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ファレル・ウィリアムス インタビュー
ダフト・パンクの「ゲット・ラッキー ft. ファレル・ウィリアムス&ナイル・ロジャース」、ロビン・シック ft. T.I.&ファレル「ブラード・ラインズ~今夜はヘイ・ヘイ・ヘイ♪」など、今年世界的に大ヒットした2曲に客演、プロデュースにも携わったアメリカを代表する音楽プロデューサー&アーティスト、ファレル・ウィリアムス。
ブリトニー、ビヨンセ、ジャスティン・ティンバーレイクなどトップ・アーティストの楽曲を手掛け、これまでに4度のグラミー賞に輝く、まさに現代の音楽シーンを語るには不可欠な人物だ。音楽以外にもファッション・デザイナーとしてBillionaire Boys ClubとIce Cream Clothingを手掛けるなど、多方面で活躍している彼が、Billboard.comに、eBayとのコラボ、現在制作中の2014年4月公開予定の『アメイジング・スパイダーマン2』のスコアやビヨンセの新作などについて語ってくれた。
自分たちの努力を認めてもらえることほど嬉しいことはない
▲ 「Happy」 (Live on The Queen Latifah Show)
??(現在eBayが行っているキャンペーン)「Follow It. Find It.」について、教えてください。
ファレル・ウィリアムス:現段階では、コレクションを展開してる。どんなものか体験してみる機会を与えられたんだ。流行に乗り遅れる恐れとは、いいマーケティング・ツールでもあるから。今のeBayでは、何でも買うことが出来るから、かつて思っていたほど形式ばったものではない。自分が思っていたような場所ではない、ということが理解できた。俺は見栄えがいいフリーマーケットだと思ってた。でもそうじゃない。優れた利便性を目的とした、人々が集まれるような場所なんだ。
シャネルに行くと女性ものばかりだ。それにセリーヌは女性ものしか作っていない。でも大好きだから、何か着れるものはないかといつも探して。シャネルのリゾート・コレクションはたまに男性ものがあるが、店舗で売ってないものが多い。ユニセックスもの―iPodケースやネックレスはリメイクしてもらったりするが、そんなもんなんだ(笑)。一番しゃくに障るのは、ウィンドウ・ディスプレイのサーフボードやバスケットボールなんか。あれは非売品だから店では買えない。でも1、2年するとeBayで売ってることもある。ありえないだろ。コム・デ・ギャルソンも大好きだけど、以前は見つからなかったようなものも見つかるようになった。
▲ 『ARTST TLK』 Ep.9 / Spike Lee & Pharrell Williams
??『ARTST TLK』というファレルが司会を務めている番組では、各国のクリエイティヴなアーティストと語り合っていますが、質問をする側の立場はいかがですか?
ファレル:『ARTST TLK』について訊いてくれてありがとう。自分たちの努力を認めてもらえることほど嬉しいことはない。これは自分の為にやっているんだ。人々の人生や彼らの思考回路がどのようなものかをを学べる集中コースみたいなもの。ジェフ・クーンズに、モチベーションについて訊けたりする。でもあくまで自身の糧となる、自分の為のものなんだ。
??いつもその人物や主題に精通した、興味深い質問をしてますよね。
ファレル:俺にはすごく視野の広いチームがついてるからね。彼らは誰にも引けをとらない。多くの質問は、彼らが考えるのを手伝ってくれる。俺があそこに座って唯一やることは、自分が敬愛してやまないアーティスト達に―もちろん全員そうだが―インスピレーションの源について詳しく話を訊くことなんだ。神、または宇宙が彼らに与えた才能と創造意欲について語りたい。だからそこに時間を割いている。でも番組を観ている大勢の視聴者は、それ以外のこともたくさん知りたいと思っているのを、俺のチームはわかってる。もうひとつ言いたいのは、俺もファンであるってこと。だからぼーっとする時は、どんなことをしてるのか、どのように到達点に辿り着くのか、とかアーティストとして共有できるような変な質問をすることもある。
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Original Text: Brad Wete / Photo: Getty Images for BET
(ハッピーな曲が)世の中に溢れるまで、
俺はそれを推奨しようと思ってる
▲ 「Blurred Lines ft. T.I., Pharrell」/ Robin Thicke
??今年リリースされたどの曲にも“喜び”の要素が吹きこまれている、と感じるのですが、これは正しい見解でしょうか?プロデュースや携わった作品、すべてがグッドフィーリングなような気がします。
ファレル:俺の音楽のテクスチャーの勢みになっているのは、「何が欠けてるのか?」ということだ。他人がやってるサウンドや今流行ってるものに似てるものを作ることはしたくない。今の世の中にもっと“喜び”は必要だと思う。面白いのは、実はその言葉をツイートしようと思ってたんだ。でもそれよりもっと相応しい言葉が存在するということに気づかさせられたんだ。同じことなんだけど、もっと大きくて素晴らしい目的をなす言葉。それが、この「Happy」というトラックの由来なんだ。そして“Happy”という言葉をツイートした。いかにシンプルなことが、人々を笑顔にするのかをみんな忘れてる。「Happy」「Get Lucky」「Blurred Lines」を聴くと、コード進行的には気持ちが高まるものばかりだ。それが世の中に溢れるまで、俺はそれを推奨しようと思ってる。悲しい曲は作りたくないんだ。
??マルチ・プラチナ作品を多く手掛けているにも関わらず、とても地に足が着いていますね。作品を制作している際に、このアルバムは売れる、“ビッグ”になると思うことはありますか?
