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ナイアシン来日記念特集
ワールドクラスの超絶プレイヤーが集結した最強フュージョン・バンド、ナイアシンが遂にビルボードライブにやってくる。アメリカを代表するロックバンド、MR.BIGの技巧派ベーシストのビリー・シーンと、ジャズ、フュージョン・ファンから圧倒的な支持を得てスーパー・ドラマーと称されるデニス・チェンバース、そしてチック・コリアやドナ・サマー、リッチー・コールなど多くのアーティストと共演を果たしたジョン・ノヴェロの3人が集まった夢のようなバンド、ナイアシン。その来日を前にバンドの魅力と各プレイヤーの素晴しさを紹介!
ダサい、けど恐ろしいくらいかっこ良い
ひょんなきっかけでビリー・シーンとジョン・ノヴェロが知り合い、“ハモンドB-3のバンド”をコンセプトにセッションがスタート。このプロジェクトの為のドラマーが必要となり、2人の口から同時に出た名前がデニス・チェンバースだった。たまたまスケジュールが合った彼らは96年に正式にバンドを結成。そして、世界中を驚かす作品を生み出していく。バンド名の由来は。リード楽器となるハモンドB-3というオルガンにちなんで、ビタミンB-3の別名である“ナイアシン”から取ったもの。この辺はいかにもこの頃のバンドっぽい。そう、下記で紹介するアルバムのジャケット写真からも分かるように、彼らはダサい、けど聴けば恐ろしいくらいかっこ良いのだ!
現在進行形で動き続けるナイアシン
日本で絶大な人気を誇るMR.BIGのビリー・シーンが在籍しているバンドということで、MR.BIG寄りの期待をされていたこのバンド、翌97年にリリースしたファースト・アルバム『ナイアシン』はその期待を大きく裏切る内容だった。そこで鳴らされていたのは、ジャズ・ファンク色の強いフュージョン。ゴリゴリの超絶技巧に見え隠れするグルーヴが多くのロックファンを喜ばせた。ロックの聴き手がジャズ方面に流れて行くことは自然なことだが、この衝撃はMR.BIGファンを早いタイミングで違うジャンルに目覚めさせるきっかけとなった。
続くセカンド・アルバム『ハイ・バイアス』でも見事な超絶プレイでファンを虜にしてきたメンバーだったが、サード・アルバム『ディープ』でバンドの音はタイトル通り“深み”を増す。フュージョンに加え、プログレっぽいジョン・ノヴェロの色が濃く反映された作品となった。更に本作にはスティーヴ・ルカサー、グレン・ヒューズがゲスト参加。また、8曲目収録の「ミーン・ストリーツ」(ヴァン・ヘイレン)のカヴァーに多くのロックファンがニヤリとしたことだろう。
その後は超絶テクニックばりに忙しい彼らだけに、リリースペースを落としながら『タイム・クランチ』、『オーガニック』を発表。他所の活動で吸収したモノをこのバンドで放出するかように彼らの衰えないサウンドはファンを驚かせる。そして、2013年に8年ぶりとなる新作『クラッシュ』を発表。そのニュースと同時に公開された相変わらずのジャケ写のクオリティは往年のファンを喜ばせた。日本盤は今回の来日を記念してエクスパンデッド・ヴァージョンとしてリリースされる。
世界中で活躍する3人の凄さ
ジョン・ノヴェロ / John Novello(Organ)
コンテンポラリー・ジャズの多才なキーボード奏者として活躍するジョン・ノヴェロ。ヴィンテージのハモンドB-3オタクの彼。根っからジャズ畑のプレイヤーと思いきや、出身はブルース・オルガン奏者としてのスタート。ロックをはさんで、バークリー音楽大学に通い、チック・コリアやドナ・サマーと様々なアーティストのレコーディングに参加。様々なジャンルを偉大なアーティストたちと体現してきた。オルガンだけでなく、もちろんアコースティックなプレイも絶品なこの映像。ジャズ・トリオでパフォーマンスだが、この演奏で彼のバックグラウンドが垣間見える。
ビリー・シーン / Billy Sheehan(Bass)
ベースヒーロー、ビリー・シーンはMR.BIGで名を広めた感があるが、80年代初頭にはタラスというバンドで、ヴァン・ヘイレンのオープニング・アクトを務めていた。その評判は当時の国内早耳ロックファンが「タラスというバンドに凄いのがいる!」と、噂されていたほど。彼は大物達に翻弄されながらも、デイヴィッド・リー・ロスのソロ・プロジェクトに参加し、一躍世界的プレイヤーに。その後、MR.BIGを結成し、彼のキャリアは黄金期へ突入していく。映像は、タラス時代の楽曲「Shy Boy」をデイヴィッド・リー・ロスのグループでプレイしたもの。ロック・キッズの憧れとなったスティーヴ・ヴァイとのスーパーユニゾンが見所、聴き所。若い。
デニス・チェンバース / Dennis Chambers(Drums)
