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ORB スペシャルインタビュー

ORBスペシャルインタビュー

ミュージシャンにとって欠かせないアイテムでありながら、意外と軽視されがちな「ケーブル」。しかし実際は、ケーブルひとつ変えるだけで劇的な音の変化に驚くという。 そんなケーブル業界の中で、ハイエンドかつリーズナブルなプロダクトを作り続けているメーカー「ORB」。今回はMIDNIGHTSUNSのギタリストShinji氏、数々アーティストプロデュースを手掛けているSCHON氏、unkieのベーシストTOKIE氏、さらにORBの担当者も加わりORBケーブルを使って実感した「違い」について語ってもらった。

Shinji (Guitalist/Composer/Producer/Arranger)

MIDNIGHTSUNSのギタリスト。また安室奈美恵や上木彩矢のギターアレンジやツアーメンバーとして活躍中。

SCHON(Composer/Producer/Arranger/ Guitalist)

MR.ORANGEのギタリストとして活躍後、上木彩矢やERIC MARTINの楽曲の作曲/アレンジメント/ギタープレイヤーなどを手掛ける。

TOKIE (Bassist)

unkie、LOSALIOSとしてもライブ、イベント等で精力的に活動する傍ら、布袋寅泰・井上陽水・安室奈美恵のレコーディングやライブにも参加している。
自分の作った音がそのまま出てくる感じ。

--普段みなさんはギターやベースとアンプをつなぐシールドケーブルに「ORB」を使っていらっしゃいますが、これまで使っていたケーブルとどのように音が変わったのでしょうか?

SCHON:簡単に言うと「アク」が取れた感じ。もちろん好みもあると思うけど、「こんなにクリアになったんだ」っていう印象が強いかな。

shinji
▲Shinji

Shinji:俺は音がクリアになってすごく弾きやすくなったし、レスポンスが良くなった。やっぱりケーブルの質によってはちょっと遅れて音が出たりするものもあるけど、そういったズレがほとんど感じなくなったね。
あとは、周りの評価が上がった。自分が作った音のニュアンスがより伝わりやすくなったんだと思う。

Shinji:あともうひとつ特徴的なのは、ケーブル自体が細いし絡みにくいから、ライブで使いやすい。ツアーに出てもかさばらないし。
一時期太けりゃ太いほど良いみたいな風潮があったけど、太さって関係あるんですか?

ORB:線の太さは中の電線自身の太さより、そこを覆っているシースと言われる外皮の部分に主に影響されるので、電線が裸のような状態のあまりに細い線ではノイズ対策が難しい部分はあるでしょうが、基本的に太さで善し悪しが決まるということは無いと思います。
どうしても太い方が音が良さそうに感じますよね。笑

SCHON:音の変化がすごく分りやすいというか、他のケーブルと比べた時の違いが大きいよね。

Shinji:高音域や低音域が突出するクセのある違いではなくて、「普通」と言われる領域を突き詰めた感じで、すごくフラットになるから「音が良くなった」と感じる。

TOKIE:シールドってギター用とかベース用とか種類別に分かれているけど、ORBのはそれがない。ギターでもベースでも、自分が作った音がそのまま出てくる。レコーディングのときは必ず使っています。

--ライブの時は使わないんですか?

TOKIE:アンプからエフェクターにつなぐケーブルには使っているんですけど…表面のケーブルネットが特徴的で滑るんですよ。

ORB:激しく動きながらパフォーマンスされる方は滑る場合もあるみたいですね。
特に女性の方はヒールだと滑りやすいようです。男性ばかりの社内テストでは分かりませんでした。笑
表面にネットをかけない「ライブパフォーマンス用」もリリースします。 ネットをかけないとやはり音質は少し変わってしまいますが、ライブパフォーマンス時の扱い易さと音質のバランスが取れたケーブルをご提供できると思います!

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一度変化に気づくと「こんなに変わるんだ!」っていう感動に近いものがある。

tokie
▲TOKIE

TOKIE:ギターやベースを変えたりすることはみんなやっているけど、電源ケーブルやシールドを変えて、音の違いに気がつくと、どんどんハマっていく。

ORB:最近そういうアーティストの方も増えてきていますね。

TOKIE:電源やシールドでそこまで音が変わると思ってない人ももちろん多いと思うんですけど、一度変化に気づくと「こんなに変わるんだ!」っていう感動に近いものがある。それであれもこれもとハマっていく。

Shinji:シールドもオーディオケーブルの部類に入るんですけど、たとえば、オーディオのケーブルマニアは昔からいますよね。

ORB:そうですね。もともとはそういった「オーディオファン」と言われる方々がケーブルに強いこだわりを持っていろいろ買い替えたりしていて、それが非常にポピュラーな1ジャンルになっているという感じですが、それに比べると楽器を演奏する、曲を作る側の方でそのあたりにこだわられる方はやや少ない印象ですね。

Shinji:楽器をやっている人でこだわりを持つ人達は、既製品じゃなくて、マニアが手作りしたものを使ったりしていたよね。

--楽器自体もそうなのですが、ケーブルの値段もすごく幅広いですよね?

