Special
たむらぱん×YUKA(moumoon)対談インタビュー
J-POPの到達点とも言えるアルバムを奇しくも同タイミングで完成させた2組をブッキングしたところ、幾つものシンクロニシティが。どこのブームにもシーンにも属さないミュージックモンスターガールたちの生き様。ぜひご覧ください。
2人の出逢い「自由だから。すごく好きなんです。好き。」
--たむらさん、昨年9月 moumoonの中野サンプラザ公演【FULLMOON LIVE SPECIAL 2013 ~中秋の名月~】で遭遇しましたよね。どういった経緯でこの2組は知り合ったんでしょう?
▲moumoon / 「FULLMOON LIVE in TOKYO TOWER」ダイジェスト
YUKA:音霊のイベントで一緒になったんですけど、その前からお互いのライブに行き来していて、私が一番最初に行ったのは代官山UNITのワンマンかな? ツアーの初日だったの。
たむらぱん:あれってなんで来てくれることになったんだっけ?
YUKA:単純に私が行きたくて……
たむらぱん:そのとき、連絡は取り合ってたんだっけ?
YUKA:そのときに「行かせてください」って……あ、連絡は取り合ってたと思う。
--最初の出逢いはいつなんですか?
たむらぱん:今そこを探ってる(笑)。誰か繋がりだよね? きっと。
YUKA:うーん……どこだったんだろう?
たむらぱん:全然思い出せない。
--前代未聞ですよ。どう出逢ったか誰も説明できない対談って(笑)。
YUKA:どうしよう!?
たむらぱん:縁があった。
一同:(笑)
--YUKAさんはたむらぱんのライブへなんで行きたいと思ったんでしょう?
YUKA:元々たむらぱんというアーティストの存在は知っていて、夏の野外フェスで一緒になったときにステージを観たことがあったの。広~い草原みたいなところで、緑がわっさ~ってなっているところで自由に歌っているぱんちゃん(たむらぱん)のライブを観て「わーい」って思って。そしたら私のマネージャーさんがぱんちゃんのスタッフさんと知り合いだったので、ちょっとずつ「ライブに行きたいんですけど」みたいな感じになっていった。
--まずライブに魅了され、気になる存在になっていったと。
YUKA:うん。それが今では『love and pain』(たむらぱんの最新オリジナルアルバム)をバレンタインの日に聴きながら、お菓子を作るぐらい好きになってる。でもお菓子作りは大失敗しちゃって!
一同:『love and pain』のせいみたいになりますよ(笑)!
YUKA:それは完全に私の問題なんですけど(笑)!
--逆にmoumoonにはどんな印象を?
たむらぱん:moumoonが月に関係した日にライブをやっていて、それをテレビか何かで観ながら「面白いことやってるなー」と思っていて……。そうだ! 初めてちゃんと会ったのは、さっき言ってたフェスのときで。わりと共通のミュージシャンの知り合いがいたりして、それからライブを観させてもらっていく中で「moumoonって宇宙だな!」って。ライブというものの魅力も彼女たちのライブを観て感じるようになった。
YUKA:すごく嬉しいです。
--めちゃくちゃ大きい出逢いじゃないですか。では、YUKAさんにはどんな印象を?
たむらぱん:YUKAさんはね、あんまりよく分かんない(笑)。
--いまだに印象固まらず?
たむらぱん:そうそう。いろんなところをすり抜けているようなイメージ。でもすごく頑固だと思う。アルバム『love and pain』を出したときも、「聴く」って言ってくれたからあげようとしたら、「嫌だ。買う」って言って聞かなくて。「反抗期かよ」って(笑)。
YUKA:メール来た! 私は「今! 今欲しい! すぐ!」みたいな感じで。
たむらぱん:今思ったらやる!みたいな人。
--ちょっと動物的ですよね。野性味がある。
たむらぱん:うんうん。そうかも。
--お互いの音楽性に通ずるものを感じたりします?
たむらぱん:moumoonの音楽性って表情がすごく広いじゃないですか。私もわりと統一性のない感じで、いろんなものが好き。受け皿が広いところは似てるのかなって。どうですか? 客観的に見て。
--近しいと思います。今回の対談組ませて頂いたのも、たむらぱん『love and pain』と、moumoonの最新アルバム『LOVE before we DIE』。このJ-POPのひとつの到達点だと感じさせる2枚が、ほぼ同タイミングで完成したからですし。自身では『love and pain』にどんな印象を?
