僕がアナログを惜しむ一つの理由でもあるが、惜しまない理由も数多くあるから、今はアナログでのレコーディングは行っていない。とは言え、サウンドやテイクに即座に身を任すことができるのは素晴らしいことだ。それに皆の思考もまったく変わってくるから、結果として作業も早く進み、ある意味ではリミットがあることで、自由になれる。
君がアナログ・レコーディングを行った話は、これを完璧に体現してる。限られた編集環境の中で、いいテイクを録らなければならないと、演奏する方も身が引き締まる。デジタル世代が生み出したある種の“感情麻痺”には、ぞっとするが、共に生きざるを得ないということなんだ。
すごくネガティヴな話に聞こえたらすまない。僕らが現在持ち得るテクノロジーのクリエイティヴ面においての能力は本当に素晴らしく、(コンヴァーターなどの)サウンド面の品質もやっと伴ってきた。現代は音楽をプロデュースするのに最高の時代だ、でも注意は必要だね!
See you soon!
Cheers
John
"Gigantes" (Live on Don't Look Down)
プロフィール
Gotch 1976年生まれ。ASIAN KUNG-FU GENERATIONのボーカル&ギターであり、全ての作詞とほとんどの作曲を手がける。これまでにキューンミュージック(ソニー)から7枚のオリジナル・アルバムを発表。2010年にはレーベル「only in dreams」を発足させ、webサイトも同時に開設。2014年4月リリースのソロとして初のオリジナル・アルバム『Can't Be Forever Young』は後藤本人が多彩な楽器をプレイし、ジョン・マッケンタイアがミックスを手掛けている。
ジョン・マッケンタイア 1970年生まれ。1990年にシカゴのインディ・ミュージシャンたちとともにトータスを結成し、1994年にアルバム『トータス』でデビュー。ジャズ/アンビエント/エレクトロニカ/ハウス/ダブなど様々な音楽要素を交配したインストゥルメンタル・サウンドで、“シカゴ音響派”と呼ばれる独自の前衛音楽コミュニティを牽引。プロデューサー/エンジニア/ミキサーとして多数のミュージシャンの作品に携わっている。
リリース情報
Can't Be Forever Young
- Gotch
- 2014/04/30 RELEASE
- only in dreams
- [ODCP-6 定価:¥2,300(tax in.)]
- 詳細・購入はこちらから>>
来日公演情報
Tortoise Billboard Live Tour 2014
ビルボードライブ東京:2014/5/7(水)~5/8(木)
>>公演詳細はこちら
ビルボードライブ大阪:2014/5/10(土)
>>公演詳細はこちら
INFO: www.billboard-live.com
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