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モーニング娘。 『⑩ MY ME』
シングル『しょうがない 夢追い人』からアルバム『⑩ MY ME』に至るまでの10ヶ月間は“今のモーニング娘。”にとって最も濃厚な期間であった。久々のオリコン1位、アメリカでのライブ、久住小春の卒業、8人体制の活動と挙げればキリがないぐらい多くのトピックがあった中で、彼女たちは自分でも気付かないほどの成長を遂げていく。今回のインタビューではその10ヶ月間に焦点を当てながら、メンバーの胸の内と『⑩ MY ME』の魅力に迫った。
私たちの格好をそのままコスプレしてくれている
--今日はシングル『しょうがない 夢追い人』以来のインタビューになるんですが、あの曲からアルバム『⑩ MY ME』に至るまでの10ヶ月間は“今のモーニング娘。”にとって最も有意義な期間だったと思っていて。まず『しょうがない 夢追い人』で久々のオリコン1位を獲得しました。あれは嬉しかったんじゃないですか?
高橋愛:リンリンとジュンジュン、光井(愛佳)が入ってからは初の1位だったので、物凄く感動しましたね。それを彼女たちが喜んでいる姿がまた嬉しくて。
--高橋愛がリーダー、新垣里沙がサブリーダーになってからも初のオリコン1位だったと思うんですが、この代で1位を獲りたい想いはそれまで強くありましたか?
新垣里沙:すごく強くありましたね。ずっと「この9人で獲りたいね」と言っていて、やっと1位を獲ることができた。だからみんなでメールを送り合いましたよ。嬉しすぎたから「やったねー!」ってメールを送りまくって、みんなからもすぐ返ってきて。「みんな同じ気持ちだったんだなぁ」って思いました。
高橋愛:泣けましたね。1位の報せを聞いたときはちょうど舞台をやっていて、そこには私と6期メンバーがいたんですけど、みんなで泣いちゃって。周りは何が起きたのか分からないから「なんで泣いてんの?」みたいな感じになっちゃったんですけど(笑)。でも本当に嬉しくて。
リンリン:すぐ中国の両親にも報告しました。
--その直後にはアメリカでのライブもありました。実際に向こうのステージに立ってみてどんなことを感じましたか?
新垣里沙:日本でファンの人が応援してくれるように、L.A.でも私たちと一緒になって騒ぎながら応援してくれている人たちがいたんですよ。アメリカ人をはじめとした海外の人たちがモーニング娘。のTシャツを着て、ペンライトを振ったりしてくれていたのは、嬉しかったです。「もっとこういう機会が増えればいいのに」って思いました。
高橋愛:日本でコンサートをやっていてもたまにアメリカやイギリスの人がいてくれるんですけど、L.A.行ったときにはそういう人たちがモーニング娘。を見て泣いてくれているんですね。それは嬉しいけど、不思議な感じでもありました。「やっと来てくれましたね!」「アメリカでやってくれてありがとう」みたいなことを言ってくれるんですよ。私たちこそ「知ってくれていてありがとうございます」っていう感じなのに。私たちの格好をそのままコスプレしてくれている女の子も多かったですし。緊張して震えている子とかもいるんですよ。
--本気で好きなんだね。
高橋愛:だから「私たち、有名?」ってちょっと勘違いしそうな感じでした(笑)。あとホテルに泊まっているときに【アニメエキスポ】のチャンネルを観ていたんですけど、私たちの『3、2、1 BREAKIN'OUT!』がそのイベントのテーマソングになっているから流れてくるんですよ。私たちの曲がアメリカのテレビから流れてくるっていうのは「凄いことだな」って思ったし、やっぱり不思議な感覚でした。
--海外での活動も積極的にやっていきたい想いは強いですか?
高橋愛:そうですね。アメリカも行きたいけど、やっぱりまた中国に行きたいです。リンリンとジュンジュンが中国でコンサートをしたりすると、あからさまに喜ぶんですよ。で、もし自分が海外で活動していたとして、自分の母国で何かやれるってなったら絶対嬉しいと思うし。だから、もうすぐ中国では万博も始まりますし、そこで中国に行く機会が増えれば2人の為にもなるし、モーニング娘。の為にもなるかなって。
リンリン:モーニング娘。のみんなと中国に行くと感動します。みんな、中国語がすごく上手なんですよ。何故か。普通の人だったら外国の言葉を憶えるのにもっと時間が掛かるはずなんですよ。でも『雨の降らない星では愛せないだろう?(中国語Ver.)』を歌ったときも、みんな完璧に憶えてきていて。それを聴いたときも泣きそうになりました。
新垣里沙:でもリンリンとジュンジュンが教えてくれるんで、そのおかげで憶えられるんだと思います。ひとりで憶えようとしたらそれは難しいから、本当に2人がいて良かったなって。
高橋愛:あと『雨の降らない星では愛せないだろう?(中国語Ver.)』に関しては、みんなのレコーディングをリンリンが付きっ切りでフォローしてくれたんですよ。「もうちょっとここのイントネーションはこうした方がいいよ」とか。
新垣里沙:ディレクターさんと一緒になって指導してくれて。
リンリン:初めて自分が「ちょっとカッコイイな」と思った。
--(笑)。
高橋愛:ディレクターさんも日本人なので、正解はリンリンしか分からないんですよ。だからディレクターさんも「今の大丈夫?」みたいな。
リンリン:審判みたいだった(笑)。
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Interviewer:平賀哲雄
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