Shinji:うん。数百円のものから、なかには7万円以上するものもザラにあるし、そういうものはすごく個性が強い。その中でORBは1万円台で同じくらいのクオリティを出している。
高すぎるとブームになりにくいし、ギターでもベースでも使えるからポテンシャルが高いと思う。

SCHON:僕の場合、プレイヤーというよりも自宅での制作作業も多いので、パソコンの電源ケーブルも良いものを使うようにしてる。そうすると音が変わる。

Shinji:そうそう。僕らもパソコンで楽曲制作するから、そういうところも気を使うよね。

--パソコンもですか!?

Shinji:やっぱり、いまはパソコンもエレキギターと同じで電気を介して音を作っていくので、ケーブルによって音が変わってくる。
でもケーブルで音が良くなることは意外とみんな知らないし、知ったら絶対変えたくなると思う。

--ミュージシャン以外の方でも変えてみるとよさそうですね。

Shinji:そうですね。試してみると分かってもらえると思います。

SCHON:スタジオでプロデュース作業をするときは、電源ケーブルとかタップを持ち込んでます。

schon
▲SCHON

ORB:録音は通常皆さんがご自身でお持ちのマイクや楽器からオーディオ・インターフェースを通して行い、そこからご自身のスピーカーやヘッドフォンなどでモニターされるので、いわゆる「普段の音」をよく知っている状態ですよね。
会場が毎回変わり、音響の環境がそれぞれ異なるライブ会場よりケーブルやタップでの音質改善をよりはっきりとご体感いただけると思います。
自宅録音を楽しまれる方にもとてもお勧めです。

SCHON:家電でもそうなんですけど、持ってるものが古くなってくると新しいものが良く見えるし、欲しくなるじゃないですか。それでギターそのものを買い替えたりするけど、実はケーブルを変えるだけで全然変わったりするんですよ。車のチューニングみたいなもので。

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    ジャパンブランドをアピールしていきたいですね。
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海外でライブをやるときにはケーブルも含めて
ジャパンブランドをアピールしていきたいですね。

--ORBのケーブルやタップなどを皆さん非常に気に入っておられることはよく分かりましたが、もっとこうなったらいいなと思うところはありますか?

TOKIE:滑らなくなること

一同:笑

Shinji:自分はそれは気にならないし完璧だと思いますよ。あとすべて日本製というところも素晴らしい。

ORB:ありがとうございます。そこには非常にこだわりを持っていて、ケーブルは東大阪にある立井電線さんというファミリーコンピューターのコントローラーの線も作っていた会社さんに特注品を制作してもらい、メッキもすべて大阪のアクセサリーを主に手掛ける協力工場さんで、ケーブルネットも国産、ハンダ付けは社内マイスター資格を持つ職人が全て一人でやっています。

Shinji:その職人さんが休んだら大変じゃないですか。

ORB:以前1週間休んだことがありまして、その間は生産が止まりました。

一同:笑

Shinji:僕はギターも日本製なので、日本人の誇りというか、海外でライブをやるときにはケーブルも含めてジャパンブランドをアピールしていきたいですね。

ORB:我々としても製品に誇りをもっていますし、今回お集まりいただいたみなさんのような海外に羽ばたかれるアーティストの方のお手伝いができたらと思っています。

--9月末にビルボードライブ大阪、10月にビルボードライブ東京で行われるイベントへの意気込みを聞かせてください。

SCHON:音のクオリティを体感できる空間を作れればいいなと思っています。
僕らは普段通り全力で演奏するので、音の違いはお客さん自身がその場で感じ取ってもらえたらいいですね。

Shinji:普段やっているライブハウスとはまた違った雰囲気だし、使うケーブルや電源にも徹底的にこだわって音の良さ、ケーブルの良さを楽しんでもらえるようなイベントにしたいね。
あと、是非ビルボードライブのスタッフさんやお客さんの感想も聞いてみたいですね。

TOKIE:実は私は今回スケジュールつかなくて出られませんが(笑)、ORBのユーザーとして、ケーブルを変えるだけでこんなに音が変わるんだっていうのも知ってもらいたいし、普段から楽器やエフェクターだけじゃなくケーブルにまでこだわって音楽をやっているんだということもSCHONやShinjiのステージから感じてもらえたらいいなと思っています。