たむらぱん:自分なりの“音楽の在り方”というものが、ちゃんと見えた作品ではあったので、作っておいて良かったっていう感じですかね。あれがあったからまたいろんなことが出来るんだろうなって。
--YUKAさんは『love and pain』にどんな印象を?
YUKA:音も言葉も内側からゆっくりじわーって来る。自分が好きな感覚。音楽を作ったときに「そうなってほしいな」って思っている感覚にさせてくれる音と言葉と、自由に飛んでいっちゃうメロディー。聴いていて、自分も飛んでいるみたいな感覚になるというか、どんどん上に跳ね上げてくれる感じがする。それはベストアルバム『tamuLAPIN』を聴いて、ずっと変わらないものなんだなって思ったし。あとは、よくアレンジのネタが尽きないなって思う。どうやってこんなにバリエーション増やしていくんだよ!って思うぐらいのことをしているので。それは自分が求めているものでもあるんだけど、ぱんちゃんの曲は「どこまでも行くなー」っていつも思う。気持ちをどんどん跳ね上げてくれる。
--なるほど。
YUKA:あと、歌詞が、すっごく希望があるところと、すっごく低いところの両方を握ってるから説得力があるし、ときどき「あ……すみません!」って思わされる言葉を言ってくれる。それはぱんちゃんにだから言われたいもので。
--今の話を聞いていると、たむらぱんの音楽はYUKAさんにとっての理想形なんですかね?
YUKA:うん。自由だから。私に同じことは絶対出来ないと思うけど、すごく好きなんです。好き。好きっていうのが……一番正直でシンプルな気持ちです。
--告白みたいですね。
YUKA:ハハハハ!
たむらぱん:恥ずかしい(笑)。
リリース情報
tamuLAPIN
- 2014/03/26 RELEASE
- 初回限定盤[COZP-900/2(2CD+DVD)]
- 定価:¥4,095(tax in.)
- ≪試聴可能≫
- 詳細・購入はこちらから>>
- 通常盤の詳細・購入はこちらから>>
関連リンク
Interviewer:平賀哲雄|Photo:外林健太
シンクロ~お互いがお互いのアルバムに自身の理想形を見た
--逆にmoumoon『LOVE before we DIE』にはどんな印象を?
▲moumoon / 「Yesterday today and Tomorrow」Short Ver.
たむらぱん:私は「Yesterday today and Tomorrow(無気力同盟ショボンヌ)」が好きで。あの「余裕が欲しい♪」ってところが良いなって(笑)。アルバム全体の印象としては、音数が少なくて、その分だけYUKAちゃんの歌の展開が凄くて。私ももうちょっと『love and pain』でそれをやりたかったなって思ったんですよ。削ぎ落とすことが目的で作ったアルバムだったから。でもまだ自分にはまだまだ無駄なものが付いてるなって『LOVE before we DIE』を聴きながら思った。そこのバランスがすごく良いなと思って。
--お互いがお互いのアルバムに自身の理想形を見たことになりますね。
たむらぱん:あと、YUKAちゃんの書く歌詞って、仮に最初と最後が繋がっていなかったとしても、ひとつのタイミングで威力を発揮する。私が「余裕が欲しい♪」でピクッと来ちゃったのもそうなんだけど、そういうのが面白いなと思いながら聴いてました。
--『LOVE before we DIE』は、いつかは死ぬから“死ぬ前に聴きたい音を創る”。そう思って作ったアルバムなんですよね?
▲moumoon / 「LOVE before we DIE」Short Ver.
YUKA:私、28歳なんですけど、そのときまでにしておかなきゃいけないことが、15歳ぐらいから決まっていて。勝手な思い込みかもしれないけど、自分にとって“何かの死”みたいなものが訪れることを本能的に知っていて、それに付きまとわれて生きてきたんだけど、このタイミングで「作らなきゃ」とか「あ、これこれ!」とか、自発的にどんどん溢れ出てくる感じが止まらなくなったから、15歳からのその感覚って間違ってなかったんだなと思って。だから相方のMASAKIくんとも話したんだけど、本当に真剣に「これ作っておかないで死ねるか!」みたいなものであり、もっと自由になる為の一枚を作らなきゃいけないと思って。それがリスナーにとっては「何?この不安なタイトル」「何?この気持ち悪いジャケット」って思うものになったかもしれないけど、私は美しいものと醜いものは同じだと思うし、愛しさと憎しみも同じだと思うし、それこそ生きることと死ぬことは一緒だって思えたから、このアルバムを作ったんです。
--それで“死ぬ前に聴きたい音を創る”という目標を達成できた感覚はあったんですか?
