3日目(9.8 SUN)
2日目とは打って変わっておおかた晴れ空に恵まれた3日目。雲間から覗く太陽のもとTHE EXPLOSIONSがレゲエ・ビートで会場を沸かせライブがスタート。その後Palm St.ではSALUが"日常"をラップに乗せて歌い、森のSt.ではSpinna B-ILLが共感性の高い歌詞を心地よいリズムに乗せ歌い上げた。そしてPalm St.にはFull Of Harmonyが登場し、「I Believe」などのバラードを披露し会場を盛り上げたと思うと、そこへSOFFetが乱入し「Life Story 09」を5MCで重厚に歌い観衆の心を奪った。その後、熱砂広がるBeach St.に足を運ぶと、灼熱の太陽下でThe Ska Flamesが青空をバックにゴキゲンなビートを刻み観客はそのリズムにまかせて火照った体を揺らした。
続いて日陰を求め木陰にある森のSt.に場所を移すと、沖仁がオン・ステージ。ガットギターのナイロン弦を派手にかき鳴らしたり、ボディーを強く叩いたりしてグルーヴを作り出しまわりの木々や木の葉を揺らしていた。その後INO hidefumiが同ステージに登場、木漏れ日きらめく森の中にフェンダー・ローズの音色をゆらめかし異次元へといざない、途中INOが演奏するピアニカの切ない響きに引き寄せられたかのように赤とんぼが会場を舞い秋の訪れを感じさせた。
同時に繰り広げられていたのは、橙色の太陽が斜めから降り注ぐBeach St.の在日ファンクのステージ。ヴォーカルのハマケンが登場し開口一番あのJBばりの金切り声を発すると、会場は歓声に包まれショウがスタート、ヒップでファンキーな楽曲と夕暮れどきにふさわしいバラード、そしてSunset Liveで初披露となる新曲なども織り交ぜて観客を大いに盛り上げた。続いて同ステージに降臨したのは、こちらもSunset Liveには不可欠な存在であるEGO-WRAPPIN'。ジャイヴのリズムでステージが揺れ、リバーヴがかったトランペットの音色が夕闇をつんざき会場に響き渡ると、満を持して中納が登場、スカやレゲエ、スウィング・ジャズ、ファンクなど様々なリズムが心地よく融合したナンバーを続々と投入し観衆にライブの醍醐味を魅せつけた。そして夕暮れ過ぎ去りつつあるPalm St.ではRHYMESTERがキレキレのライム&フローでドープな世界に引き込み、「まさにSunset Liveの今のこの状況」とMCし「ちょうどいい」を披露、観客もそのリリックに共感し会場が一体となった。
少し前までまばゆく輝き会場を照らした太陽は跡形もなく姿を消し、水平線が漆黒の闇にのみこまれた夜の8時、Sunset Live 2013を締めくくる大トリSOIL&"PIMP"SESSIONSが姿を現した。みどりん&秋田ゴールドマンが生み出すリズムが砂浜を揺らし、丈青のピアノが放つクールでトリッキーなフレーズは夜空に舞おうとして彷徨い、元晴のサックスから噴き出た音色は砂を巻き上げざらつきながら闇に向かい、タブゾンビがかき鳴らすトランペットの金属音は湿った潮風と衝突して散らばる・・・、その様々な方向に向かおうとする音の波を社長が一手に統率し、一つの大きなエネルギーに変える。クライマックスにふさわしい前代未聞のサウンドが芥屋に轟き、さらに観客をも巻き込みながらリミッターを破壊しグルーヴを増していくその様はまさに圧巻。そして終盤にはそのステージに、RHYMESTER、在日ファンク、EGO-WRAPPIN' AND THE GOSSIP OF JAXXのメンバーらが闖入し狂喜乱舞のセッションが繰り広げられ、会場全体は爆発寸前の熱気で満ち溢れた。
すべてのアクトが終わりフィナーレでは、このライブに集まった人々のひと夏の想い出を映し出したかのような色彩豊かな花火が夜空に舞い上がり、そして静かに波打つ夜の海にはかなく散っていった。会場を後にする人々は原色の夏の思い出にピリオドを打ち、セピア色の秋に歩みを進めた。
関連リンク
『Sunset Live 2013(3Days)』
2013年9月6日(金)開場 12:00 開演 12:30 終演 21:00
2013年9月7日(土)開場 11:00 開演 11:30 終演 21:00
2013年9月8日(日)開場 11:00 開演 11:30 終演 21:00
会場: 芥屋海水浴場 キャンプ場 (819-1335 福岡県糸島市志摩芥屋2589)
協力:ⒸSUNSETLIVE実行委員会
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