ファレル:無いね。この人生すべて順序と因果なんだ。音楽が要因だが、結果に保証はない。「この曲は何故売れなかったんだろう。」と思う曲は多い。様々な要素があるけれど、やはり一番大きいのはリスナーだ。彼らが曲を買って、ストリームして、投票しなければ、“ビッグ”にはならない。その要素は、この場合では結果なんだ。そしてそれは保証されたものではないんだ。
自信を後押ししてくれるのは、自分のクリエイティヴィティに忠実であれば、そのクリエイティヴィティには“ホーム”があることを思い出させてくれるということだ。それが大きな成功という“ホーム”、または自分の姿を鏡に映し、それが自分に忠実であるかを確認することでもいい。今年、様々な人々が俺たちにとても良くしてくれた。それは「君のことを信じているよ。」という確証にもなった。
▲ 「Get Like Me ft. Nicki Minaj, Pharrell」/ Nelly
??今プロデュースしているアーティスト、または携わっているプロジェクトについて教えてください。
ファレル:エド・シーラン。アッシャー。T.I.とはまた何か作る予定だ。ビヨンセ。ジェニファー・ハドソン。ネリーとも「Rick James」って題された凄いトラックを準備してる。俺のお気に入りだ。後はハンス・ジマーと『アメイジング・スパイダーマン2』のサントラのスコアを制作してる。それと「Happy」のビデオは、人々は―いい人は、みんな笑顔になる権利を持っていることを思い出させてくれるから、とてもエキサイティングだよ。
??ビヨンセの新作の制作状況はどんな感じですか?かなり長い時間着手していますよね。
ファレル:Bのアルバムは、クレイジーだぜ。(時間がかかっている理由が)何か教えてあげる。彼女はとても細かい。おとめ座だからね。完璧に出来上がり、自分が納得するまでリリースはされない。彼女は趣向がとても具体的なんだ。でもだからビヨンセなんだと思う。世界中どこで彼女の名前を言っても通じる。それはスゴイことだ。同時に、それは独特のテイストを持っているからこそでもある。欲しい物があれば、それを得るまで追求することを止めない。(他に彼女のアルバムを聴いた人々は)「ワォー!」って感じで、彼女は「そうよ、もうすぐ仕上がるわ。」って言ってる。彼女はまさにクィーンさ。
??じゃあ、待つことにしましょう。
ファレル:その通り。待ち続けよう。
2013年10月24日 Billboard.com掲載
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Original Text: Brad Wete / Photo: Getty Images for BET
イン・マイ・マインド
2006/07/26 RELEASE
TOCP-66490 ¥ 2,075(税込)
Disc01
- 01.キャン・アイ・ハヴ・イット・ライク・ザット featuring グウェン・ステファニー
- 02.ハウ・ダズ・イット・フィール?
- 03.ラスピー・シット
- 04.ベスト・フレンド
- 05.ユー・キャン・ドゥ・イット・トゥー
- 06.キープ・イット・プレイヤ featuring スリム・サグ
- 07.ザット・ガール featuring スヌープ・ドッグ
- 08.エンジェル
- 09.ヤング・ガール featuring ジェイ・Z|アイ・リアリー・ライク・ユー
- 10.テイク・イット・オフ(ディム・ザ・ライツ)
- 11.ステイ・ウィズ・ミー featuring プッシャー・T
- 12.ベイビー featuring ネリー
- 13.アワ・ファーザー
- 14.ナンバー・ワン featuring カニエ・ウェスト
- 15.スケートボード・P・プレゼンツ:ショウ・ユー・ハウ・トゥ・ハッスル featuring ローレン (エキストラ・トラック)
- 16.スワガー・インターナショナル (日本盤のみのボーナス・トラック)
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