YUKA:うん。本当に自分が居なくなることはなかったけど、何かが死んだ感覚になったというか。リセットともまた違う感覚なんですけど。
--たむらさんも、いつかは死ぬから“死ぬ前に聴きたい音を創る”という感覚って共感できます?
たむらぱん:感情を使ってモノを作っている限り、理想の状態というものがどこかにはあるんだろうなと思っていて。それが私の場合はまだ分かってないのかもしれないけど、気持ちは分かる……と言ったら軽いかもしれないけど、それぐらい人の気持ちって凄いものなんだよって思うし、みんなそう思っていたほうが良いんじゃないかなって思う。それを聴く人に押しつける感じじゃなくて、作品がそういう風な瞬間を与えるというか、持ってくるようなところが、音楽の仕事なのかなって思うし。だから私もどこかで達成したい想いはあるんだけど、その前に辞めちゃいたい気持ちになるかも。
--達成するところまで行きたくない?
たむらぱん:あまりにも大変そうだから(笑)。正直になるってすごく大変なイメージがあるし、それになりたいっていう憧れも持っちゃってるから、すごく難しそう。出来るかなって。でもやりたいなって思うし、自分の正直なところを見てみたいから、ちゃんと最後には……っていうのはあるかな。
YUKA:たしかに正直と素直って難しくて。でもね、多分作ることは、私にとってはコンプレックスをひとつひとつ克服していくことに近いから、それでどんどんどんどん自由になっていって、でも「やったー!」ってなったときぐらいにまた越えなきゃいけない波みたいなものが来て、だからずっと終わらないんだろうなって。最近それを知って、「とにかく目の前にあるものを使って作ってみよう」というところから、ようやく「空は広かったなぁ」って(笑)。そんな感覚になれたし、もっとなりたいなと思ったし。でもまだまだ「優等生な歌詞だね」って言われたりするから、「ちっくしょー!」って思ったりもする(笑)。
たむらぱん:私は「自由になりたい」っていう想いはすごくあるのに、いざ自由が叶ったときに、それが認められなかったらどうしよう?って思っちゃう。だからある程度何かに捕らわれているほうが、物事の進みとしてはもしかしたら良いのかもしれないとも思うし、ある程度制限されているところがバイタリティになるのかもしれないし、ちょっとした疑問的な部分から作品っていうものは生まれやすいと思う。やっぱり私にはまだ自由に対する不安がいっぱいある。
--深い哲学トークになってきましたけど、2人ともこの先の音楽的ヴィジョンはあったりするんですか?
YUKA:うん。
たむらぱん:私の場合は、自由に対する不安はあると言いつつも、アルバム『love and pain』が出来たことで、気持ちの部分では何かを解放してくれたかもしれないなと思っているので。
--ただ、たむらぱんに関しては、ベストアルバム『tamuLAPIN』をリリースすることになって、総括してる印象も受けます。一区切り感はあったりするんですか?
たむらぱん:ベストっていうニュアンスにそういうイメージはあると思うんですけど、あのベストがすごく意味深いものという感じでもなくて“6枚目の次”“6枚目+”みたいなところかなって。私にとってはひとつの通過点というか、給水ポイントみたいな感じになるといいのかなって思ってます。
--YUKAさんはどうですか? 死ぬ前に聴きたい音を創った今、一区切り感はある?
YUKA:そこで何かが起きるなって感じていた分だけ、その先にやるべきこと。向かうべき道というか、その姿勢とかスタイルとかを瞬発的に見せていかなきゃいけないタイミングと重なっていて。だから「あ、やっぱりね」っていう感じが自分の中にもあって、そこでどれだけ……素っ裸ってあんまりセクシーじゃないけど、ちょっと隠してるぐらいがちょうど良いと思うんだけど(笑)、でも素っ裸にされた状態でも「ごめんなさい。無理でした」ってならないだけの状態になっておかないとって、なんとなく思っていて。だからこの先何があっても、怖いことがいっぱいあったとしても、腹を座らせることが今やるべきことっていう。
--単純な質問なんですけど、前作超えという命題からは逃げられませんよね。そこはどうなんでしょう?