ファンカデリック/パーラメント、ジョージ・クリントン、 ブレッカー・ブラザーズ、ジョージ・デューク、 デヴィッド・サンボーン、 P-ファンク・オールスターズ、マイク・スターンなどなど数えきれないほどの豪華アーティストたちと共演してきたデニス・チェンバース。モーラー奏法の域を超えた高速連打に、マイク・タイソンばりの身体から放たれるサウンドを聴けば、人気の理由は明らか。あのスティーブ・ガッドもデニチェンを見てツイン・ペダルを導入したとか。因みにSMAPの「たぶんオーライ」にも参加しており、凄まじいドラムソロを披露。映像はビリーが感動したと語るデニスのバディ・リッチ・トリビュート・コンサートから。ビッグ・バンドを引っぱり他を圧倒する衝撃のパフォーマンス。若い。
そして3月にはひさしぶりの来日公演が待っている。
ここまで紹介した通り、ナイアシンロックのビリー・シーン、ジャズのジョン・ノヴェロ、ファンクのデニス・チェンバースとフュージョンというジャンルを体現したバンドだ。今回のツアーは3月12日の大阪公演、3月13日、14日の東京公演の3日間だけ。スケジュールを合わせるだけで大変な彼らは、別プロジェクトや、他アーティストのサポートでの来日はあるものの、ナイアシンの公演はかなり久しぶり。今回を逃すとまたしばらく見れないと思われる。ということで、ナイアシンの映像も紹介しておこう。
▼Niacin「No Man's Landed」
来日公演情報
ビルボードライブ大阪:2014/3/12(水)
>>公演詳細はこちら
ビルボードライブ東京:2014/3/13(木)・14(金)
>>公演詳細はこちら
ベース・マガジン 2014年3月号
今回コメントを寄せてくれたIKUOがベース・マガジン3月号の表紙!
現在、テクニカル系のベーシストとして最先端のプレイを見せるIKUO。その流麗な指使いは唯一無二のもので、他の追随を許さない。T.M.RevolutionやTETSUYAのサポートでもその手腕を発揮しているが、そんな彼が、自身のキャリア初となるソロ・アルバム 『R.E.D. ZONE』を2月26日にリリース。自身のキャリアを全方位で集約させたソロ・アルバムの真意を明らかにする。
リリース情報
菅沼孝三 Profile
【菅沼孝三】
大阪で生まれ8歳でドラムを始める。15歳でプロ・デビュー後、数多くのスタジオ・ワーク、コンサート・ツアー、セッションに参加する。自己のドラム・スクール「菅沼孝三ドラム道場」を全国6ヵ所にて主宰。ドラムや打楽器の教則本、DVDを多数リリース。クリニシャンとしても意欲的に取り組み、国内はもとよりワールド・ワイドにドラム・フェスやクリニックに出演。デヴィッド・ガリバルディ、ビリー・コブハム、デイヴ・ウエックル、ソニー・エモリー、スティーヴ・ジョーダン、ジェリー・ブラウン、サイモン・フィリップスなど、多数のトップ・ドラマーと共演。アジア最大のバンドコンテスト「ASIANBEAT」では3回ゲスト出演、審査員を務める。アーティストのサポートでは、CHAGE&ASKA、稲垣潤一、工藤静香、織田哲郎、LOUDNESS、TOSHI(X JAPAN)、ローリー寺西、谷村新司、GACKT、HIDEKI(exSIAM SHADE)、LIV MOON、吉川晃司、yasuのソロ・プロジェクト「acid black cherry」、その他多数。3枚のソロアルバムをリリース。参加ミュージシャンはビリー・シーン、高崎晃、矢堀孝一、MASAKI、ジェレミー・クローク、他。自己のグループ「FRAGILE」矢堀孝一(G)、水野正敏(B)では13枚のアルバムをリリース。「手数セッション」江川ほーじん(B)、田川ヒロアキ(G)と共にCD、DVDをリリース。高速連打、変拍子、トリック・プレイを駆使した独自のプレイ・スタイルで「手数王」の異名をとる。
クラッシュ~JAPANエクスパンデッド・ヴァージョン
2014/02/26 RELEASE
IECP-20232 ¥ 3,080(税込)
Disc01
- 01.Krush
- 02.Tone Wheels
- 03.Stormy Sunday
- 04.Low Art
- 05.Car Crash Red
- 06.Electorcity
- 07.Cold Fusion
- 08.Majestic Dance
- 09.Prelude & Funky Opus
- 10.The Gnarly Shuffle
- 11.Drifting
- 12.Sly Voltage
- 13.That’s The One!
- 14.Triple Strength
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