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山根康広 『MUSICMAN』インタビュー

山根康広 『MUSICMAN』 インタビュー

 デビュー曲「Get Along Together」から20周年を迎えた“ROCK”シンガーソングライター 山根康広。6月26日 10枚目となるオリジナルアルバム『MUSICMAN』をリリースした。彼の生き様がそのまま反映されたとも言える今作には、あの頃から変わらぬ、誰もが口ずさめる、日本人だからこそ奏でられるロックナンバーばかりが収められている。その美学に迫った。

夢とか、愛とか、希望とか、伝えたいものは変わらない

--「Get Along Together」でのデビューから20周年を迎えた、今の率直な心境を聞かせて下さい。

山根康広:あっという間でしたけど、いろいろありましたね。デビューしてから3年ぐらいは「Get Along Together」みたいなバラードというか、スローな曲をなるべく書いて。「シングルを売りたいので」っていうことで。ただ、そういう曲ばっかり書くということには苦労しました。でもそのうち徐々に自分の音楽をやっていけるようになっていった、という感じですかね。

--20年活動してきた中で、ご自身では山根康広ってどんなアーティストだと感じていますか?

山根康広:自分の音楽スタイルっていうのは、30歳になったぐらいから固まってきたんです。デビューアルバムとかはアマチュアのベスト盤みたいなもんで、そこから3枚目ぐらいまではやりたいことを詰め込んできたんですけど、自分の中では3、4年続けばいいやぐらいに思っていたので、そこから「どうしようかな?」ってなって。でも結局はやりたいこと、言いたいことはそんなに変わっていくものではなくて、夢であるとか、愛であるとか、希望であるとかを歌い続けてきた。伝えたいことは今も変わってない。

--そこに迷いがないですよね、山根さんって。

山根康広:あと、基本的にはバンドスタイルが好きだったので、本当はバンドでデビューしたかったぐらいなんです。バンド組んでたんですけど、オーディションを受けると、そのバンドの中の何人かだけでいいと。「他のメンバーはこっちで集めるから」みたいな。でもそれは嫌だったので、メンバーを変えずに活動してきたんですけど、大学出て就職するときに1人欠け、2人欠けってなって活動休止状態となり。で、俺はサラリーマンを4年ぐらいやりながら音楽してて、結果的にひとりでデビューすることになって。

--そういうストーリーもあって、ソロでもバンドスタイルに拘ると。

山根康広:バンドサウンドが好きなので。でもデビューしてから数年間は、ディレクターとプロデューサーの意向でスタジオミュージシャンも使っていて、譜面通りバッチリ演奏してもらってたんですけど、自分はみんなと一緒に作っていきたかったんですよ。愛情的な部分で生まれるグルーヴとかが全然違うし、そっちの方が好きなので。みんなで夢を追い掛けていくノリが。で、今は同じバンドメンバーでレコーディングもツアーもやってるんで、納得いく形で音楽活動できてます。

--山根さんはデビュー曲がいきなり大ヒットしました。日本中で「Get Along Together」が愛されたことは喜ばしいことだと思うんですが、その反面で“「Get Along Together」の人”と言われ続ける呪縛には苦しまれたんじゃないですか?

山根康広:たしかに十字架背負ってるのと同じで。ライブまで来てくれたり、アルバムをよく聴いてくれている方々は、いろんな世界観があることは知ってくれていると思うんですけど、「Get Along Together」だけ知っているという方はまだまだ結構多いですからね。昔は「絶対これを歌ってくれ」という方向性がある中で、若かったというのもあって「なくても俺は大丈夫だ」と、ツアーから「Get Along Together」を抜いたりしたときもありましたけど、今は「聴きたいんであれば、歌った方がいいかな」と思って、なるべく入れるようにはしてます。

--ただ、そればかりを求められることにはフラストレーションもあったと思うんですが、それすらも受け容れた先にあるアルバムですよね、今回の『MUSICMAN』って。山根さんが歌いたい音楽はずっとブレなかったことの証明でもある。

山根康広:そうですね。さっきも言いましたけど、夢とか、愛とか、希望とか、伝えたいものは変わらないので。あと、自分がライブ会場に外タレとか観に行ったときに興奮したり、すごく感動した記憶って今でも鮮明に残っていて、そういう部分を伝えたい想いが根本的にあるんですよね。だから曲もみんなが歌えて、なるべくスタンダードになれるようなものを数多く作りたくて。「感動できてよかったなぁ、また頑張ろうかなぁ」っていう気持ちになってもらいたいですから。今はライブのバリエーションもいろいろあると思うんです。刺激を求めに行くとか、ハイになりたいとか、グルーヴを楽しみたいとか。ただ、俺的には思春期にガン!と感動したような王道を大事にしていきたいんです。

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山根康広「MUSICMAN」

MUSICMAN

2013/06/26 RELEASE
XNTR-15038 ¥ 3,960(税込)

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Disc01
  1. 01.MUSICMAN
  2. 02.唇よ愛をさけべ
  3. 03.愛しのマリア
  4. 04.IT’S ALL RIGHT
  5. 05.ROCK’N ROLL NIGHT
  6. 06.CLOUD9
  7. 07.蒼い風
  8. 08.オーロラ
  9. 09.GRAND DAYS
  10. 10.LOVE GUN
  11. 11.TODAY
  12. 12.林檎の木
  13. 13.The Theme Of MUSICMAN #1 (TYPE A ボーナストラック)

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