YUKA:前作と比較してどう思われるか?
--要するに『love and pain』を超えられるか。『LOVE before we DIE』を超えられるか。もしくは「やっぱりあそこが頂点だったか」と思われるか。
たむらぱん:それはやだー! 怖い(笑)。
--焦るタイミングですよね。
YUKA:だから私は逆に振り切っていきたいし、そういう気持ちで音作りには挑んでいます。
たむらぱん:私も同じなの。ただ、真逆に進むというか、ある意味で“不自由”を楽しむとか、狙うとか。だから「コテコテやん!」みたいなものになるかもしれない(笑)。結局は自分の作品を“段階”という風には考えられないのかなって思ったし、今回のベストアルバム『tamuLAPIN』を聴いたときに、昔の自分に尊敬する部分がいっぱいあって、時系列で優劣がつくようなものではないなって。平行移動みたいな感じかな。山を登るというよりは、世界一周しているような感じかもしれない。
--そんなお2人にお聞きしたいんですが、今の音楽シーンって生きづらい? 生きやすい?
YUKA:生きづらいかな? 生きやす…………生きやすくはないです(笑)。全然簡単じゃないし。
たむらぱん:自分が小さい頃に感じていた音楽の世界とは、それこそCDが売れるとか売れないとかも含めて、全然違うのかなって。
--この2組っていわゆるブームというものに乗ったことないですよね?
YUKA:ハハハハ!
たむらぱん:乗りたい!
--乗りたいんですか?
YUKA:乗りたいですよ(笑)!
リリース情報
tamuLAPIN
- 2014/03/26 RELEASE
- 初回限定盤[COZP-900/2(2CD+DVD)]
- 定価:¥4,095(tax in.)
- ≪試聴可能≫
- 詳細・購入はこちらから>>
- 通常盤の詳細・購入はこちらから>>
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Interviewer:平賀哲雄|Photo:外林健太
たむらぱん×moumoonのツーマン。フランスの公園で!?
--じゃあ、昨今のアイドルブームとか見ていて、単純に羨ましかったりする?
YUKA:うん。
たむらぱん:「楽しそうだなー」って(笑)。でも最近すごく思ったのが、自分が聴いてる音楽に対して、お父さんとかお母さんが「速くて何歌っているのか分からない」とか言っていた感じが、最近すごくよくわかるというか。
--「最近の若いもんの音楽はよく分からない」的な?
たむらぱん:そうそう。曲のスピードが速かったりして。しかも最近のアイドルソングはバン!バン!バン!って、わりといろんな要素が羅列されるじゃない? それで歌詞とかもよく聴き取れないし、「あ、これか! ウチの親が言ってたやつは!」って。
一同:(笑)
たむらぱん:でも私はそういうサウンドにすごく魅力を感じるし、ちゃんとついていけなきゃなって(笑)思ってるんですけど。
--たむらぱんはアイドルに楽曲提供したり、それこそ自分のステージに私立恵比寿中学を上げたりしてますからね。
YUKA:すごーい!
たむらぱん:ライブに来てもらって、一緒に踊ったの(笑)。私が一貫して思っていることは、アイドルの子たちだからこそ、影響力が凄いからこそ、彼女たちが歌って最強になる絶対的な歌詞だったりを、自分が作るとしたら歌ってほしいなっていうのがあって。パワーが凄いから。
--moumoonがアイドルに楽曲提供とか、アイドルと同じステージに立つとかってないんですかね?
YUKA:いや、まだ経験したことがないから……
たむらぱん:でもMASAKIくんって好きそう。
YUKA:アイドル、好きなのかな?
▲moumoon / 「Butterfly Boyfriend」Short Ver.
たむらぱん:イメージ。勝手なイメージ(笑)。moumoonのアルバムでもゲームっぽい曲とか作ってたじゃん。「Butterfly Boyfriend」。あれを聴いて「もしや、この人は……」って。
YUKA:あー、そういう……絶対変態だろうっていうところはある。
たむらぱん:絶対変態(笑)。
--新しい言葉が生まれましたね。
YUKA:“絶対変態”だと思ってるから(笑)。だから何でもきっと楽しんで取り込むんだろうなって思う。それが好きとかどうとかは分からないけど、楽しんで作ってるのは分かる。ぱんちゃんは、コマーシャルの曲と自分の曲を作るときってどういう風にモードが違ったりするの?
たむらぱん:私は成り代わるとか、役者みたいな感覚が好きだから、CMソングとか楽曲提供は、その対象の人になってみる。
YUKA:変身を楽しんでる感じ?
たむらぱん:そうだと思う。
--moumoonもCMソングはよく制作していますよね。
YUKA:私の場合は「こんな人になってみたいな」という人物像を作って、設定とかまで考えながら書くんだけど、例えばアネッサの曲とかは書いているうちに「聴きやすい」とか「言葉が聞こえやすい」とか、阿修羅像っぽいというか、どこから見てもとりあえず顔は見えるみたいなイメージに寄っていて。でも『LOVE before we DIE』の前のアルバムあたりから、そういうことをずーっとやっているよりも、一旦自分だけのことを整理しないと!って思って。変身ばかりしていたら、ふと鏡を見たときに「わー! 全然違う人になってる!」って成りかねないから。ライブのセットリストを決めるときも「キャラクターがだんだん違ってきた。あ、これとこれは同じ人格になってないから不自然だ」みたいなことが生まれてきちゃって。だから自分を一度ぺろんって出さなきゃいけないと思って。
--たむらぱんは変身を職人気質で楽しめると思うんですけど、YUKAさんは憑依型なので今話していたようなリスクが生まれるんでしょうね。
YUKA:うんうん。
--話を戻しますが、どこのブームにもシーンにも属さない状況。moumoonもどこかの界隈に属している感じがないし、たむらぱんも女性シンガーソングライターのシーンでは異端児扱いになる訳で……
たむらぱん:寂しい(笑)。
--この状況に対してはどんなことを思ったりしますか?
たむらぱん:今は結構いろんな人と対バン組むのも珍しくないじゃないですか。
--異種交流イベントとか?
たむらぱん:そうそう。でも昔はジャンル統一みたいなイベントがすごく多かったから、どこにも入れてもらえなくて(笑)。でもその辺は時の流れと、自分が積み重ねてきたものとで、「まぁ言っててもしょうがないな」って思うようになっていった。
--でも仲間がいない感覚はあるんですか?
たむらぱん:ある。音楽の友達がいないっていう。だからYUKAちゃんは本当に稀というか。同じような立ち位置にいてくれるので。
--「あ、あそこも孤立してる!」みたいな。
たむらぱん:アハハハ!
YUKA:「あいつも教室のはじっこにいるぞ!」って(笑)。moumoonもどこにでも行けるけど、どこにも属してない感じがあって。
--でもそういうどこにも属していない人たちが集まれば、それはそれで面白いことになりますよね、きっと。もしこの2組で何かするとしたらどんなことがしてみたい?
YUKA:「一緒にライブしたい!」ってすごく思ってて。あとは、たむらぱんへの興味がすごく止まらないから、ライブにいっぱい行ったりしながら面白いところをいっぱい見つけて、それで何かを思いついたら「あのー……」って言って(笑)提案したい。
たむらぱん:ただの対バンじゃない感じがいいね。
--ぜひ実現してほしいですね。この2組のファンはどちらの音楽にもハマると思うので。あと、YUKAさんに聞きたいんですが、今後、どんなたむらぱんを見てみたいと思いますか?
YUKA:うーん……海外の人とやってる感じ?
たむらぱん:本当に今入りたいバンドがあるの! 海外に。
--Mother Falcon(マザー・ファルコン)ですね。
たむらぱん:そう! あわよくば入りたい。
YUKA:そういうところに行けると良いよね。どこにも属してないからこそ、日本でも海外でも、活動する国すらも決まってなくていいというか。そこはもっと行っちゃえばいいのにって、自分に対しても思うから。だからフランス行って路上ライブとかしてもいいかなって。セーヌ川の近くで弦楽器と歌だけで、チャリーンみたいな(笑)。そういうところでもどんどん磨きたいし、どこへでも行ったらいいじゃないか!って思ってるんですけどね。自分には。
たむらぱん:分かる。「いいじゃん、行っちゃえばいいじゃん」って思うんだけどね。自分に対して。でも自由への自信がなかなかね。
--じゃあ、たむらぱん×moumoonのツーマン。フランスの公園で。
一同:(笑)
YUKA:フランス人は夏休みに入っちゃうと路上に出てこないから、春とか気持ちいい季節に(笑)。
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- 2014/03/26 RELEASE
- 初回限定盤[COZP-900/2(2CD+DVD)]
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